古代の哲学者プラトンと前世、ギリシャ神話の神と人間

 しばらく、古代から近代までの歴史上の人物と転生や前世観、不思議な話を見て行きましょう。

 数か月前に、このブログでも紹介した、中国の「生まれ変わりの村」のお話のオリジナルの話をみつけました。中国のお話はつくり話か実際にある村かは定かではないですが、死んでからの前世の記憶を、川を渡る時にスープを飲んで消すというお話のプロットでした。

 最近みつけたのですが、実は西洋の古代から、この話は欧米諸国に伝わっていたのです。話の元はギリシャ神話です。紀元前1000年以上前からこの話は、神話として口承で伝わっていたと考えられます。

 それは、レーテーという川の話です。ギリシャ神話でのレーテーは黄泉の国にいくつかある川の一つで、川の水を飲んだ者は、完璧な忘却を体験するというものです。

 古代ギリシャ人は、魂は転生(生まれ変わり)の前にレーテーの川の水を飲まされる為、前世の記憶をなくすのだと信じていました。この話のプロットは、世界中の文学に影響して、多くの小説や詩や戯曲にひんぱんに書かれています。

 古代ギリシャの哲学者プラトン(紀元前427年~紀元前347年)の著作『国家』最終章「エルの物語」で、はアムレス(不注意の意味)の川の流れる「レーテの平原」にたどりついた死者の話を語っています。

 プラトン(本名アリストクレス)はソクラテスの弟子で、アリストテレスの師です。プラトンの思想は西洋哲学の源です。アカデメイアという名前の学校をつくりました。アカデメイアでは、天文学(占星術を含む)、生物学、数学、政治学、哲学などを教えました。プラトンは輪廻転生説のオルペウス教やピュタゴラス学派の思想、特に幾何学を重んじる思想を学び、パルメニデスなどのエレア派にも関心を寄せていました。

 プラトンは初めて理論的に人間の心を考えようとした人で、 魂の三区分説で人間の心の動きを説明しようとしました。人間を霊魂(こころ)と身体(肉体)に分けて考える霊肉二元論の立場に立って、魂を3つの働きに区分しました。そして、彼は霊魂の不滅を主張しました。今のわたしの考えもこの考え方に近いですが、肉体に入る魂と、肉体に影響される情緒の心と、肉体の3つに私は分けています。


 魂に対する正しい見解は紀元前400年ごろにもう完成していたのですね。紀元前1000年以上前の古代ギリシャから輪廻転生思想はもともとあったものです。世界中の古代文明に転生思想はあったのですね。これが消えたのは、ずっと後のユダヤ教やキリスト教やイスラム教などの根っこが一緒の唯一絶対神の宗教が入って来て、それぞれの政治と結びついて、都合がわるいので、輪廻転生の思想だけが、抹消されてなくなったのです。

 余談ですが、プラトンはアテナイ最後の王コロドスの血をひく貴族でした。政治家を志していたのですが、政治に幻滅し哲学者になりました。彼は、政治家の収入を制限し儲からないようにして、私有財産と家族を持たないようにさせるべきだと考えました。そうすれば、お金に意地汚い人は政治家にならないだろうと考えたのです。でも、当時の政治はもう金権体質だったのかもしれませんね。それで、プラトンは政治に失望したのではないでしょうか?「権力は腐敗する」という言葉がありますが、プラトンは古代からそのことを知っていたのですね。

 
 古代の神話は、人間の想像上のお話だけでなく、古代や超古代の歴史を反映しているものであると思います。ギリシャ神話にはさきほどの輪廻転生思想だけでなく、人間の起源に関する多くのヒントが隠されています。

 ギリシャ神話の話は、西洋文明の基礎になっていますが、西洋だけでなく、アジアや、中近東、アフリカ、北南米、日本にまで影響しているかもしれません。数回にわたって見て行きましょう。

 ギリシャ神話では、多くの神の中でプロメテウスという神が、地上にあった泥をこねて、小さな人形を作り、女神アテネが生命を吹き込んだと言われています。プロメテウスは神々の王ゼウスのいかずち(雷)の火を盗み、人間に与えてしまいます。人間は火をもとにどんどん知恵をつけ、新しく生まれた人間をもとにもどす事が出来ない事を知った、ゼウスは、人間の能力を制限して、神のようになることを防ごうとしました。

