不思議な話 その105 12星座の起源

 毎日の星占いや今月の運勢、今年の運勢などに使われる星占いの12星座はいつできたのでしょうか?誰が考えたのでしょうか?

 私は星占いのエキスパートではありませんが、簡単に読み取ることはできます。誕生日の星座は生まれたその場所のその日の、その時間に太陽がどの黄道を通っていたか12分割して分割された場所に12星座を配置し、星座に特徴を持たせて、人の特徴にあてはめます。その星座盤の動きで、運勢を見て行きます。私は太陽がおとめ座にある時に生まれました。生れた時間と場所が正確にわかる場合は、その時間にかりに上がっているとされる星、上昇宮の星座もその人となりを表わすので、重要になります。生まれた時に各宮に入っている主要星もそれぞれの意味を強めます。

 最近は、古代の12星座と現代の12星座が一つづつずれているので、13星座を主張する考え方もあります。

 人はなぜ星の配置を、人間や動物や道具にあてはめて、物語を作るのでしょう。フランスのラスコー洞窟の壁画は、1万五千年前~1万年に描かれたと言われていますが、星も描かれていました。空の黒い点は、おうし座のすばるを、また、ヨーロッパから見える夏の大三角系も描いていたそうです。まさに、旧石器時代から星を動物に見立てて、物語を作って描いていたのかもしれません。動物は、旧石器時代の狩猟をしていた人類の命を支える貴重な食料でもあったわけで、獲物をたくさん捕らえるようにという祈りを込めて描かれたのかもしれません。

 最も古い文明の一つである今から5000年以上前のメソポタミア文明(場所は今のイラク、チグリス川・ユーフラティス川の周辺)が、くさび形文字から星座のことが書かれていたようです。

 星占いの本などの歴史では、新バビロニア人(カルディア人)の羊飼いが、夜猛獣に襲われないように、羊の番をしながら、空を見上げて星座の話を作ったとあるそうです。でもカルディア人はもっと後の人たちのようで、それより前の起元前3000年以上前のシュメール人やアッカド人が星座のことを考え始めていたようです。

 シュメール人は紀元前3500年ごろに繁栄した、セム系部族(メソポタミアを統一したアッカド人・バビロニアを建国したアモリ人・新バビロニアを建国したカルディア人・シリアやその海沿いに建国したフェニキア人・イスラム教を生んだアラブ人の祖先など)の民族です。前にブログに書いた洪水伝説の旧約聖書に出てくるノアの子孫が、12部族を生み出したという伝説もあり、セム系の民族もそれに属していましたね。

 シュメール人は彼ら独自の宗教があり、神殿や塔など、すでにレンガの建築物を建てていました。彼らは、紀元前2400年ごろ同じセム系のアッカド人に征服されました。どちらの民族も高度な文明を築いた農耕民族で、星空を良く見上げていました。

 これら2つの民族の伝説では、太陽は「老いた羊」、恒星全体は「天の羊の群れ」、惑星は「老いた羊に従っている星」で星々には、皆羊飼いがいて、「ジブジアナ」という明るい星は「天の羊の群れの羊飼い」なのだそうです。古代天文学の研究者は、「ジブジアナ」をアルクトゥルス」と考えている人がいるそうで、それに従うと、うしかい座の原型がその時代に出来あがったということらしいのですが・・・

 メソポタミア文明で、その後につかわれている星座名は、シュメール語で書かれているので、シュメールが起源とする根拠になっているようです。その後のアッカド、アモリ、アッシリア、カルディア(バビロニア)の人々が、シュメールの星座の考え方を発展させ引き継いでいったのでしょうか?

