不思議な話 その65 未来の再生医療と映画「エリジウム」「タイム」

 前に書こうと思っていた、遠い未来の再生医療と再生医療に関係した映画「エリジウム」(DVDで販売されてますがすじのネタバレがあるかもしれません。)について書きますね。

 昨年くらいでしょうか、人工臓器を3Dプリンターで作ろうとしているUSAのカリフォルニア州サンデイエゴにあるオーガノボ(Organovo)という会社の研究者が、初めて人間の肝臓の小さなレプリカを作るのに成功したという記事を読みました。厚さ0.5ミリ、幅4ミリのミニュチュアサイズの肝臓ですが、普通の肝臓と同じ機能が果たせます。この研究が未来に成功すると、3Dプリントした肝臓が病気の方の肝臓に移植できるようになるということです。

 今はこのミニ肝臓は、人体から採取した肝臓のごく一部を使っているので、5日間くらいしか機能しないそうですが、実物の動きもシュミレーションできて、ホルモンや薬を体に運ぶアルブミンや、脂肪を運ぶコレステーロール、アルコールを分解する酵素が生成されるそうです。

 この会社では、普通サイズの肝臓を3Dプリントし、人体に移植することを目指しています。それには、臓器全体に血液をいきわたらせる必要があるそうです。その為に血管を実物大でプリントして肝臓にくっつけなければならないそうですが、将来実現しそうですね。

 このような試みはいろいろな人間のパーツで未来には成功することになるでしょう。歯や目や耳や皮膚、各臓器、心臓も可能になるでしょう。でも誰でもがその恩恵にあづかれるとは限りません。

 ちょっと前までロードショーしていた映画「エリジウム」(2013年9月)は「第9地区」(2009年8月)という変わった映画を低予算でつくったニール・ブロムガンブという監督が作りました。主演はマット・ディモン敵役にジョディ・フォスター、第9地区の主人公シャールト・コプリーが確か悪役になっていると思います。

 第9地区は私も見ましたが、とても変わった面白い映画でした。地球に難民としてやってきたエイリアンとそれを抑圧する人間社会の対立を描いて、貧富の差と差別を描いていたような・・・主人公のエイリアン対策の役人だったと思うのですが、その主人公はエイリアンに冷徹にせっしていたのですが、同情をおぼえて接触しているうちに、地区の謎の黒い液体を浴びてしまい、自分も同じエイリアンのすがたになっていくという内容だったような記憶があります。この主人公がシャルート・コブリーで、頼りないような細いやる気のなさそうな男性でした。彼は役人のボスである義理の父親に、エイリアンに変化した人間として人体実験されそうになって逃げます。そして、第9地区に逃げ込んで、エビの姿をした友人が出来、最後は犠牲になって友人のエイリアンを逃がします。この映画は南アフリカで制作され、南アフリカのスラム化した地域の人々の差別の問題を象徴していると言われました。

 エリジウムは同じ監督が4年後に作った映画です。エリジウムも第9地区にあるテーマと共通部分があり、エリジウムでは貧富の差の格差社会に対する批判も込められています。エリジウムの意味は選ばれた人々の住むところという意味です。

 あらすじをネタバレになるかもしれませんが、少し書きます。2154年、地球は大気汚染と人工の過剰に苦しみ、お金持ちや権力者はスペースコロニーエリジウムに住んでいます。そこでは、貧困も汚染も病気も存在しません。主人公のマックス(マット・ディモン)はまだ若いですが、両親が亡くなって施設で育ち、施設を出てから、貧しさゆえに自動車強盗を繰り返し刑務所ですごすことが多かったのです。彼は強盗から足を洗い、真面目に工場で働くことにしました。警察はロボットで、給料を払うロボットがいたり、会社もロボットが管理しています。人間もロボットに交じって作業をしているのですが、彼はずさんな会社の管理で事故で大けがをしてしまいます。彼は、あと5日の命と診断され、きちんとした治療も受けられずに医療ロボットから痛み止めのような薬だけもらって、わずかなお金をもらって会社を解雇されま
す。

 マックスは友人のフリオやエリジウムまで密入国のようなことをしているスパイダーという男に、行き方を教えてもらいます。エリジウムでは、彼の事故での回復は再生医療によって可能なのです。エリジウムの再生医療ではどんな病気や体の欠損も治すことが出来ます。