 けれども、人間は本能の中に完璧な神に近づこうとする刷り込みがなされているというのです。

 次回にギリシャ神話の現代に通じる不思議な話を見て行きましょう。同時に歴史上の不思議なことをした有名人もさがして見つけたら、書いていきましょう。 

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前世 -生まれ変わりを題材にした映画ー記憶の棘

 今日は、旧暦の上では節分で1年のはじまりにあたりますね。

 前回に引き続いて生まれ変わりを題材にした映画について話します。

 今回の映画は、2004年制作、2006年日本公開のニコール・キッドマン主演の日本語題名「記憶の棘(とげ)」・原題「Birth]です。彼女はこの映画でゴールデングローブ賞最優秀女優賞にノミネートされました。監督はミュージック・ビデオ制作で有名なジョナサン・グレイザーです。夫が生まれ変わった設定の10歳の少年を演じたのは、キャメロン・ブライトという可愛いですが個性的な子役で、独特の表情と演技から、人間離れした宇宙人のような雰囲気もあります。(彼は現在19歳で若者にヒットした吸血鬼の映画「トワイライト」シリーズに出ています。

 私はこの「記憶の棘」という映画を2回見ました。映画字幕で見たので、今日またビデオを借りて、日本語吹き替えで見直してみました。

 映画の出だしは、声だけの情報で科学者が講演して、生まれ変わりの事を話しているところからが最初です。「もし自分の妻が突然死んで、その後小鳥が飛んできて生まれ変わった妻のアナよと言ったら、僕はその鳥と一緒に暮らします。でも僕は科学者ですから、生まれ変わりは信じません。僕は講演のあとジョギングして帰ります。」という講演の最後の話から始まりますが、話している彼の顔は映りません。それから、彼が雪の中を軽装でフードをかぶってジョギングしていますが、彼の顔はやはり見えません。
 
 そしてジョギングコースがトンネルにさしかかり、入口に入ったところで、彼は胸を押さえてその場で倒れ込みますが、あたりには歩いている人も、車もいません。雪がただ降っています。その後水中出産で、出てきたばっかりの赤ん坊の姿が映ります。(この場面でのトンネルは、死んだ後に通る暗闇や産道を象徴していると思います。そこから、また光の世界へ出るとこの世に生まれてきたという流れなのではと思わせる映像です。

 それから10年後、映画の中での現在で、主人公のアナは死んだ夫がまだ忘れられず、彼のお墓の前にいるのですが、彼女には婚約者がいて、もうすぐ結婚することになっています。

 彼女の住んでいる高級マンションで、彼女の母親の誕生パーティをしている場面で、ホテルのような豪華な廊下の椅子に男の子が坐っています。彼は招待客と一緒に、アナと婚約者のジョセフが住んでいるマンションの部屋に入ります。そして、皆の前で「僕はアナの夫ショーンだ。」と言います。10歳くらいの男の子が、アナの夫だというので、大人たちは驚きます。皆生まれ変わりなんか信じられないといいます。

 アナはどこの子かと聞くと、父親がそのマンションでヴァイオリンの家庭教師をしていると言います。男の子はアナが婚約者の男の人と住んでいて、もうすぐ結婚することを知り、僕が君の夫なので、結婚しないでといいます。

 アナは男の子がいたずらしていると思い、追い返します。追い返される時男の子は廊下で倒れます。彼女はその姿を見て夫の最後の場面を想像します。

 でもとても気になって男の子が家に来た時に、その男の子を家に入れていろいろ聞いたり、夫の義理のお兄さんに会わせたりします。そして、自分はショーンだと名乗る男の子は、彼しかわからない義兄の質問や彼女の質問にすらすらと答えます。

 あの場所で待っているとだけ男の子は彼女に電話で伝言しますが、彼女の考えた場所と、男の子の行った場所が一致します。それは夫のショーンが心臓発作で死んだところでした。