 今から4000年くらい前の、紀元前2000年のアモリ人(アムール人)は『ハムラビ法典』を作ったバビロニア王国を建国した民族です。彼らもシュメールやアッカド文明を引き継いでいました。今から3800年前のアモリ人の記録には、おおぐま座やオリオン座(天のかりうど座)や黄道12星座のうちの、みずがめ座、うお座、おひつじ座、おうし座、ふたご座、しし座、おとめ座、さそり座、やぎ座(いて、かに、てんびんを除いた)9星座が登場しています。アモリ人は農業を上手にやるために星の運行を重要視しました。季節の変化暑さや寒さ、雨量など収穫に影響する星の運行を知るために、星座の観察と暦を作ったのです。

 古代バビロニアが衰退してくると、国は次の覇権国カッシート族の国となります。カッシートの時代に、境界石のクッドルーという土地所有の証明のような物が刻まれ、その絵には動物の絵が刻まれていて、星座を表わしているのではないかというのです。また、クッドルーには、魚やヤギやサソリ人間のような姿、水がめを持つ女神の姿もあるそうです。これも12星座の起源とも考えられそうですね。この後アッシリア、カルディア、エジプト、ギリシャと続きます。エジプト、ギリシャは神話や文学と、占星術とが密接な関係が出て来るようです。

 続きは次週に書きましょう。
 
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不思議な話 その104 SF映画の中の不思議 インターステラーと2010年宇宙の旅まとめ

 前回のまとめです。机上の空論かもしれませんが、SFの映画や小説では常識になっている不思議なワームホールを使った航法が、よく出てきます。前回書いたように、今の技術では、火星に行って滞在しても、帰ってくるのに3年近くかかってしまいます。太陽系の外に出るということになると、さらに時間がかかってしまいます。

 インターステラーでは、理論物理学者のキップ・ソーン博士が科学コンサルタントを務めました。彼は、いままで、ワームホールをこんなに正確に描いた映画はなかったと言っています。ブラックホールの描き方もアインシュタインの一般相対性理論に基づいていると博士は言っています。

 ワームホール航法は、簡単に言うと、なんでも飲み込んでしまう強い重力を持つ天体というか、時空に空いた穴ブラックホールを、理論上で、時間のほうに反転させると、なんでもはきだす穴、ホワイトホールの存在が考えられます。この2つ、ブラックホールとホワイトホールを結びつける、仮のトンネルがワームホールなのだそうです。この穴を使ってワープ(異空間に飛ぶ飛行方法)が出来るのではないかと提唱した科学者がいました。キップ・ソーン博士は、ワームホールを使ってタイムマシンができるのでは、と考えました。

 極めて小さいサイズで作りだされたワームホールを宇宙船が通過できるほどに拡大し、そのままにしておけばつぶれてしまうトンネルを支える物質を考え、さらにその入り口から光速に近いスピードで移動すると、別の銀河まで短時間でいくことができるのです。

 ワームホール上で、光速で運動する時間は、アインシュタインの特殊相対性理論を適用すると、過去に戻れるタイムマシンができるのではないか、という考え方で、インターステラーでも、この考え方を使って、過去の娘に未来の父親が、ブラックホールにおいて、別の次元からアクセスします。異次元の人との直接の接触はできませんが、物を使って信号は送ることが出来るのです。異次元のイメージは高次から低次を見ると、時間の流れが糸の織物のように見え、それをかきわけて、低次元に働きかけようとします。

 インターステラーでの主人公クーパーは人類を救うため(アメリカの映画はこのテーマが多いですが、)6つのミッションをクリアします。一つ目は過去に幽霊だと思っていた、棚の本を意図的に落としたり、吹き込んだ砂の模様で信号を送ろうとしたことは、過去の自分がその信号が地図上の座標(場所)を表わすものだと気付きます。未来の自分が過去の自分にメッセージを送っているのです。2つめのミッションは正体不明の「彼ら」が作ったワームホールをもぐりぬけることです。母船エンデュランスに乗り込んだクルーは計画通り、土星付近でワームホールに到着し、主人公の優れた操縦技術で、球体のワームホールゲートを通り抜け、先に行ったパイロットの待つ惑星へ、ブラックホールを利用して瞬間でワープします。

