不思議な話 その135 世界の妖精伝説(6)イギリスの妖精その他

 イギリスの妖精で一番新しい時代のものです。「グレムリン」は第2次大戦中に、イギリス軍の少尉に発見されたもので、この妖精が取り付くと機械や道具の調子が悪くなるといいます。戦争中、飛行機の急発進を行おうとするたびに、故障が発見されるということがあり、ホントか作り話かわかりませんが、調査してみると、真夜中に格納庫の飛行機の上で遊んでいる妖精が発見されたというのです。
この妖精は役に立つ働きもしていて、機械の調整に一役買ったり、第2次大戦よりずっと前にフランクリンが、稲妻から電気を得た時に実はグレムリンが手伝っていたといいます。

 偶然同じ名前か、この妖精からヒントを得たのか、1984年に公開された大ヒットした映画があります。スティーヴン・スピルバーグが制作総指揮をした監督がジョー・ダンテの『グレムリン』という映画です。
簡単なあらすじは、発明家のランダル・ペルツァーは、セールスの為に訪問したチャイナタウンの骨とう品店で店の中をみてまわっていると、布でおおわれたカゴから歌が聞こえて来て、中を見ると見たこともない生き物がいました。買おうとすると店主が売り物ではないといい、1度は断られます。店主の孫が生活が苦しいので、彼に買ってほしいと頼み、息子へのクリスマスプレゼントにします。その生き物はモグワイといいましたが、息子のビリーはギズモという名前をつけました。

 父親はモグワイを買う時、3つの禁止事項を教えてくれたのですが、飼い主は一つずつ破ってしまいます。1、モグワイを光に当ててはいけない。2、水をかけたり濡らしてはいけない。3、真夜中の12時過ぎに食べ物を与えてはいけない。モグワイは安全ですが、12時過ぎに食べ物を与えると繭となって、見た目も性格も凶暴な「グレムリン」に豹変します。水を飲ませたりかけたりすると、一匹がかなりの数に増殖します。毛の生えた身長25センチの可愛いモグワイが繭を作って変身すると、70センチの体毛がなくなったハ虫類を思わせるような皮膚になり、鋭い牙と爪を持ち人間を襲います。知能は低下し、本能のままに悪いことをします。ギズモは水を飲まないので、グレムリンになりませんでした。水をかけられて増えた仲間が、夜中に食べ物を食べてグレムリンになりました。

 グレムリンの親玉がストライプと呼ばれたリーダー格で知能は高く、凶暴です。グレムリンに変身後、スポーツセンターのプールで仲間を増やそうと計画し、デパートでビリーを追い詰めていきます。最後は噴水の水で増殖しようとしますが、ギズモの知恵でまどから差し込む日光によって溶けて死んでしまいます。

 その後町が平和になり、ギズモは迎えに来た元の持ち主の骨とう品店の主人に引き取られ、元いたところに帰ります。

 イギリスの伝説の「グレムリン」とはかなり違います。映画の設定では、ノベライズ化された映画の本では、宇宙のはるかかなたにある科学が高度に発達した惑星で、モグターメンという科学者がどんな気候条件にも適応し、繁殖可能な、性格温和で知的な生物モグワイを作りだしました。モグターンはその1匹を地球に送りこみ、そのモグワイが着いたところが台湾でその中国人の老人がモグワイを飼って、アメリカの骨とう品店で主人公のビリーの父親の目にとまったという筋です。

 「ショック」はイングランド東部のサフォー地方に出没する妖精の一種です。いたずらが好きな妖精ボギーの仲間で、騎馬か馬の姿で現れます。ショックという英語の意味のとおりに人を驚かせたり、恐怖を起こさせます。驚かせる為ならば、お葬式で亡くなった人の幽霊の姿になって人を怖がらせるといいます。

 「シルキー」はイングランド北部地方の女の妖精で、ブラウニート亡霊の中間だそうです。いつも灰色か白の絹のドレスをきています。特定の家に住み着いて、掃除や暖炉の手入れ等の家事を手伝ってくれます。大きな家に少人数で住む家には有り難い存在です。自分の住む家に気に入らない人間が住むと、夜中に家具をがたがたさせたり、天井で暴れて追い出してしまうそうです。

 「スプリガン」はイングランドコーンウォール地方に棲む妖精で、老人の姿をしており、古代の巨人たちが作った巨石や地下に埋められた宝物を守っているそうです。古代にこの地方で暮らした巨人たちの幽霊だともいわれています。この妖精は体の姿を自由に変えることが出来ます。(巨人伝説と妖精伝説も関係があるのでしょうか?)

