不思議な話 その126 月の不思議(2)

 神話では、月と太陽が対に語られることがおおいですが、月は太陽の光によって輝くので、太陽に従う存在というイメージもあります。太陽が昼間の世界の支配者であれば、月は夜の世界や闇の世界や、亡くなった後の冥界の支配者という考え方もあるようです。

 世界の各地域の月に対する古い話を簡単に見ると、古代エジプトでは、今から5000年前から王国があり、その王国の始まりはエジプトの北、西アジアのパレスチナや今のシリアなどから入って来た人々が、前からエジプトにいた人々を支配して始まったと言われています。支配者はほぼ北から来たので(正確には北北東)、その支配者は故郷、つまり、北の星座北極星の星の信仰があったといいます。その人々に対して元々エジプトに住んでいた人々は、太陽信仰で、エジプトが統一される前にもともと住んでいた人々とユダヤ民族を含む外来民族は、星の信仰で、地元の民族は太陽信仰で、戦争が終わって統一されると、信仰も太陽神に統一されました。

 エジプトの月は、万物の創造神ラーの左目で、右目が太陽です。鼻から出るのは、空気、口からは命の源であるナイル川が流れて来たと信じられています。月の女神イシスは太陽の神オシリスの妻で、知恵の女神とされています。

 ギリシャでは、太陽神はアポロ、月の女神のアルテミスはアポロの妹です。アルテミスは狩猟の神でもあり、月夜の森を獲物を求めて駆け回ります。アルテミスは狩人のオリオンと恋におちますが兄のアポロの策略でオリオンは死に、アルテミスはオリオンを星にします。オリオン星座の起源ですね。

 古代バビロニアでは、月の神ナンナルは太陽よりも上の地位にいます。月は万物の父親で、知識の神でもあり、自然を支配し、豊饒をもたらす神です。月の神はまた、時を測り、季節を支配していると考えられました。

 インドの神話では、月はキャンドラセカール、という夜の番人が持ち歩くランプだととされ、月は大切なものだったようです。

 ヨーロッパでは、9月の満月を「収穫月」と呼んだようで、実りの秋の収穫時の夜に空を明るくしてくれました。10月の満月は、光の下で獣を追ったので、「狩猟月」と呼ばれているそうです。

 中国では、気が立ち昇っている中から天と地が生まれ、そこから、宇宙の創造神「盤古」が生まれたとされています。盤古が起きていると昼で、寝ると夜になりました。左目が太陽になり、右目が月になったといいます。

 旧約聖書では、初めに神は天と地を創造し、地は混とんで闇が深淵の端にあり、神の霊が水面を動いていました。創造主が「光あれ」と言うと、光が生まれ、2日目に天と地に分かれ、3日目に天の下の乾いた地域に山ができ、4日目に天の太陽と月と星が出て、5日目に鳥と魚を生みだし、6日目に動物と自らの姿に似せて人間を創りました。7日目に休息しました。

 古代の日本では、イザナギノミコトが体を清めた時、左目を洗うと太陽のアマテラスオオミカミ(天照大神)が生まれ、右目を洗うと、ツクヨミのミコト(月読命)、鼻を洗った時にスサノオのミコトが生まれました。アマテラスオオミカミが神々のいる高天原で昼をつかさどり、ツクヨミノミコトが夜を、スサノオのミコトが海を支配しました。ただし、アマテラスオオミカミはもともと、女神で月の神だったという説があるそうです。

 太陽神の信仰は前に書いたように、世界各地に古代からありますが、もっと前に月の神の信仰があったというのです。エジプトにも太陽神の信仰の前に月の神への信仰があったというのです。イスラム教の唯一の神アラーも元々は月の神「アラート」が簡略になったものだそうです。イスラム諸国の国旗が月をシンボルにしていることが多いのは何か関係があるかもしれません。三日月が入っている国旗の国は、パキスタン、トルコ、中東の国々などです。

 次回にまとめて、また、新しいテーマを書きましょう。
 

 

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不思議な話 その125 月の不思議(1)