 エリジウムの権力者で、治安を守っている長官のテラコート(ジョディ・フォスター)は地上に住む凶悪なエージェントのクルーガー(シャ-ルト・コプリー)と協力し、地球からの密入国者を生死をとわず排除しようとします。マックスはスパイダーの仲間に弱った体を機械でサイボーグのように補強してもらい、エリジウムの設計者の富豪をおそい、体につけた機械と彼の脳をつなぎ、エリジウムの設計と秘密を手に入れます。つまりエリジウムのコンピューターにアクセスする方法を手に入れたのです。施設でいっしょに育った憧れの女性の子供を助けるべく、彼はエリジウムに向かい、テラコート長官や悪党のクルーガーと戦い、憧れの人が人質になったのを助け、その娘も助け、彼がコンピューターにアクセスすると、彼の脳が停止すると知りながら、自分の命をかけて貧困と病気に苦しむ、地上の人々の為に、再生医療用のカプセルを搭載したロケットを地球に飛ばします。コンピューターに全ての人を平等に助けるという指示を出した後、彼は力つきて亡くなります。

 エリジウムでも第9地区と同じ「貧困」と「差別」格差社会と戦う主人公というテーマが描かれています。映像はきれいとは言えませんが、荒廃した地球の都市のようすがよく表現されています。

 「タイム」は2011年にできた映画です。賛否はあると思いますが、私は面白いと思いました。スタイリッシュSF映画で、主人公はジャステイン・ティンバーレイク、女主人公はアマンダ・セイフライト、敵役に私の好きな俳優のキリアン・マーフィーが出てきます。

 あらすじは科学技術が進歩して、老化現象や病気を解決した近未来が舞台です。25歳で生体の成長が止まると、貧しい者の余命はあと、1年しか設定してないという社会のシステムが出来上がっている未来社会です。

 富裕層は100年でも200年でも年をとらずに生きられるのに、貧しい人々はスラムに住んで、短い寿命を延ばすため、あくせく働いています。家賃も食事代も寿命で払うという皮肉な社会で、寿命がお金の代わりになっています。

 物価が急に上がったことで、主人公のお母さんの寿命が彼の目の前で尽き、主人公は苦しみます。ある時、貧民街に富裕層の男性が来て、主人公は彼を助けます。金持ちの男は体は若いですが、100歳以上で余命も100歳以上あります。彼は長い人生に絶望して、自殺をするべく貧民街に来て、主人公に100歳以上の寿命を与えます。主人公は100歳以上の寿命をもって、富裕層のコロ
ニーに向かいもぐりこみます。しかし、金持ちの男を殺して寿命を奪ったと誤解され、キリアン・マーフィー演じる男にや富裕層の手先に追われます。

 主人公は富豪の令嬢と恋に落ち、彼は彼女を連れて、追われる身でスラム街に逃げ帰ります。二人は追手を倒し、富裕層の権力者の彼女の父親の銀行を襲い、その寿命銀行から寿命を奪い、貧しい人々に寿命を分け与えます。貧富の差の社会秩序を崩壊させてしまうのです。

 タイムの映画には再生医療の描写は直接は出てきませんが、富裕層イコール健康で寿命が長い、貧困層イコール、病気や問題があり寿命が短い、人として尊重されないという図式があります。

 再生医療は素晴らしいことですが、貧富の差で受けられたり受けられなくなる社会はこの二つの映画のように過酷な社会になります。格差に関係なく人として尊重される社会の中で、再生医療技術が平等に成長していくことを祈っています。
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不思議な話 その50 食べ物の不思議ー神から与えられた果物

 今年2013年もあと、残すところ1日ちょっととなりました。不思議な話50回目は時代順にいうと、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教で神から与えられた食べ物であるといわれているなつめやし(デーツ)について書きますね。

 なつめやしは紀元前8000年前(現在からだと1万年くらい前)から栽培されています。メソポタミアの文明でも栽培されていたようですし、エジプトでも盛んに食べられていました。シルクロードで長距離の旅をする隊商は食糧がない時は、なつめやしと連れているらくだの乳だけで、旅を乗り越えたといいます。

 古代メソポタミア文明ウル遺跡(紀元前4500年くらい)からなつめやしの種が出土したそうですし、アッシリアの王宮の石材からなつめやしを栽培している絵が出てきました。植物にとっては劣悪な環境の砂漠で甘い栄養価の高い実をつけるなつめやしをその生命力の強さから「生命の木」ともいわれ、母マリアがキリストを出産したのも、馬小屋ではなくて、デーツの木の下だったとする伝承もあります。

 旧約聖書ではなつめやしはこの時代でも貴重な食料で、「エデンの園の果実」とされ神からあたえられた果物とされています。出エジプト記第15章22~27では、80歳のモーゼに率いられて、エジプトでは奴隷だったイスラエルの民が葦の海からシュルの荒れ野に向かいます。3日後に水も食糧も無くなって、600家族6000人が塩分と硫黄分の含まれた水にモーゼが木を投げ込むと、水が飲めるようになったとあります。彼らは、エリムという所について、そこは神から与えられたオアシスで12の泉と70本のなつめやしが生えていたとあります。