 「ニミュ」はイギリスの『アーサー王物語』に出てくる湖の妖精で、ニーニアンやニアヴとも言われています。一時期アーサー王物語に出てくる魔法使いのマリーンの恋人だったと言われています。

「ノッカー」はコーンウォール地方の鉱山に棲むと言われています。コツコツと岩をたたき、どこに良い鉱山があるかを教えてくれます。彼らがでていってしまうと鉱脈が枯れてしまいます。

 「バグベア」ウェールズ地方の親の言うことを聞かない子供を食べてしまうとされた妖精です。日本の東北地方の「ナマハゲ」のようですね。ゴブリンの一種で、全身毛だらけの人間の姿をしている。子供のしつけのために利用される妖精です。

 「パック」はイングランドに棲むいたずら好きの妖精で、普通は上半身が人で、耳と下半身がヤギの姿をしています。頭にヤギの角がありますが、変身することが出来ます。パックが寝ている人や、腰かけにかけて座ろうとする人にいたずらしたりします。

 「ハベトロット」はイングランドで、糸紡ぎをする人を守護する妖精です。糸をなめる唇は分厚くなり、糸を引く手は豆だらけということです。ハベトロットが作ったシャツを着ると、病気が治るといいます。彼女が醜くなったのは糸紡ぎだと考えた王様は、若い女性に糸つむぎを禁じたこともあります。

 長くなったので、次回はイングランドの残りとヨーロッパのその他の国の妖精を見て行きましょう。
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不思議な話 その134 世界の妖精伝説 (5)イギリスの妖精

 今日もイギリスの妖精についてです。

 イギリスの妖精の伝説は、イギリスの20世紀の有名な小説の『指輪物語』に大きな影響を与えました。『指輪物語』はイギリスの言語学者J・R・R・トールキンの長編小説です。妖精や魔法使いが国家を築き、戦ったり、協力して国を、仲間たちを守るという空想の世界を描いたファンタジー小説です。

 『指輪物語』の初期の作品は、『ホビットの冒険』の続編として始まりました。そのほとんどは第2次世界大戦中に書かれています。戦後の1954年から1955年までに3部作で出版されました。

 『指輪物語』のお話の舞台の時代は、作者のトールキンが創造した歴史上でのアトランティス文明崩壊後の遠い昔です。トールキンは古英語のミドガルドを現代語化したミドルアース(中つ国)を作り上げました。物語は冥界の王サウロンの所有の指輪でした。権力をすべて思いのままに手にすることが出来る二つとない不思議な指輪(あまりの指輪の巨大な力のために持つ人の欲が増大され、一握りの純粋な者以外、邪悪な心が引き出されます。)をめぐる戦いが描かれています。登場人物は、小人のホビットやエルフ、人間、ドワーフ、魔法使い、ゴブリン(オーク)、トロルなどの妖精の種族が出てきます。

 私もこの物語を日本語訳で読んだことがあります。話が面白くて、引き込まれました。この原作をもとに、映画「ロード・オブ・ザ・リング」三部作が2001年~2003年に作られました。私も見ましたが、見た方も多いと思います。

 作者の創作のイマジネーションを掻き立てたのが、イギリスに古くから伝わる妖精の話です。作者のトルーキンは、言語学、おとぎ話、北欧神話、ケルト神話などを融合させました。

 「エインセル」はイングランド北部に棲む、とがった耳を持つ少女の妖精で、その名前は「自分自身」という意味があるそうです。

 「エサースロン」はイングランドのウェールズに棲む小人の妖精で、エルフの一種で陽気で明るく面倒見がいいです。フェアリーバターという黄色い毒茸の汁が大好きで、その生えている近くにエサースロンの棲みかがあります。困っている人がいると見過ごせず、わいわい楽しそうに騒ぎながら家の仕事をかたづけます。その家はどんどん豊かになります。のぞき見されると二度ときませんが、復讐もしません。(日本の座敷わらしのようですね。)

 「エルフ」は丘や地下に棲むといわれる北欧起源の妖精の一種で、時代が下がるにつれて小人の妖精と考えられるようになりました。もとは見た目も大きさも人間と同じくらいで、男も女もみな美しく、人間が見ると皆一目ぼれしてしまうと言われました。背中がくぼんでいるので、人間と区別するのは簡単です。音楽が好きで皆で踊りを踊っています。