 太陽にまつわる話をしたので、今度は月についてのいろいろな話をしましょう。

 月は月探査船「かぐや」のサイトをみると、地球からの距離約38万キロメートル、月の直径約3476キロメートル(地球の約4分の1)月の重さは地球の約8分の1月の公転周期(地球の周りを1回りする期間)は27.32日、おおよそ28日で、女性の月経はいろいろな周期がありますが、28日(月の公転周期とおなじ)前後という方が多いのではないでしょうか?月の大気はほとんどない為、昼夜の温度差がとても大きいそうです。重力は地球の約6分の1程度なので、スーパーマンのように空中を飛ぶことはできませんが、跳躍は同じ力では、地球上の6倍飛べるということでしょうか?でも、宇宙に出ると筋力は何分の1かに衰えるといいますし、宇宙服を着て飛び上がるのも大変でしょう。

 地球と月の距離は38万キロというのは、地球の赤道の周りを10周したぐらいの距離なのだそうです。地球は月の引力の影響を大きく受けていて、月の位置によって、満潮、干潮が発生するようです。太陽の引力の影響も地球は受けていて、太陽と月の満潮が重なった時が、大潮で、太陽による干潮と月による干潮が重なったときが小潮です。

 月の満ち欠けは月と地球と太陽との位置によって、月の見え方が満月、半月、三日月等と変わってきます。よく満月のときは、人が怒りっぽくなるとか、小説で、満月の時に狼になる話とか、満月の時に事故が多いとか言われていますね。

 月がどうして出来たかということはまだ、解明されていないのですが、4~5つ説があって、「親子説」は地球の一部がちぎれて月になったというもので、もともとは一つだったという説です。「捕獲説」は全く違う所で生まれた月が地球の重力に捕らえられたという説、「双子説」は太陽系が出来た時に、月も地球と一緒に生まれたという説です。「巨大衝突説」(ジャイアント・インパクト説)では、地球がほぼ出来上がった頃、火星くらいの大きさの星がぶつかり、宇宙空間に広がった地球のかけらが次第に集まり、月ができたという説があり、有力候補になっています。似た星で、月の水や大陸のモトになる物が、月からもたらされたという考えもあります。

 日本は2018年に宇宙航空研究開発機構が月面へ無人探査船を送る予定になっています。旧ソビエト、アメリカ、中国に次いで4番目に無人月探査機を打ち上げます。予算は150億円前後だそうです。惑星イトカワを調査した「はやぶさ」の技術があるので、成功すると思います。

 1960年代にアメリカが月面着陸したのが、あの当時の技術では考えられないとする人たちから、月面着陸ねつ造説がでていましたが、最先端のコンピューターグラフィック技術を使って、完全に光の当たり方を検証したところ、あの映像通りだったので、ねつ造でないことを証明しました。ニール・アームストロング船長が月面へ着陸船から降りる影をPCで再現したところその通りに影ができたそうです。また、月面の光の状態が、アームストロング船長が撮ったものと同じだったようです。撮影した写真に星が写り込まない理由もPCで計算して同じだったということです。

 NASAは、ねつ造説に対して、公式見解で一つ一つの疑問に答えていました。専門家はNASAの見解は妥当であるとしています。

 ねつ造説に対して、当時の技術にしては、有人月面着陸はずば抜けていたので、エリア51の宇宙人から教えてもらったのではないかとする突飛な意見もあります。

 何回も書きましたが、地球からは月は何時も同じ表面を見せているので、裏側は観察できなかったので、月の裏側には、たくさんのUFOがいると考える人がいます。実際写真もいくつか撮られています。

 日本の月探査機が月に着陸したら、月の成り立ちが分かったり、太陽が月にどんな影響を与えているかとか、月から宇宙を探ることができます。地球上のように電波が飛び交っていないので、宇宙の電磁波を調べるのに役に立つようです。地球の南極と北極のオーロラを観測して、太陽の影響を探れます。

 次回は歴史の上で月がどのように扱われてきたか、また、神話も見て行きましょう。

不思議な話 その124 曼陀羅のまとめと不思議な映画「アイ・オリジンズ」

 私は最近、ヒマラヤの石を扱っているお店で、チベットの仏教を勉強している少年たちが、収入を得る為と修業のために描いたという曼陀羅(マンダラ)の絵を一つ買いました。額に入れて事務所に飾ろうと思っているのですが、その絵は幾何学模様で描かれ、仏像は描かれていません。赤い厚紙に複雑な円が描かれブルー系の色でグラデーションされていて、中央にインドの古代文字のサンスクリット語(梵語)が絵のようにデザインされています。全体で、この宇宙を表わしているそうです。また、始まりと終わりを表わしているそうです。