 旧約聖書雅歌7章8、9節には、美しい女性をなつめやしにたとえて歌っています。

 新約聖書では、なつめやしは正しいものの象徴とされています。詩篇92:12「正しいものはなつめやしの木のように栄える」とあります。葉は常緑樹で、1年中緑の葉がしげっていて、勝利の凱旋の象徴とされます。イエスがエルサレムに入城したとき人々はなつめやしを持って迎えました。

 神の民はなつめやしにたとえられ、それは勝利の人生が約束されているからであるとされています。黙示録7:9で、「あらゆる国民、民族、群衆がなつめやしの枝を持って子羊の前で賛美し、信者には地上でいろいろな戦いがあるが、なつめやしに象徴されるように勝利が約束されているというのです。

 イスラム教ではなつめやしは「神の与えた食物」で、イスラムにも預言者がいますが、預言者がメディーナという所に入った時、そこの人々がなつめやしを切っているのを見て「切るのをやめなさい。彼らがなつめやしを与えてくれる」といいました。与えられたなつめやしが好ましくないなつめやしだったので、人々が不平を言うと、預言者は彼らに向かって、「世俗のことではあなたたちは私よりよく知っている」と言ったそうです。

 なつめやしはイスラム教の断食月の日没後に最初に食べる食べ物であったり、その栄養価の高いジュースを日没後に飲んだりします。断食月があけるときは最初になつめやしを食べます。

 イランでは、妊娠中の女性が毎日2~3個のなつめやしを食べると生れてくる子供が丈夫に育つと言われています。

 なつめやしの栄養価は驚くほど高く、古代の中近東の人々にとっては神から与えられた奇跡の果実です。干した後の糖分は、はちみつの糖度に近く、マグネシウム、鉄分も亜鉛も多いです。カロチン、カルシウム、ビタミンK、ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)が多く、食物繊維も豊富です。干して甘さがでてきます。樹齢100年200年というものもあり、60年経ったものからも多く実が収穫されます。

 薬効は優れていて、まず、整腸作用マグネシウムが宿便を促す働きがあり、腸をきれいにします。食物繊維は便通をよくします。

 亜鉛には免疫細胞を活性化する働きがあり、さまざまな病気に対する免疫を強くし、アトピーやぜんそく、花粉症の抑制にも効果があるといいます。血中のヘモグロビンを増やす効果のある鉄分を多く含むので、血が失われやすく、貧血気味の女性にも薬効があります。ですから、鉄分の働きは代謝が向上し、結果的にダイエット効果もあります。

 アルコールのお好きな方にとっては、アルコール脱水酵素が体内のアルコールを分解するために亜鉛が必要とされるので、アルコールを飲んだらその飲んだ量と同じか、倍の量の水となつめやしをたべるとよいですね。

 また、亜鉛は糖の代謝に欠かせないインスリンをつくるのに不可欠な栄養分です。糖が正常に代謝されると糖尿病の予防になり、カロチンやビタミンは癌予防、動脈硬化の予防になります。カルシウムにも動脈硬化予防や高血圧予防に効果があるとされているので、血圧を下げる薬だけに頼るより、食品や塩分のとりかたで、血圧を調節した方が良いのかもしれません。

 ビタミンB3は糖尿病を緩和させ、高コレステロール血症や高血圧に効果があるとされています。高コレステロールもすぐ薬にたよるのではなく、食べ物のとり方を工夫し、食生活を見直して、バランスをとった方がいいですね。薬で自分のバランスを崩すこともあります。

 それからなつめやしは、カロチンが体内に吸収されるとビタミンAへと変わり、ビタミンAには目のピント調節機能や眼炎を防ぐ効果があります。そして、カルシウムとビタミンKには骨粗鬆症の予防に効果があるそうです。

 最後にカルシウム、ビタミンB群、亜鉛にはいらいらを鎮めて、精神安定を図る効果があります。

 前回書いた味蕾の数の多い人と反対に、味の感じなくなる味覚障害には亜鉛の欠乏が関係しているという説があるので、なつめやしを含め、亜鉛をいろいろな食品で補った方がいいですね。

 次回はイスラム文明の中のなつめやし文化や、その他の不思議な食べ物に関してみて行きましょう。

 新しい年、2014も読者の皆様にとって、良い年でありますように。 

不思議な話 その49 食べ物の不思議 依存性(2)