 3つ目のミッションは、海の惑星から脱出することです。地表を浅い水で覆われた海の惑星で、先発隊として来ていた生物学者の遺体と船の残骸を発見します。その直後に巨大津波が発生し、主人公のとっさの判断で、その星から飛び立つ事が出来ました。4つ目のミッションは、別の氷の惑星から、マン博士が信号を出していたので、救出に行きます。博士は人工冬眠中で、それを起こします。救出に来てくれたことを、喜んでいたマン博士だったのですが、孤独の中で、地球に帰りたい思いが強まり、助けに来たクルーを亡き者にしてまでも、助かって地球に帰りたいと、裏切りの行動をとります。これも博士は自滅してしまい、主人公が壊れた母船との不可能に近いドッキングを成功させます。5つ目のミッションは、マン博士の暴走で母船が壊れたので、アメリアの恋人だった物理学者のエドモンド博士の待つ惑星のみとなり、主人公クーパーは重さを減らすため、自分の命を犠牲にして、アメリアを大型降下艇ランダーにのせて彼女1人を惑星に送りだします。クーパーは宇宙を漂い、AIのターズとともに、ブラックホールに吸い込まれます。5つ目のミッションは、娘マーフにメッセージを伝えることで、「彼ら」のお陰か、ブラックホールの中でも、クーパーは生きています。5次元の世界に保護されたクーパーは、そこに様々な時間軸があることを発見し、過去の時間軸の娘とコンタクトが可能だと知ります。娘に未来を託すべく、10歳の娘と、過去の自分にNASAへの座標を教え、科学者となった未来の娘にも人類を救う計算式を思い付くように教えます。それは、未来の人間が過去の自分を通して、未来の娘に伝わります。

 この映画は父親が、滅びゆく地球に残した娘や息子や孫に対する家族への愛情の物語にもなっています。その点では、映画「未知との遭遇」との共通点も見られます。

 それでは、「2010年宇宙の旅」はどうでしょうか?続編は、キューブリックではなく、ピーター・ハイアムズという人が、制作者で、脚本家で、監督でした。1984年にアメリカで公開されました。

 あらすじでは、2001年から9年後の2010年が舞台となります。デイスカバリー号の行方不明になった船長デビット・ボーマンの上司で、モノリスの調査を行ったヘイウッド・フロイド博士が主人公になります。アメリカとロシアの共同チームは、木星で連絡を絶ったディスカバリー号を調査するために宇宙船レオーノフ号に乗り込み木星に行きます。

 同じころ中国の宇宙船チェン号も木星を目指します。チェン号はレオーノフ号よりも先に到着し、水を補給するために木星の衛星エウロパへの着陸を試みます。しかし、エウロパに生息していた生命体により、チェン号は全滅します。

 一方、レオーノフ号はディスカバリー号との再会に成功し、人工知能HAL(ハル)の制作者のチャンドラー博士が修理をします。そのころ、2001年の前作で行方不明になっていたボーマン船長は、モノリスを制御している宇宙人のように、実体をもたないエネルギー生命体になっていました。宇宙人はエウロパの生物のほうが、より高等な生物に進化している可能性が強いと考えました。ボーマンは遠く離れた地球を移動し、人間の時に愛していた人々を訪ねます。(これは、人がなくなってから霊になって、星と星の間を瞬時に移動し、好きな人、会いたい人の所にも一瞬で行けるのと似ています。)

 ボーマンは塵を集めてかつての自分の立体像を作って、フロイド博士の前に姿を現し、博士に15日以内に木星から離れるように警告します。フロイドは理由を尋ねますが、ボーマンは「素晴らしい何か」が起こるとだけ答えます。

 木星に突然黒点が現れ、それが急速に大きくなり、HALの調査では、それが極めてたくさんの数のモノリス(金属か石の直方体の形をしているもの)レオーノフ号は予定より早く地球に帰ることを決め、ディスカバリー号とHALは木星のいんは力圏にとどまります。HALは機械なのに自己保存欲求が強く、自分が遺棄されるかもというストレスからまた、壊れそうになり、チャンドラー博士はHALを説得します。モノリスが木星を覆い尽くしてしまう前に、レオーノフ号は木星を出て、地球へ帰ります。

 モノリスは木星の質量を増加させ、核融合を起こし、恒星とさせます。HALはディスカバリー号とともにモノリスによって破壊され、実体を持たないエネルギー生命体になります。

 小説版では、終章でエウロパの1万8千年後に生命の種が進化して、原始的な知的生命体エウロパ人になります。エウロパ人が科学を発展させ、地球人と接触しようとしますが、モノリスが妨害されます。一方地球人は木星のイオ、ガニメ、カリストは地球人により植民地化されます。