 チベットは、歴史の大変古い国で、いままでは独立国でしたが、今は中国の一部になって、チベット仏教のダライラマ氏を初めとして、インドの北部に難民として暮らしている人々や、故郷を捨てられずに、独立できなくてそのままその土地で苦しんでいる人々がいると聞いたことがあります。また、インドの北部にいる人々にはパスポートが簡単に発行されず、仕事もたくさんはないと聞いたことがあります。仏教の信仰が多くの人の支えになっているかもしれません。

 曼陀羅(マンダラ)は古代インドに起源を持ち仏教の発展とともに、中央アジア、古代の中国、朝鮮半島、日本に伝わってきましたが、マンダラは人間の心のバランスをとるのに役に立っているのです。マンダラを描くか、瞑想などでイメージをすると、精神がアンバランスな状態でもその心が癒されることがあるのです。また、瞑想で忘我の境地になった時や、古代のチベット仏教やヨガの修行で、オーガスムズなどの状態になったときも、マンダラのような図形が見えるといいます。

 後半は最近見た不思議な映画、「アイ・オリジン」について書きましょう。この作品は2014年2月のアメリカの公開作品で、日本では上映されていません。DVDにもなっていないで、デジタル配信だけのようです。サンダンス映画祭という映画好きな人が集まる大規模な映画祭で、アルフレッド・P・スローン賞というのをとったそうです。監督はマイケル・ケイヒルという人で、これも最近見たのですが、「アナザー・プラネット」という評判の良い変わった映画も制作しました。「アナザー・プラネット」は別の機会に書きますが、「アイ・オリジン」は前世に関係する映画です。ネタバレがあるので、これから見る人は気をつけてください。

 主人公は「ボードウォークエンパイヤ」というドラマに出ていたマイケル・ピットという俳優で、瞳の研究をしているイアン・グレイという科学者です。
 彼は大学院生のときにハロウィーンパーテイで仮装をしている女の子と知り合います。研究の為、彼女の瞳を資料として撮影させてもらい、流れで、名前も顔も分からない女性と、初対面でSEXをしてしまいます。彼女はその後消えてしまい、彼は彼女に恋をします。人間の瞳は千差万別で、同じものは二つとないということですが、彼は彼女の瞳の写真から彼女の行方を探そうとします。空港で目のスキャンをするので、PC上に指紋のように目の登録が、何億もあるという設定です。彼は謎の女性ソフィ(アストリッド・ベルジュ・フリスベ)をPC上ではなく、偶然見つけ出します。その見つけ出す前に何かの前触れか、コンビニのレシートが11月11日の11時11分11秒と表記されます。その後大きな広告看板に彼女の瞳が写っていました。彼女は広告モデルだったのです。イアンは瞳の研究をしているので、すぐに彼女だと分かり会いに行きます。

 二人は再会してすぐに愛し合い結婚することにします。イアンの助手の大学院生カレン(ブリット・マーリング)がある発見をして、新婚夫婦の二人は研究室に行きます。ソフィはカレンがイアンを好きなのを一目で見抜き、少しやきもちを焼きます。助手のかレンが席を外したときに、新婚夫婦は研究室でいちゃいちゃとして、棚が壊れて、薬品が夫のイアンの目に入ります。目の処置をしてもらい、不穏な空気の中、二人は新居に帰ります。新居は古いアパートでエレベーターが途中で止まってしまい、ソフィは怖がります。イアンはエレベーターの隙間から扉を開けて、階に出てソフィを助けようとしますが、彼女は危険な脱出を嫌がっているうちに壊れて動き出したエレベーターに挟まれて亡くなってしまいます。これが前半で、その後の後半は、それから、7年後です。