 まず、前回のまとめと補足をしますね。前回はある食べ物や調味料をいつもたくさん取り込んでいると、それが足りなくなる状態になると、その特定の食物や調味料に対して中毒にも近いような飢餓感を覚えるもので、中毒のようになりやすいものは人によって違うかもしれませんね。前にあげた塩分を3度の食事で多く取っていると、塩分の少ないものが物足りなくなり、もっと塩分の強い濃い味付けを取ろうとすることが起こるかもしれません。人によっては、塩分の取り過ぎが病気を引き起こすこともあります。とはいっても生き物としての人間には塩は生きる為の大事な要素なので、1日に取り込む塩分量のバランスを考えた方が良いですね。

 前にブログで書いた、化学調味料もいつもたくさん入ったものを食べていると、入っていないものが、味が薄く感じられてさらに化学調味料を取り込みたくなる、という悪循環に陥ってしまうことがあります。これは、料理人さんのなかにもあるかもしれません。日本の食品や料理は化学調味料の使いすぎだと思います。日本の代表的な料理の寿司でさえご飯にたくさん混ぜられているので、化学調味料が入っていない寿司を見つける方が大変かもしれません。調べてみると、漬物にも、ラーメンスープにもそばうどん汁にも、たくさん入っています。おせんべ、スナック等の菓子にもたくさん入っています。甘いものに入れるとはちょっと考えられないかもしれませんが、入っていることもありますよ。調味料もただではないのに、どうしてたくさんいれるようなったのでしょうか?

 前回少し、小麦の話をしましたね。欧米では小麦を食べ過ぎるとよくないという論もあるようです。アメリカウィスコン州、ミルウォーキー市の循環器科のウィリアム・ディビス博士は自分の肥満の原因は、全粉粒の小麦にあると言っています。小麦を断つことが健康に長生きできると主張しているようです。全粉粒の小麦を日本のコメに置き換えると、全粉粒の小麦が玄米で、精製小麦は白米でしょうか?

 デイビス博士は全粉粒の小麦自体に中毒性がある?と主張しているのです。彼の主張では、品種改良によって1960年代以前に食べられていた品種は存在せず、小麦は交配を繰り返し、異種配合を行い、現在生産されている小麦は在来品種とは似ても似つかないものになっており、品種改良の結果、現在の小麦には中毒性があり、肥満やメタボリックシンドロームにつながるという主張なのです。

 小麦に含まれるグルテンというタンパク質が、人によってですけれども、アレルギーを起こしセリアック病の原因になるといいます。最近では、アメリカ人の100人に1人がセリアック病を発症しているそうです。そして、さらに患者数は近年増加しているそうです。

 セリアック病とは成人、小児をとわず、起きる可能性があるというものです。遺伝性の感受性があり、たんぱく質グルテンのグリアジンに対する感受性で起こります。倦怠感、食欲不振、軽度や間欠性の下痢をともなうそうです。脂肪便という青白い便がでることがあるようです。貧血、口角炎、舌の炎症があることもあり、糖尿病や甲状腺疾患、癌にも関係してくるということです。ひじ、ひざ、臀部、肩、頭皮に強いかゆみを伴う水庖性の発疹が出る人もいます。

 何時発症するかわからないけれど、グルテンを含む食物をとると、免疫介在型の中毒反応が発生し、小腸に損傷をもたらして、食べ物が適切に吸収されなくなり、少量のグルテンでさえ、健康上の問題を引き起こし、さらにいろいろな病気の原因になるということです。

 小麦のほとんどを輸入している日本人にも増えているのでしょうか?

 砂糖の中毒性を危惧する意見もあります。平均的な米国人と英国人は年に68キログラムの砂糖を消費するといいます。前に書いたようにアジア人は欧米人よりも糖尿病になりやすい傾向がありますが、日本人の糖の摂取量は今はどのくらいでしょう。歴史時代の過去は一般の人はあまり甘いものはとれなかったと思います。

 精製小麦粉製品や精製砂糖、ブドウ糖、はちみつ、シロップ、デキストロース、コーンシロップなどは、血管中にすぐに吸収され、血糖値のレベルを急に引き上げます。インスリンの分泌をうながし、精製された砂糖からはミネラルなどがとりさられているので、細胞はブドウ糖をエネルギーに変換するため、細胞膜に蓄えられているミネラルを使います。血液中に急に糖分が入ると、エネルギーを即補給できるという利点もありますが、血糖値が高いとよくないので、インスリンを分泌させ、下げようとして栄養素を奪い、その結果、新陳代謝が不十分になり、エネルギー不足と体重コントロールに問題が起こり痩せてきます。