 「オーク」は悪の妖精で、豚顔で細くて長い手に短い脚があり、口に牙が生えています。悪役なので、残酷な性格で共食いすることもあります。夜行性なので光の中での活動は得意でありません。ほかの種族に敵意を丸出しにして、とくにエルフを憎んでいます。人に乱暴することも多いと言います。

 「オベロン」はイギリスに登場する妖精の王で、地中の宝を守っている小人の王アルベリッヒに由来します。3歳くらいの子供の大きさをしていて、体が小さいのは、生まれた時に妖精の呪いにかかったからだと言われています。妖精の女王ティターニアを妻とし、妖精の国のすべてを取り仕切っているそうです。ほかの妖精のように、人間に恋することもありますが、そんな時は、女王が嫉妬して、夫婦げんかになります。

 「コブラナイ」はウェールズ地方の高い山に棲む妖精で、ゴブリンの一種といわれます。身長50センチくらいで鉱夫の服装、見た目は醜いですが、こつこつと岩盤をたたく音をたてることで、鉱夫たちに質の良い鉱脈を知らせてくれます。姿を見たり声を聴いたりしたものには良いことがあるといいます。鉱山の妖精によくあることですが、馬鹿にすると石を投げるといいます。

 「ゴブリン」はイギリスで洞窟や地下に棲むとされた妖精の一種です。人間の姿ですが、大人でも身長30センチくらいで、顔は醜いそうです。邪悪な性格で、人を怒らせたり困らせるようなことばかりするので、ほかの妖精たちは、このゴブリンと間違えられるのを嫌うといいます。人の家に住み着くときは、牛乳容器の中に木端が投げ込んであるので、そういうことに鈍感な家に住み着くといいます。

 「シューリーカー」はヨークシャーやランカシャーの森にすむ、叫び声をたてる妖精の一種で、スクライカーまたはトラッシュとも呼ばれます。ゴブリンの仲間で、姿は見せません。パタパタという足音を立てるといわれることもあれば、足の裏は柔らかく、足音を立てないといわれる説もあります。森の中を歩き回って、あちらこちらで恐ろしい叫び声をあげ、この叫び声は死の前兆で、聞いたものは死んでしまうといわれています。

 長くなったので続きは来週にしますね。





 

不思議な話 その133 マルタ文明の巨人伝説と世界の妖精伝説(4)

 数日前にケーブルTVで、「地中海の巨人伝説マルタ文明」を見たので、前半は巨人伝説の補足を書いて、後半はイギリスの妖精の話を書きましょう。

 マルタ島は、地中海シチリア島の南316平方キロメートルの大きさの島です。古代マルタ文明はBC3600年頃から1000年ほど栄えて、突然消えてしまいました。その文明跡はマルタ島一帯の7か所以上にそれぞれ巨石神殿の遺跡があります。このマルタ島には、ギリシャ神話の中の一つ目のキュクロプスが住んでいたといわれています。ホメロスの書いた物語、「オデュッセイア」に出てくるオデュセウスが物語の中で神ポセイドンと人間の混血である巨人キュプクロプスの仲間であるポルペゴスと出会います。ポルペゴスと仲間の巨人たちは、マルタ島の巨大神殿で暮らしていました。

 マルタ島の遺跡には不思議なものが多く、わだち跡のような平行な2本の線の跡が石灰石を削っています。このわだち跡は島の中に100か所以上もあります。謎なのは、この跡が何によって付いたのか、何の目的で付いたのかは全く分からないそうです。そのわだち跡のようなものは、海岸線から海に続き海の底にもあります。できた時期は旧石器時代なので、馬車はなく、荷車もなかったようで、そりとしても、跡がそのようにならないようです。マルタ神殿は巨人が建てたという伝説があります。

 なぜ小さな島に多くの巨石の神殿が建てられたかは、今でも謎のようです。この神殿はしかも石器時代のBC3600年に建てられたと考えられていますが、研究者によっては、12000年前に建てられたのでは、という説があります。この巨石神殿の位置は、入口の中央にちょうど、12000年前の春分と秋分の日に入口に太陽の光がさすようにできているからです。

 世界の巨石遺跡では、春分や秋分の太陽の位置を観察できるようにしたものがとても多いのです。マルタ島のハジャーイム神殿は島の中で一番大きい石が使われていて、重さ20トン3m×6・5m幅1mもの大きさで、石器時代にどうやって運んだかが疑問になっています。

 1902年にハルサフリーボの地下神殿が発掘されましたが、その神殿は地下都市になっていて、7000体をこえる埋葬された人骨が発見されたそうです。国立考古学博物館がその頭蓋骨を持っていて、その頭蓋骨は現在の人類の頭蓋骨より長頭で、産道を通るときに出来る、3本の縫合線のうち、登頂の縫合線がないそうです。つまり産道を通らずに生まれたのでしょうか?現代の人間と種が違うのでしょうか?