 義理の兄と会った時男の子は、死んだ日にお兄さんに呼ばれて講演をしに行ったことを話します。義兄が講演のテーマを聞くと少年は原子物理学のことを話します。そして、自分は前と変わらずアナを愛してると言います。

 結婚式の練習をみせたら、その子はあきらめるだろうと招待したところ、ショーンが婚約者に敵意をむき出しにして、彼女の婚約者を怒らせることになります。結婚は延期となり、アナは夫の生まれ変わりだという10歳の男の子にどんどん惹かれていきます。彼女の年老いた母親はその気持ちに強く反対をします。

 アナはショーンだと名乗る男の子を連れて、どこかに逃げて、11年後に結婚しようとまで言います。でも現実には、子供を連れて逃げると誘拐になってしまうので、とても迷って苦しみます。

 ところが、婚約披露宴に来たショーンの友人の奥さんが、ショーンだと言い張る男の子に、自分が彼の生前に不倫をしていたようなことを匂わせ、男の子の記憶から自分が抜けていたことをなじります。
 
 アナが死んだショーンにむけて、書いた昔の思い出の手紙を愛人だったと名乗る奥さんがあずかっていて、彼女のマンションの庭の枯れ葉のしたに手紙を埋めたのを男の子が見つけて、その手紙を盗み見て、夫の生まれ変わりだと嘘をいったのだと男の子を問い詰めます。彼女は「ショーンが愛したのは妻ではなくて愛人の自分だ」という妄想ともいえる思いこみに10歳の男の子は前世の記憶が混乱して来ます。さらに混乱し愛人がいたというショーンとアナを愛した記憶があいまいとなって、ショーンが愛人を妻より愛していたなら、アナを愛している僕はショ-ンでないというへんな理屈の結論に達します。前世の記憶はあっても、体や心は子供なのです。記憶と体・心の不調和が生じます。(だから、過去世、前世の記憶は1回1回消してくるのです。)彼は、アナに別れを告げに行きます。

 アナは婚約者に騒動の事をあやまり、延期した結婚式を挙げることになります。

 結婚前にアナはその男の子に近況を報告します。男の子から返ってきた返事にはこうありました。

 「僕はお医者さんにカウンセリングを受けています。先生は想像力の産物だと言いました。お母さんは、子供から大人になる過渡期のせいだと言いました。医者に聞いても、あの不思議な事の原因はわからないと言われました。皆に迷惑をかけてごめんなさい。あなたを悲しませてごめんなさい。でも、また、別の人生できっとあえるよ。」彼女はこの手紙を見て、ウェデイングドレスのまま海に飛び込んで死のうとしますが、新婚の夫が止めて映画が終わります。

 この最後の言葉で男の子が生まれ変わりの事をよく理解していたことが分かります。それから、海に飛び込もうとした、主人公の顔に愛する者を失った、取り戻すことができない喪失感がでていて、このふたつ、「生まれ変わり」と「愛の喪失感」がこの映画のテーマだと思いました。やはり、男の子は主人公の夫の事をあまりにも知りすぎていたのです。全体が終わった感じがせずに、途中で切れたように終わっていましたが、後味がすっきりしないままでも、生まれ変わりの事を見た人に考えさせる十分な効果があると思いました。

 前回あげたコメディタッチの古い映画に比べて、全体的に暗いイメージがありますが、これもいろいろ調べて真面目に輪廻転生の題材を扱っています。

 インドなどの生まれ変わりの研究事例では、子供が別の村のだれだれだったというと、輪廻の思想がしっかり行きわったっているので、子供をつれて、親がその村を訪問し、訪れてもらった家族も喜んで、その子供を巡って家族ぐるみの付き合いをすることが多いそうです。

 日本も含め最近の科学万能の時代では、生まれ変わりを否定しているので、もし、記憶が残っていて生前の家族を訪ねても、この映画のようになってしまうことが多いのでしょう。長い人類の歴史の中で、生まれ変わりを信じないのは、この短い近・現代文明の時代だけです。

 次回もまたおもしろいテーマを探して書きますね。

 
プロフィール

観音寺りえ

Author:観音寺りえ
アトラス研究所の観音寺りえです。

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住所: 東京都文京区千石4-37-10 
TEL: 03-3942-1341
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