 シュガーデトックスといって、取り込む砂糖の量を減らすという健康法もあるようです。食べ物と飲み物を自分で作る場合は砂糖を加えない。甘い食べ物を食べない。加工食品には砂糖がはいっているようです。成分表をみると、ケチャップ、ソース、ピクルス、漬物、惣菜にたくさん砂糖が入っています。菓子パン類はきわめて糖分が高いです。甘い清涼飲料水はものすごい数の種類があります。

 人口甘味料におきかえても、砂糖よりはるかに中毒性の高いものもあり、体に良くないという人も多いです。南米のキク科植物からとるステビアが良いという人もいますが、安全性はどうでしょう?

 砂糖に代わるもので、自然の果物、砂糖の入っていないヨーグルト、オートミール(私には美味しくないですが)、レーズンや干しアンズ、干し柿など、砂糖を入れない手製のドレッシング、砂糖を入れないジャム、野菜(とれたては甘いです)豆腐、良質の肉(脂肪を注入していない肉ですね。成型肉に化学調味料が入っていることもあります)、鶏肉、卵、などの食事をバランスよくとって血糖値を安定させます。

 ビタミンBの何種類かとクロム、亜鉛、ビタミンCは砂糖中毒の渇望を防ぐことができるそうです。亜鉛は味覚障害の治療にも役立ちます。

 砂糖の害に対して今より以前は砂糖がうつの改善になると考えられて時代もありました。現代に増えているとされるうつはコレステロールが低すぎても起こる確率が高くなるようです。コレステーロールが高いからと言って、下げる薬を飲んで下がり過ぎると一部の人には鬱になりやすくなったり、自殺企図率が高まったりすると報告されています。摂取するバランスが大事ですね。冬はどんな人も日光に当たる時間が減るので、季節性うつの傾向があるので、そんな場合は薬は必要ないかもしれませんね。朝陽を浴びて散歩するといいですね。

 鬱に関しては最新の研究で、睡眠時間を体が疲れない程度に減らして、元気をだすようにするという治療法もあるようです。睡眠制限療法というらしいので、興味のある方は調べてみてください。眠りすぎると頭がぼーっとして、目覚めていない状態や冬眠状態になるのがうつと関係しているのでしょうか?人によって効果が違うでしょうが、医者の指導等のもとで、夜早く寝て明け方2時~3時に起きてしまうやり方と、夜2時~3時に寝て5時間くらい睡眠をとる前半型と後半型の睡眠療法があるそうです。睡眠を少なくして仕事をしている人の脳の活性している状態を利用した療法だそうです。アドバイスのもとにやったほうがよさそうですね。

 今は飽食の時代なので、砂糖には中毒性があると問題になっていますが、歴史上の飢えと戦っていた時代には砂糖は薬として用いられたこともあったようです。イスラム世界は古代から中世にかけて欧米諸国よりも医学が発達していた時期もあったようです。アラブの医学書には砂糖は薬や祭りのときに用いられる貴重なものでした。

 イスラム世界では古代ギリシャの文化を継承して、薬事学、医学が発達していました。豚肉を禁止していたのにもイスラム教ができた紀元後600年代は豚肉に火がとおりにくく、他の肉より病気になりやすく、冷凍庫や冷蔵庫もないので食中毒にかかりやすく、寄生虫等も多かったのかもしれません。豚の育つ環境も当時は不潔だったのかもしれません。

 12世紀から13世紀のスペインは一部をイスラム世界が支配していましたが、アンダルシア出身のイブン・アルバイタールという医者は、セビリアで植物学や薬事学を勉強した後、エジプトのカイロに移り、スルタン・カーミルから「薬事学者の筆頭」に任ぜられました。アルバイタールは『薬種・薬膳集成』という書物を書き、そこには1400種の薬草・生物・鉱物がアラビア語のアルファベット順に解説されていました。彼は紀元後1世紀のデイオスコリデスの『薬物誌』を参考にしました。

 彼の砂糖についての解説では「砂糖の形状は塩に似ていて、歯でかめば崩れる。また水にといて飲めばからだがすっきりする。胃にもよく、膀胱や腎臓のいたみもやわらげ、これを目に塗れば、かすみ目が治る。」

 彼の前の学者イーサー・アルバスリー(10世紀頃)の話では、「砂糖は熱にして湿で古いものは熱で乾である。内臓や胃にしばしば発生するガスに効き目があり、自然な状態をたもたせる。アーモンドといっしょに飲めば、疝痛をおさえられる。」