 ゴリ島のジュンガンティヤ神殿(巨人の神殿)では、女の巨人が赤ん坊を背負いながら巨大な神殿を作ったという伝説があります。巨大文明が消えたのは、大洪水が原因だという説があります。大洪水は今から12000年前、大きな氷河期が終わったころに起こったという人がいます。大洪水が終わった後の文明は、前の文明より、レベルが下がったと考える人がいます。大きな石の遺跡の上にそれ以降の人が載せたのは小さな石で、巨大な石を切り出す技術も運ぶ技術も後の時代の人にはありませんでした。エジプトのピラミッドもギザのピラミッドなどの3大ピラミッドやスフィンクスは、やはり紀元前1万年、今から12000年以前に、洪水の前に作られたのではと考える人がいます。それ以降のピラミッドは、もっと稚拙な技術で作られていて、壊れやすいそうです。

 キリスト教の番外の聖典の「エノク書」では、神がネフィリムという巨人族を天使と人間の交配種として、誕生させました。この地上に巨人族が栄えすぎたので、神は洪水を起こして巨人族を滅ぼしたと書かれています。また、この神を宇宙人と考えて、宇宙人と人間の交配種が巨人ではないかと考える人たちもいます。あるいはアトランティスなどの超古代文明の高度な技術や知識を持った文明の人々が、洪水後に高度な文明を伝播させた巨人だったのでは、そして、彼らは神として崇められたとする考えも少数ですがあります。

 イギリスの妖精伝説についてですが、1859年にイギリスに生まれたアーサー・コナン・ドイルはシューロック・ホームズの冒険を書いた有名な小説家ですが、作家であり医師でもあり、政治活動家でもありました。彼は政治活動の著作で国王からサーの称号を与えられました。医者としてはあまり成功しませんでしたが、彼は暇な時間に書いた小説が大ヒットして、作家として大成功しました。

 彼は第1次大戦前から心霊に興味を持っていましたが、第1次大戦後は身内の戦死や病死などの影響もあって、心霊主義の傾向が強まりました。晩年の60歳代に1920年コティングリーの二人の少女が妖精の写真を撮ったという話を信じて取材に行きました。このコテングリー妖精事件では、ドイルはこの妖精の写真を本物と判断し、「ストランド・マガジン」に写真を載せました。1922年にはこの妖精の話を「妖精の到来」というタイトルで本にして出版しました。ドイルは純粋な心を持つ少女が嘘をつくわけはないと信じたのですが、彼が1930年に71歳で亡くなった時から50年以上たって、二人の少女は老婆になり、1983年に写真を撮った姉妹が、偽造写真であることを認めました。

 イギリスはそのくらい妖精の伝説が盛んでした。いくつかのイギリスの妖精を挙げてみましょう。「ヴィヴィアン」というイギリスの妖精は、中世のアーサー王伝説に登場するような美しい妖精ですが、騎士ラーンスロットの守護妖精で、「湖の貴婦人」とも呼ばれています。フランスにあると噂される実際には水のない蜃気楼のような湖の館に数多くの召し使いや騎士に囲まれて暮らしていました。浜辺でラーンスロットを見つけ、館に連れて帰り、立派な騎士に育てたといいます。魔法で湖を出現させる魔法使いとしても知られ、アーサー王に魔剣のエクスカリバーを与えたとも言われています。

「ウオーター・リーパー」はウェールズ地方に住むとされている、カエルに似た姿の妖精です。水の中に住み油断していると、陸上の生き物を一飲みしてしまうことも、あるそうです。危機に陥ると、甲高い声で叫び、その声で気絶することもあるそうです。(日本で言うと、河童の話と似ていますね。)

 長くなったので、次回はイギリスの妖精の話の続きをしましょう。 

不思議な話 その132 世界の妖精の伝説(3)