 そして、2061年、と3001年の旅の話へと続いて行きます。2010年の旅では、ボーマン船長は体がなくなり、神のような実体をもたない生命体になります。宇宙人とも言うべき宇宙生命体はモノリスに命じて、新しい生命への手助けをします。エウロパ人と地球人は神といってもいい生命体によって時期が来るまで、接触は禁止されます。ここでは、生物は、自然発生的に生まれたのではなく、生命体とモノリスによって作られたという考え方をしています。他の星の生物との接触は進化がある一定の水準に到達するまで、出会わないように、コントロールされています。生物の住める環境もモノリスによってコントロールされています。壮大な「スペースオデッセイ」は、人類の起源に重ね合わせることが出来るような不思議なストーリーになっています。

 また、次回テーマを探しましょう。

不思議な話 その103 インターステラーと2001年宇宙の旅(2)人工冬眠・オリオン計画

 昨年、2014年12月5日アメリカ時間午前7時(日本時間5日午後9時)に2030年代の火星有人探査を目指して、開発途中の新型宇宙船「オリオン」の無人試験機がフロリダ州ケネデイ宇宙センターから打ち上げられました。「オリオン」は地球をはぼ2周して、約4時間後に無事に太平洋に着水しました。
「オリオン」は打ち上げ後3時間には、国際宇宙ステーションまでの距離の14倍の地球から5800キロ離れた地点に到達しました。オリオン宇宙船計画は火星への有人飛行を目標にしています。2010年にこの計画は一時中止になりましたが、このオリオンを使って、今後の2017年には、7日~10日間の月の軌道をめぐる無人飛行をする予定だそうです。2019年~2021年に乗員4名による、月楕円軌道への有人飛行が計画されていて、火星への有人飛行の練習をするようです。

 SFの世界では常識の低体温による睡眠技術「人工冬眠」も現在治療で使われているのでは、最長14日間なので、ゆくゆくは長期間の人工冬眠も可能になると思います。冬眠の方法は今のところは、鼻から冷気を体内に注入し、6時間かけて、体温を31.7度~33.9度まで下げる、「ライノチル・システム」というやり方があるそうです。

 SF映画のように外部から体温を下げると身体が凍り、細胞の損傷につながるかもしれないので、危険ということです。起こし方も電子レンジにいれるわけにはいきませんね。冬眠中は、点滴から栄養が送られ、排泄物はカテーテルのような管から自動的に排出が可能とのことです。起きる時は、冷気を止め、2~8時間かけて自然と冬眠から目覚めてもいいし、外部から働きかけて、体温を上げても良いそうです。

 治療で低体温にする場合は患者の血液を生理食塩水に置き換えることで、患者を仮死状態にして人工冬眠させる別の方法もあるそうです。

 火星までは、距離がもっとも近い時を計算して、今現在の技術では、往復300日、次に接近するまで、火星への滞在は
500日ぐらいと予想され、800日約2年半くらい往復と滞在でかかります。

 映画「インターステラー」のワームホールをつかって別銀河に行くことは、すぐには実現できませんが、技術が進むと、光速に近い速度で宇宙を航行することは、可能かもしれません。この映画で主人公は乗組員と交代で人工冬眠をします。ここで、乗り組み員の健康状態のチェックや自動操縦などのチェックをするのに、人工知能コンピューター&ロボットのTARSとCASEが活躍します。カタカナで書かせていただくと、ターズは数メートル四方の直方体の金属板のようなのですが、形をトランスフォームすることが出来、惑星上を歩いたり、水の上を飛んだり、おそらく空中も飛べるのではないかと思います。人工知能AIなので、人間への受け答えは、コンピューター自身が考えて話します。ジョークを話したり、乗組員を元気づけたり、気持ちと思われるものを伝えたりします。探査の為にブラックホールの中に身を投じて、人類の犠牲になろうともします。もちろん大津波の中、乗組員を抱えて、走り、物理的に人命救助もします。

 パンフには、この映画がステーブン・スピルバーグ監督の「未知との遭遇」に影響を与えられて作ったとありましたが、むしろ、「2001年宇宙の旅」や「2010年宇宙の旅」に影響を受けたのではと思うところもあります。人工知能ロボット「ターズ」が、「2001年・2010年宇宙の旅」の両作品に出てくる、生物か機械かわからない謎の物体モノリスに似ている気がします。

 2001年と2010年「宇宙の旅」はSF作家のアーサー・C・クラークと監督のスタンリー・キューブリックがアイデイアを出し合って作ったストーリを基に、映画の脚本と小説が出来ました。続編の小説は「2061年宇宙の旅」と「3001年究極の旅」で、最後の3001年の話は、リドリー・スコット監督が、今年TVドラマにするそうですが、上手くいくでしょうか?