 シャリーフ・アルイドリースィー(1100~1165年)によれば、「砂糖にバターを混ぜて飲めば、尿閉(膀胱内にたまった尿を上手く排出できない病気)に効き目がある。また、湯に解いて飲めば、声のかすれに効き、これを続けて飲めば、咳や呼吸困難を治めることができる。

 このように、この薬草学は、現代のシリアなどのイスラムの諸国やエジプトにおいて、西洋医学に対しての代替医療として、現在でも用いられています。

 次回はイスラム教の聖典や旧約聖書や古代の書物にでてくる今から数千年前から食べられていて、神からあたえられたとされる果物について書きましょう。

不思議な話 その48 食べ物の不思議ー依存性

 引き続き食べ物についての不思議な話です。なぜがそのメカニズムは分かりませんが、依存性になりやすい食べ物や調味料をあげてみましょう。

 まず、私も大好きですが、チョコレート。これは前にも書いたように大昔は、皆の手に入らないくらい貴重なもので、薬としても用いられました。チョコレートは脳に対して、興奮剤の効果に似た喜びを誘発するテオプロミンという利尿、血管拡張の効果、とフェニルアラニン(必須アミノ酸)インダミン塩基性有機化合物、トリプトファン(必須アミノ酸)を含んでいるそうです。多量にとると急に血糖値が上昇しますね。

 それから、日本人は外国の人ほどには食べませんが、チーズはたっぷりの脂質とガゼインという物質が、体内でスモルフィンというモルヒネのような麻酔効果とフェニルアラニン依存性のある物質を含んでいます。

 ハンバーガーと食品偽装で有名になった加工肉は脂肪を多く含みたくさんとると、もっと食べたいという依存性がでてきます。一緒に飲むコーラも依存性が強いと言われています。

 コーヒーも薬効もありますが、たくさん飲むと依存性があります。食品ではないですが、調味料の塩も依存性があります。


 2年ほど前ですが、ナショナルジオグラフィック2011年の6月20日の記事で、「人間には塩を求める本能が備わっているが、ヘロインやコカインなどの薬物中毒はこの本能に根ざしているかもしれない。マウスの脳を分析した結果、塩への欲求によって引き起こされた遺伝子制御のパターンが、薬物中毒と同じだ」と示されてそうです。

 生物の塩に対する欲求は太古の昔から育まれてきたのですが、そのルーツは生命の起源、すなわち塩を含んだ海にあると考えられているのです。「地上にはナトリウムが微量にしか存在しないため、陸上生物は塩を摂取するための戦略を用意する必要があった、塩欲求は、その過程で現れた進化上の産物といえる。」とアメリカのデューク大学の準教授で、医学と神経生物学のウォルフガング・リートケ博士は言っています。

 この欲求はかなり強く、自らの命を危険にさらしてまで、ナトリウムに対する飢えをみたそうとする動物もいるそうです。シロイワヤギは岩肌の塩をなめる為に、足を踏み外せば助からないような断崖をよじ登ることで知られています。

 私はTVで見たのですが、ある種のゴリラも年に1回ぐらいですが、遠くの岩塩のあるところの岩山にある塩をなめにいくそうです。塩は生物にとって欠かせないもので、確かにとらないと生命維持にかかわる問題です。塩を天然の抗鬱剤と考える人がいるほど、不足すると体調に異常をきたすような調味料です。しかし、食事の場合は塩気の多いものをとっていると、さらに塩の含有量の多いものをとろうとするそうです。外食や出来合いのお弁当などで、甘さや塩気の強いものがおおくありますね。

 体に塩を取り込む時の入り口は舌ですが、この舌には塩味、甘味、酸味、苦味、うま味を感じる「味蕾」があります。この味蕾の数が多いと各味の間隔に敏感になり、塩や砂糖を控えるかもしれません。プロピルチオウラシルという試薬を使って味覚テストをすると、人口の25%はこの試薬の苦みを感じることができない「ノンテイスター」であるそうですが、これは病気でも何でもなく、舌に本来備わった敏感度の違いというだけのことです。残りの75%は試薬の苦みを感じるそうです。そのうちの25%が味蕾が多く味に敏感な、「スーパーテイスター」になります。男性より女性にスーパーテイスターは多く、人種的には、ヨーロッパ系より、アジアやアフリカ系が多いそうです。スーパーテイスターは、良いことばかりでなく、ホウレンソウやアクの強いものは苦痛に感じて食べなくなったり、嫌いになったりすることがあるようですが、スーパーテイスターでも、もちろんなんでも食べる人もたくさんいます。グレープフルーツや緑茶、コーヒー炭酸の強い飲み物が嫌いになることもあるようです。