 7年後、イアンはグレイ博士となり、彼は無神論者の科学者で、瞳の発達と進化の関係を証明しようとして本を書いたりしてそれなりの成果を上げていました。共同研究者のカレンとは結婚して、まだ1歳前の男の子がいます。その子を出産した大学病院で子供の検診をして、子供の尿から自閉症の疑いがあるので、検査実験に参加してほしいと誘われて、子供の為に参加します。(どうやらこれは嘘らしく、尿から自閉症がわかるというのもおかしな話ですが・・・)生まれた時に撮った赤ん坊の瞳の写真と何年も前からある瞳の光彩パターンのデータと照合して、数年前に亡くなったある黒人男性の関係写真を実験で、見せられていたのです。

 大学病院の女医が何かの研究をしているようでした。子供は自閉症ではなく、黒人男性の何枚かの写真を見て反応していたのです。イアンの大学院時代に共同研究をしていた友人男性が瞳識別認証のデータ会社に勤めていたので、登録されている光彩パターンが自分の息子と一致した亡き男性が住んでいた農家に、イアンは調べに行きます。実験の写真の女性は亡くなった男性の奥さんでした。息子は、亡くなった男性にかかわる写真に反応していたのです。二人は、光彩パターンの同じ自分たちの息子と、亡くなった黒人男性の間に瞳だけでなく共通の記憶があるのではないかと考えました。つまり息子の前世は、息子が誕生する1年ほど前に亡くなった黒人男性ではないかという仮説をたてました。

 共同研究者である妻のカレンは「瞳は魂の窓なのかも。」といいます。亡くなった人の光彩パターンを見て行くうちに、イアンの前に死んだ妻ソフィのデータをPCで探すと、インドのある少女に行きつきました。イアンはインドに飛んで、調べました。その少女はサロミナという名前で、両親が亡くなり身寄りがなくしばらく施設にいたのですが、今はストリートチルドレンになっているということでした。イアンは大金を使って、サロミナの瞳の写真を広告に出し、その瞳の女性を見つけたら懸賞金を出すことにしました。いろいろな電話が入ってきますが、皆、年齢等が合いませんでした。1カ月が経ち応援していた妻のカレンも「もうアメリカに帰ってきて」というころになって、広告の前に立っている7歳くらいの女の子を見つけました。

 イアンはホテルでサロミナを前世と思われる、瞳の光彩が一致するソフィの関係する写真が何枚一致するかでテストをしました。ソフィの好きだった食べ物や、興味があった白い孔雀やソフィの生前の顔をサロミナは正解しました。けれども全体の結果は44%で、確率から行って偶然か必然か、ぎりぎりでした。イアンはサロミナの前世がソフィだったか迷いますが、ホテルを出る時に、エレベーターに乗ろうとするのを、サロミナは極端に怖がるので、彼女がソフィの生まれ変わりであることを確信します。映画はここで終わりますが、後日の映像としてエンドロールの後に、大学の医学部の女医が出てきて、スタッフに今が研究の最適の時だと言って、過去の歴史上の偉人や政治家、キング牧師や、ケネディ大統領や、ヒットラーなどの各国の重要人物の写真と瞳の光彩を赤ん坊と比較研究するらしい、というところでエンドになります。

 私も過去世のデータを見る時にいらっしゃった方の目をアイリーディングしますが、それは目を見るというよりは、目の奥の脳にある過去世や今の人生の過去の情報などを目を見つめることで引き出しています。けれども、映画の中の「瞳は魂の窓」というところは、確かにそういう部分もあるなと思います。この作品も、「アナザー・プラネット」と同じく考え抜かれた哲学的な作品でした。

 とてもよく構成されているストーリーで魅力のある映画でした。

不思議な話 その123 ユングと曼陀羅(2)

 ユングと曼陀羅は一見関連性が希薄のようですが、ユングの考えた「集合的無意識」という概念とも深い関係があるそうです。

 「集合的無意識」とは、ユングの分析心理学で中心の概念で、人間の無意識の深層にある、個人個人の経験を超えたもので、心理学では、「普遍的無意識」と呼ばれています。フロイトの精神分析だけでは、説明のつかない深層の心理を説明するために、ユングはこの考えを思いつきました。