 映画「2001年宇宙の旅」(A Space Odyssey)のあらすじを簡単に書きましょう。私は、何回か見ていますが、難解な映画です。オープニングは人類が現れる前に類人猿たちの前に直方体の金属のような岩のようなモノリスが現れ、モノリスに触れた猿が道具を操るようになる。そして類人猿から人類に骨を投げるとそれは空を飛ぶ宇宙船になります。

 月に人類が住むようになった未来、アメリカの研究者ヘイウッド・フロイド博士は月のクレイターで発掘された謎の物体(モノリス)を極秘に調査するため、月の基地に行きます。月では、400万年前に埋もれていたモノリスが太陽光を浴び、信号を木星(小説では土星)に向けて発信します。

 18か月後宇宙線デイスカバリー号は木星探査の旅に出ます。主人公は宇宙線の船長のデビット・ボーマンで、フランク・プールその他3人の5人です。ボーマンとプール以外は、人工冬眠中です。宇宙船を自動的にコントロールしているのは、人工知能のHAL(以下ハルと呼びます。)9000型コンピューターでした。

 順調に進んでいた飛行の途中、コンピューターのハルは、ボーマン船長にこの探査の計画に疑問を持っていると語りかけます。とても人間的なコンピューターですね。そのすぐ後に、ハルは船の故障を告げますが、調べてみると、問題はありませんでした。二人はハルの異常を疑い、その思考部分を停止させる為、電源を切ろうと話し合います。ハルは電源を切らせる(つまり機械の思考の死)を避けようとして3人の人工冬眠中の乗組員の生命維持装置を停止させ、殺してしまいます。

 ハルの暴走の原因は映画では分かりにくいですが、小説では絶対に嘘はつかない、間違いを犯さないという前提で作られた、コンピューターハルに対して、ミッションの本当の理由を乗組員に絶対に知らせるな、と命令されます。船長ら乗組員に対して、嘘をついたり、だますという行為に対して、ハルはおかしくなります。地球との通信をさせないように、その機器の故障を訴え取り外させようとします。電源を切られることをおそれたハルは人間に危害を加えます。

 プールもハルに殺され、1人生き残った船長のデイブ・ボーマンはハルの電源を切り、1人脱出用ポッドで宇宙船を離れます。木星にたどり着くと、巨大なモノリスの姿が映し出され、その後光の帯のような抽象的な映像になります。光の帯は次元を超越した空間を表わしているようです。ポッドにいる船長は、モノリスの中の流星のようなものに吸い込まれ、異次元の宇宙ステーションを通り抜け、見知らぬ恒星にたどりつきます。さらに死んだ星のようなところを通り、太陽に吸い込まれます。ボーマンは薄れる意識の中で、人類を超越した存在や場所に気がつきます。

 どうも、旅の目的はモノリスを作った知的生命体との接触だったようで、ラストには、異次元空間に地球のような場所を作ってもらい、1人で生活しているボーマン船長がいます。映画のラストでは、人間の胎児が出てきます。これはボーマン船長の若返った姿なのでしょうか?それとも年老いて亡くなり生まれ変わった姿なのでしょうか?(手塚治虫の宇宙観とも似ていますね。)彼を生かしているものは何なのか?モノリスは何なのかという疑問を残したまま映画は終わります。