 そういえば、私も炭酸もコーヒーもあまり好きではありません。塩気の強いものを食べると、その味が何時間も残ります。人口甘味料も舌の上につくと苦痛に感じます。化学調味料がたくさん入っているのは気が付きます。

 スーパーテイスターの中でも、異常に味蕾の数が多いスーパー・スーパーテイスターは、食事が苦痛になってしまうようです。

 これも昔TVでみたのですが、アメリカ人の主婦が、家族と同じ味付けにしたらまずくて食事が出来ないので、自分のものだけ塩気やその他の味も極端にうすくしてあるそうです。彼女は普通の人の100倍くらいの味蕾の乳頭の数だったようです。

 スーパーテイスターかどうかチェックするのは、まず、青い食品用着色料を綿棒などで舌の上に塗ります。直径7ミリの大きさにくりぬいた紙を舌の上に乗せて、その円の中の青くそまっていない小さなピンクの突起(茸状乳頭)を虫眼鏡等で大きくしてその数が15~35個程度が普通で、それ以上がスーパーテイスターだそうです。これは個人差があるので、気にしないでくださいね。乳頭が少なくても、十分美味しい食事は楽しめます。標準の人の方が、かえって苦痛は少ないかもしれません。多い人ほど、外食を避けたり、出来あいの総菜やお弁当の味付けや、外食の味付けを苦痛に感じて、好き嫌いが多くなることも考えられます。

 第六の味覚として、「脂味」を感じる点も舌にはあるそうです。この「脂味」に敏感な人とそうでないかということが体重と関係することもあるそうです。必ずしも全員関連しているということはないと思いますが、オーストラリアのディーキンス大学のラッセル・キースト博士のグループと、アデレード大学とニュージーランドのマッセー大学の研究者たちは、「人間は第六の味、脂味を感じることができ、脂味に敏感な人はそうでない人に比べて脂っこい食べ物の摂取量が少ない傾向があり、体重過多になりにくい傾向があることが、明らかになりました。

 「この結果は、脂質が簡単に手にはいり広く摂取される現代において、脂味にたいする感受性が敏感になり、結果的に脂っこい食品を食べすぎるリスクにさらされている人々がいることを示唆しています。今後の研究では、なぜ、脂肪に敏感な人がいる一方で、鈍感な人々がいるのか、ということに焦点をあてていきます。その理由がわかれば、脂質の摂取量を抑えたい人々の助けになり、低脂肪食品の開発などにも役立つでしょう。」と研究者たちは言っています。

 脂肪をたっぷり含んだ食品は、口にやさしく、食べたら幸福な感じがすると思いますが、たくさんとると、依存性があるのかもしれませんね。

 前回あげた小麦もたくさんとると依存性があるのではという説もあります。砂糖も依存性がでてくるのではという説は次回取り上げますね。利点と欠点をイスラム教の代替医療を紹介しながら、見て行きます。

 イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の宗教が皆神から与えられたとする奇跡の果物を、次回取り上げてみましょう。

不思議な話 その47 アレルギーの不思議・食の不思議

 和食がユネスコの世界無形文化遺産になりましたね。和食好きの私としては、嬉しいです。子供や若者は特にですが、和食離れがあるそうです。

 日本人が何千年も食べてきた食の内容がここ数十年で急激に変わってきているのかもしれません。私もその一人ですが、日本人の多くがかかっているアレルギーという奇妙な病は、まだ、解決方法が完全には見つかっていませんね。日本人の食の変化とこの不思議な病は何か関係があるのでしょうか?

 私の場合、1年のうちの真冬の2カ月以外は常にアレルギー状態です。粘膜をやられるようで、目の粘膜が一番ひどく、強烈なかゆみと目の奥の痛みを伴います。そのつぎに鼻とのどの粘膜の炎症です。

 一番症状のきつい時期は、みなさんがひどく感じる春先2月から4月スギ花粉の時期です、次が秋でブタクサ、やイネ科の花粉にひどく反応します。子供のころは一切アレルギーの症状がなく、出産してから体質が変わって出てきました。東京に住んでから年を重ねて、年々ひどくなっているので、この秋からアレルギーに効くという乳酸菌の錠剤を飲んでみましたが、2~3カ月しても残念ながら、腸には良い影響はでましたが、花粉症には、私の場合は全く効果がありませんでした。