 研究対象の人々のそれぞれのコンプレックスの概念を発見したユングは、個人の表面的コンプレックスよりさらに深いところにある、個人を超えた集団や民族や、人々の心に共通した普遍的に存在する心の作用の元型を見つけました。たとえば、私がすぐ前のテーマで書いた太陽崇拝も世界中の共通する神話に出てきます。太陽を神格化することは、各民族共通です。ユングはそれに気がつきました。さらに、元型の影響で、個人の夢や空想に出てくる典型的イメージは、様々な時代や民族の神話にも共通して存在し、民族に共通なアルカイック(古風な)無意識と考えました。そしてユングはこの領域を「集合的無意識」と名付けたのです。

 元型は、人間の中に古代から刷り込まれている共通の意識ですね。人間の行動や思考や判断は自我と外的作用で決まりますが、一方で、集合的無意識に存在する元型からの影響もあるようなのです。

 ユングは集合的無意識の様々な元型(たとえば、神を創ろうとするとか、太陽を神として崇めるとかすることだと私は思うのですが…)があることを発見しましたが、その原型は最終的には人々の自己の元型に戻ってくると考えました。自己の原型は魂(心)全体の中心にあると考え、外的世界の交渉の主人といえる自我は自己の元型のエネルギーを通して変容し、成長し、理想の「完全な人」を目指すと考えました。

 ユングは生まれ変わりの事は触れていませんが、私はさらに、集合的無意識には、各人の昔の人生(過去世)あるいは未来世が影響していると思います。PCのクラウド情報のように、各人の生まれ変わりの情報が、無意識下で影響しているのではないでしょうか。そして、各現世で積み重ねてきた経験が、次の自分の元型をつくっているかもしれないのです。さらに、過去世などのいくつもの人生を積み重ねることで、魂は変容し、成長し理想の完全な魂を目指しているのかもしれません。

 ユング心理学にもどると、自我が自己との相互作用で成長し、球的な完全性へ向かうことをユングは「個性化の過程」とか「自己実現の過程」と呼びました。

 彼のこの悟りにも似た気づきが、マンダラからもたらされたものかもしれないのです。仏教で描かれたマンダラと彼自身が悩んで試行錯誤したときに描いた円の絵との間に共通点があることにユングは気づきました。

 それでは、仏教におけるマンダラとはどういうものなのでしょうか?一般的には「円」を示すと書きましたが、元々のインドのサンスクリット語では「Manda」という本質を表わす言葉に「得る」という接尾語がつきました。マンダラは、仏教の儀式などに使われる図や絵のことを指し、マンダラは本質や真理を得る為の図ということにもなります。つまり悟りの境地に達した時に理解される図や絵なのです。

 マンダラはまた、仏教の宇宙観を感じる為の助けにもなります。古代の平安時代に密教の一派を開いた空海が持ち帰った「胎蔵界曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」は有名です。中心に大日如来が鎮座して各仏が周りを取り囲みます。色彩は多様で見ると心が穏やかになります。

 ユングはさらに、自分の描いた円の絵だけでなく、患者の治療の過程で描く絵が、治療が進むと絵の形が円に近くなることにも気づきました。そこからユングは、患者たちの見る夢にも注目し、マンダラを象徴するような夢の中の映像が多いのにも気がつきました。

 ユングはチベットの高僧に会った時に、マンダラの話を聞きました。チベットの高僧はユングに言わせると次のように説明したそうです。

 「マンダラはラマ僧のみが想像の力によってこれを形成することが出来る。マンダラは一つとして同じものはなく、個人個人によって異なる。また、僧院や寺院に掲げられているようなマンダラはたいした意味を持たない。なぜならそれらは外的な表現にしかすぎないからである。真のマンダラは常に内的な像である。それは心の平衡が失われている場合か、ある思想がどうしても心に浮かんでこず、経典をひも解いてもそれを見出すことが出来ないので、自らそれを探し出さなければならない場合などに、想像力によって心のうちに形作られるものである。」(C.G.ユング)

 ユングはこのマンダラという東洋の絵を東洋の仏教を信仰する人々の内面を表わしたものととらえずに、マンダラは人間普遍的な潜在意識にある宇宙観とむすびついたものと考えました。

 少し長くなったので、次回にまとめましょう。
プロフィール

観音寺りえ

Author:観音寺りえ
アトラス研究所の観音寺りえです。

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住所: 東京都文京区千石4-37-10 
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