 小説ではポッドに入り、1人木星に行った時に船長は考えます。「未知なる生物はどんな姿をしているか?}と・・・以下は引用です「科学が進歩するにつれて生物は遅かれ早かれ、自然が与えた住みかから逃れるだろう。ひ弱で病気や事故に絶えず付きまとわれ、さけられない死へと導く肉体などないほうがいい。(中略)自然の肉体が擦り切れたら、金属やプラスチックの部品と取り換え、不死を勝ち取るのだ。機械の四肢を操り、あるいは電子の五感を使って宇宙の観察をつづけるだろう。長生き出来ないと宣告された何百万もの人々が人工の手足、臓器のお陰で幸福な生活をしている。この方向に行きつく先は一つしかない・・・精神と機械の対立はやがて完全な共生という永遠の妥協で終わるかもしれない(中略)ロボットの身体も、人間の血とからだと同様に単なる踏み石であって、やがて人々が精霊と呼んだ者にいたるかもしれない。そして、そのまた向こうに何かあるとすれば、その名は神の他にあるまい。」

 生命を超越した彼らは、人類を古代から進化に導き、そして、彼らの世界へ案内し、最後に自分たちと同じ神秘的な存在に導いたかもしれないというのです。

 これに対して、インターステラーでは、神ではなく、異次元にいる進化した未来の人間が、過去の地球の人々を救います。遠い遠い未来の人間は5次元にいるという設定で、一つ上の次元は下の次元を操作できるのです。5次元の未来人は、3次元や4次元の空間を作って、そこに主人公を送ることもできますし、人工知能ロボットターズをブラックホールから救い出し宇宙航法の物理の計算を教え、ターズから4次元空間にいる主人公に、交信させることもできます。そして、主人公は未来の人間の助けで時間を超越し、過去の学者である娘にターズからの情報をつなぐ媒介者になります。

 長くなったので、次回は「2010年宇宙の旅」のことと、インターステラーの比較とまとめをしますね。
 

不思議な話 その102 映画インターステラーと2001年宇宙の旅

 2015年、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今日は、先日2014年公開の「インターステラー」というやや、難解な映画を見てきました。まだ見ていなくて、これから見る予定の方にはネタバレになります。その映画と、SF映画の最高峰と呼ばれた「2001年宇宙の旅」、とその続編の「2010年宇宙の旅」も比較してみましょう。

 「インターステラー」の監督はクリストファー・ノーランで弟のジョナサン・ローランとともにアカデミー脚本賞をとりました。イギリス出身で、「メメント」や「インセプション」などの変わった映画を作ったり、バットマン三部作の娯楽ヒーローものも作っています。主演はアカデミー賞俳優のマシュー・マコノヒー(クーパー)とアン・ハサウェイ(アメリア)です。理論物理学者のキップ・ソーン博士が科学コンサルタントをしています。脇役で、アメリアの父ブランド教授にマイケル・ケイン、嘘をついて裏切ってしまうマン教授にマット・デイモン、クーパーの娘のマーフの大人になったその後は、ジェシカ・チャステン、お婆さんになった姿はエレン・バースティンがやっています。

 主人公クーパーの娘が、クーパーの帰りを待っているうちに、父親の年齢を超えてしまって、最後には祖母の年齢位になってしまうのです。そして、父親の三倍くらいの年齢で寿命で亡くなります。これが、恒星間旅行(インターステイラー)していた父親と娘が、アインシュタインの相対性理論の浦島効果のように、宇宙旅行した者と、待っている者の年齢逆転現象になります。

 あらすじは、未来の地球で、異常気象による環境変化で、いろいろな植物がつぎつぎと枯れて、人類は食糧危機に陥ります。オープニングは未来のビデオの映像で、私の親が農夫だったとか、いかに農業が大切だったか、訴えています。元NASAの宇宙飛行士だったクーパーは父親と15歳の息子のトム、10歳の娘マーフと農場をいとなんでいます。食糧危機で国家に予算が少なくなって、宇宙開発や技術にまわすお金がなくなり、最も大事な産業は農業になりました。娘のマーフは自分の部屋の本棚から、本がひとりでに落ちるのを幽霊のせいだといって怯えます。それを聞いた父親のクーパーは、砂嵐が窓から入って来たその跡を見て、重力波を使った、2進法のメッセージではないかと気がつきます。賢いマーフもそれに気がつきます。とうもろこし畑の中の道を車で走っていた親子は飛行ロボが飛び続けているのを捕まえます。家に帰って、娘は本の動き方や砂の跡から父親のヒントを得て、地図上のある座標を導きだします。クーパーと娘のマーフは車で夜、その場所に行くと、有刺鉄線が張り巡らされている何らかの敷地があって、その中に入ろうとすると警備の人影に捕まってしまいます。