 そして、自分の食生活を見直してみて、昔は今のようにとっていなかったのに、異常に多くとっているものを、考えた時に小麦の食品をとても多くとっていることに気がつきました。コメより麺類の方がカロリーがすくないからと主食は朝をパンにして、昼をソバなどの麺類、夜をスパゲテイなどの麺類ですましていたことが多かったことに気付きました。体重は麺類のほうが増えないのですが、小麦食品をあまりにもとっていたことがなんらかの自分のアレルギーに関与しているかもと考え、12月の最初から小麦除去食(グルテンフリー)を始めました。やせるための小麦除去食ではないので、肉も野菜もコメもたっぷり食べます。このアイデアは4~5年前に白人のオーストラリア人の友人が、逆流性食道炎で治療をした際に、肥満を防ぐためだと思うのですが、小麦粉をとるのをやめなさいと医者に言われてから、食べないようにしているのを見て、最近思いつきました。その友人のように、神経質に今後一切小麦粉をとらないというわけではありません。アレルギーの悪影響を少なくするための実験です。

 今、グルテンフリーが外国でさかんになっているようです。私が自分には小麦粉を直感でとらないほうがいいと感じました。現代の食品の中で小麦粉を避けることは、非常に難しいですね。まず、パン類、麺類、今の日本そばはほとんどが小麦粉なので、そば粉100%のものだけ食べています。蕎麦屋さんにもほとんど、入れません。和定食やさんが救いです。スパゲティもダメですし、ラーメンはさらにダメですね。多くの菓子の中にも入っています。和菓子も小麦粉を使ったものが多いです。友人は日本とちがう外国なのでさらに大変だと思います。今も続けているかわかりません。

 12月初めから1週間以上たっていますが、私の勘違いなのか、小麦粉断ちをしてから、嘘のように目のかゆみや皮膚のかゆみが治まってきているように思います。これが、来年の2月まで続けて行ってどんな結果になるか楽しみです。それで、結果的に食べるものは和食中心になってきました。それも手作りが多くなり、菓子類は結果的にあまり食べなくなりました。米粉やアンコのものはダイエットでないので、食べています。果実もたくさん食べています。桃やかんきつ系の果物がアレルギーを助長するという説もありますが私は、気にせずとっていてどうもありません。人によって違うようですね。ソバのだめな人もいますしね。朝はトウモロコシから出来たシリアルと牛乳をとっています。今度手作りの米粉パンに挑戦してみようと思います。和食や米食中心にしたら、これも思いこみかもしれませんが、私の場合は体が温まりやすくなったように感じます。まえにもまして手足がぽかぽかします。
 
 アレルギーのシステムは、まず、鼻粘膜や目の結膜にアレルギーの抗原(人によって何に反応するかは違います。)が入ってきて、マクロファージなどの抗原提示細胞が抗原を感知します。次に細胞表面に出てきた抗原はヘルパーTリンパ球に発見されます。ヘルパーTリンパ球はBリンパ球に抗原の情報を伝え、「あいつは敵だ」と判断して抗原に対する抗体を作るように指令を出します。

 そして、指令を受けたBリンパ球は抗体産生細胞に変化し、抗体に攻撃をしかけ、武器としてアレルギーを起こすIgE抗体を大量に作ります。

 IgE抗体は、体内のいたるところにある肥満細胞や、血液中の好塩基球のIgE抗体受容体(レセプター)と結合します。そこに再び同じ抗原(花粉やハウスダストなど人によって違う原因物質)が入ってくるとその抗原に対するIgE抗体と結びつきます。

 肥満細胞は化学伝達物質が入った顆粒が詰まっていて、結合が起こると、肥満細胞が顆粒を出して、ヒスタミンが放出されます。細胞膜からロイコトリエンや血小板活性化因子、プロスタグランジンなどが生産され、目や鼻や気管支の粘膜や皮膚を攻撃して症状を起こします。

 このようなアレルギー反応が繰り返すうちに粘膜がますます過敏になり、わずかな量の抗原、冷たい空気やたばこの煙、排気ガスなどのように抗原以外のものにまで、反応して症状がでてしまい、結果アレルギーの原因物質がふえます。

 これは、人間が豊かになって、栄養過多になり、細菌との戦いも過去よりは少なくなり、エネルギーがありあまり、おもしろく例えると免疫機能が暇になって、武器を持ったものの手持無沙汰で、悪ものでない味方に攻撃をしかけているようなものです。飢えているときは決して起こらないと思います。どうしてかと言うと食べ物のない生命の維持にかかわる状況下では、病気の危険もともなうので、免疫機能が逆に正常に働くのでないかと思うからです。

 次回は食べ物の不思議、塩や砂糖や小麦など普段とっているものの、依存性というかオーバーな表現では中毒性について書きましょう。 
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観音寺りえ

Author:観音寺りえ
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