 二人はばらばらに連れて行かれ、どうなるのかと不安でいると、会議室のようなところへ行ったら、クーパーの見知った顔がいました。そこは、予算不足で閉鎖されたと思われていたNASAの秘密基地でした。そこには、クーパーの知り合いのブランド博士がいて、ラザロ計画の話をしました。ラザロとは、聖書に出てくる一度死んで復活した聖人の名前でした。その計画は地球の危機を知ってか人間を超越した技術を持っている「彼ら」が作ったと思われる土星近辺のワームホールを抜けて、別の銀河の人類が生存できそうな星に移住先を探すプロジェクトです。48年前に「彼ら」によって作られたと思われるワームホールを通り、すでに3人の宇宙飛行士が入植可能な星から信号を送っているのを、キャッチしていました。ブランド教授はベテランパイロットだったクーパーに、第二の地球になりえる星を探しに行って欲しいと頼みます。帰れるのかもわからない危険なミッションに10歳の娘のマーフは、強く反対します。幽霊がいた本棚からモールス信号を読みとり、メッセージは「ステイ」お父さんに「とどまれ」と言っていると主張します。

 結局、クーパーは人類の為、二人の子供を父親とブランド博士に託し、ブランド博士の娘、アメリアと二人の男性の宇宙飛行士とともに飛び立ちます。光に近い速度で行っても、土星付近までは2年かかるので、体力と食糧の節約のために、冷凍睡眠します。彼らの乗った宇宙船「エンデュランス」は宇宙線に金属の柱のような形の人工知能ロボットTARSとCASEを乗せてワームホールに接近し、中へ入り銀河の外の大質量のブラックホール、ガルガンチュアの周りを公転している水の惑星のミラー飛行士の信号を目指します。ブラックホールの周りは、ブラックホールの超重力の影響で、星の1時間が地球での7年にあたります。クーパーは子供の為に地球に帰ることを考えていたので、水の惑星に寄るのをためらいますが、水上におります。するとミラー飛行士は見つからず流されて死んでいたようで、高波が着陸船を襲います。アメリアを助ける為に逃げ遅れたドイルは死に、アメリアはミラー飛行士が惑星に到着したのは、私たちより数時間前で死んだのは、数分前だと不思議な事を言います。エンジンは波の影響でダメージを受けたのですが、ロボットたちの協力もあり、回復し母船に戻ると、23年が経過して、物理学者のロミリーは、23年年を取っていました。

 地球に残された長男は祖父の死後、農業を継ぎ畑を守っていましたが、作物はさらに育たなくなっていました。結婚して妻子ができ、父親への送信を20年くらいであきらめました。妹のマーフはブランド博士が面倒を見て、優秀な研究者となり、博士の弟子になっていました。 

 置いて行かれた怒りの為、父との交信を拒否していましたが、ブランド博士の死に際して博士が何年も前に重力方程式を解いていて、重力制御は不可能に近いことを嘘をついて黙っていて、結局移住は無理だということを黙って、プランBの人間の受精卵で子孫を残すという目的の為だけにクーパーや娘のアメリアを利用したということが分かります。娘のマーフや、宇宙船のクルーは裏切られたように思います。しかし、マーフはあきらめず、ブラックホールの特異点を分析してデータを持ち帰ってくれれば人類を救えるかもと希望を持ちます。

 それから、宇宙船では燃料も少なくなり、あと二つの信号の来ている惑星の内、どちらに行くかでモメます。アメリアは飛行士エドモンドが行った星に行きたいと主張し、反対されます。彼女はエドモンドが恋人だということを隠し、乗組員に嘘をついていたのです。結局燃料の関係で、マン博士(マット・デイモン)の氷の星に行くことになります。
 マン博士は、冷凍睡眠から目覚めさせられ、人間に再開したことを喜びますが、マン博士も信号で、その星が人間の生存可能だ、と嘘をついており、実は母船をのっとって、自分だけ地球に帰ろうと計画していたのでした。クーパーは、マン博士に氷の丘で谷に突き落とされ、もみ合ってクーパーはマン博士に「お前も苦しみを知れ」と、ヘルメットを壊されてアンモニアの大気で窒息しそうになります。アメリアが助けに来ますが、宇宙基地にいたロミリーはマン博士の仕掛けたワナの爆発で基地ごと吹き飛び、マン博士は着陸艇を乗っ取り、母船にドッキングしようとしますが、人工知能のロボットに拒否され、それでも強引に接続しようとして、マン博士は乗り物ごと吹き飛び、爆発の衝撃で母船の一部を壊します。

 クーパーは壊れた母船にアメリアとロボットの協力で、着陸艇をドッキングさせ、彼女の命と人類の受精卵を守るため、TARSと一緒に命を投げ出して、犠牲になります。半ば壊れながら母船はアメリアをエドモンドのいる惑星に連れて行きますが、彼女の恋人は死んでいました。

 ここからが、不思議なのですが、ガルガンチュアの超大質量ブラックホールへ入った、ロボット(彼はブラックホールの特異点のデータを地球に送る為に、ブラックホールに入る)とクーパーは、身体が壊れて死ぬはずなのに、生きています。そして、農場の家で、幽霊事件の正体を知るのです。人工知能ロボットがブラックホール内で、クーパーと交信してくれて、ロボットは「彼ら」に助けられ保護されて、ブラックホールの特異点の情報を与えられたというのです。「彼ら」は5次元にいて、4次元空間や、3次元空間を作ったり閉じたり出来ると言うのです。クーパーは4次元空間にいて、過去に戻り、娘のマーフの部屋の本棚の裏の空間に入っています。本を動かして娘にメッセージを送ったり、砂のなみでモールス信号「ステイ」部屋にとどまって私のメッセージに気付いてほしいと交信しようとします。

 一方、地球では父親と同じ年になったマーフが兄の妻と子供が、環境破壊の砂嵐の為にぜんそくになっているので、命にかかわるから病院に入れようとしますが、農夫になった兄のトムが故郷を離れようとしないので、苦肉の策で、兄の畑にガソリンをまいて火をつけます。マーフのボーイフレンドがトムを見張っている間、マーフは昔のことを思い出し、自分の部屋にヒントがあると、あの幽霊は父親からのメッセージではないかと、直感します。本やいろいろ探して、父親からもらった時計の秒針が、モールス信号で、ブラックホールに行った父親が、その情報を時計の秒針の信号で送っていることに、気がつき特異点を含む重力方程式を完成させます。

 クーパーは役目を果たし、「彼ら」がかなり未来の人間で、5次元世界に住んでいるのではないかと考えます。彼はブラックホールに居たのに、病室で目を覚まします。それは、未来の地球の人間のコロニーでした。マーフが宇宙の謎を解き、人間を助けて、コロニーに移住させたのでした。ただし、彼は40歳前、娘のマーフは100歳を過ぎた老女になっていました。

 クーパーは超越した技術を持った彼らは自分でなく、娘を選んで、過去の地球を救ってもらおうとしたことに気付き、自分はそのメッセンジャーだったと知ります。そして娘に、彼らは進化した人間で5次元世界に住んでいるということを教えます。

 娘は理解して、父親をブランド博士の娘で、1人惑星で待っているアメリアのもとに行くように行って、マーフは子や孫や甥、や姪やひ孫などの何十人の家族に囲まれて、天寿(120歳くらいでしょうか?)を全うします。

 40歳前後の父親クーパーは、アメリアの待つ惑星に行きます。きっと5次元の未来人の助けのあることでしょう。

 私としては、クーパーに娘を囲む家族の自己紹介の場面を作ってほしかったと思います。英雄のクーパーとマーフを誇らしく思う家族が目に浮かびます。

 この作品は全人類の運命を描きながら同時に家族の絆も表現しています。
大変長いあらすじですみませんでした。

 次回は宇宙の旅やその他のSF映画との比較も試みます。また前に書いた、ブラックホール、ホワイトホールについても触れましょう。映画のパンフからも面白い話があれば、引用しましょうね。しばらくは、SF小説やSF映画の特集をしながら、未来のことも考えてみましょう。今年もお読みください。面白くするように頑張ります。


プロフィール

観音寺りえ

Author:観音寺りえ
アトラス研究所の観音寺りえです。

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住所: 東京都文京区千石4-37-10 
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