 世界の妖精についての話です。アイルランドの妖精についてです。

 アイルランドは古代ケルト信仰と関係が深いですが、「デーナ・シー」はアイルランドに棲む妖精で、古代ケルトの神々が妖精化したものだと言われています。元々は体も大きく、騎士と同じように馬に乗ったり、歌やダンスを楽しんでいましたが、かなり小さな姿の騎士だそうです。それでも他の妖精より大きく、妖精の国を守る騎士の役目をします。地下や湖底、海底などに棲んでいて、海に船を浮かべている時に海底から光が昇ってくるように映るのは、デーナ・シーが家に帰ってくる姿だと言われています。

 「ドュラハン」はアイルランドやイギリスに棲む不吉な妖精です。人が死ぬ前になると現れて町を走り回るといいます。女の姿ですが、首がなく、その首をわきに抱えていることもあるといいます。コシュタ・パワーと呼ばれる首なし馬にひかれた黒い二輪馬車に乗っているそうです。ドュラハンはこの馬車で町のあちこちを走り回った後、目的の家で止まります。馬車がやってきたことは家の者にもわかりますが、ドアを開けると桶一杯の血をかけられます。この馬車はその家に死人がでることを予言しているのです。(怖い妖精ですね。)

 もう一つ怪談を付け加えると、「バンシー」はアイルランドで死を予言する女の妖精です。誰かが死にそうになると、泣き叫んで死を知らせます。髪は長く、いつも泣いているので、真っ赤な目をしています。緑色の服を着て、灰色のマントをまとっています。普通は1人で泣くことが誰からも尊敬される人が亡くなると、何人ものバンシーが来ます。旧家には特定のバンシーが棲んでいて、その家系の中で若くして死んでしまった娘の化身の妖精だということです。(これも怖すぎて来てほしくない妖精ですね。)

 「ファー・ジャグル」はアイルランドに棲む妖精で、レプラホーン(レプリコーン)やクルラホーンの仲間です。その名には赤い服を着た男という意味があるそうで、子供くらいの大きさで、赤い帽子とコートを身につけています。人の家を訪ねて暖炉で暖めてほしいと頼むのですが、これを断ると不吉なことが起こるといいます。許可すると毎晩のように尋ねて来て、幸福になるそうです。日本での福の神のような妖精ですね。

 アイルランドの「プーカ」という妖精は馬の姿に化けたりします。いたずらが好きで、可愛い子馬だと思って背中に乗ると水の中に落とされたりします。普段は子供くらいの大きさの人間の姿をしていて、義理堅く、親切にしてくれた人には恩返しをします。ある粉屋の息子が自分の上着をプレゼントすると、数多くのプーカが粉ひきの仕事をただで引き受け、家が豊かになったそうです。

 「リャノーンシー」は詩人や音楽家に創造の霊感を与えるという若く美しい女の姿をした妖精です。アイルランドの緑の丘やマン島の泉の近くに出現します。彼女の美しさに心を奪われた男性をみつけると、命を吸い取ってしまいます。命を吸い取る代わりに、彼女はその男に優れた創造の霊感を与えます。だから素晴らしい作品を残した詩人や音楽家は早く亡くなるということです。

 人魚をアイルランドでは「メロー」呼びます。流れるような長い美しい髪に、白い腕と魚のしっぽを持ちます。陸に上がると人間の姿になります。人間の姿の時は、赤い羽根の帽子をかぶっています。もしその帽子をなくすと、海に戻れなくなります。メローは他のマーメイドと同じように、嵐の前兆として現れます。親切で、人間の漁師に恋をします。男のメローは非常に醜く、緑の歯と緑の髪の毛、目は小さく、鼻はとがって赤い姿だそうです。性格は陽気で愛想がよく、たまに海からあがって牛の姿になり、海岸を歩きまわります。(人魚姫などの童話のモデルになった伝説の妖精でしょうか?)

 「セルキー」はスコットランドのオークニー諸島やアイルランドの海に棲む妖精です。妖精が水の中を移動するのに、アザラシの皮をまとっていると考えました。アザラシの皮を脱ぎ、美しい人間の姿になって陸をあがってくることがあり、人間がその毛皮を持ち去ると、囚われの身になって、その人間の妻になるといいます。よい妻や良い母親になりますが、自分の毛皮を見つけると、すぐに元の海の棲みかへ帰ります。男のセルキーはアザラシの乱獲への復讐のため、嵐を起こして、船を転覆させたりします。(日本の羽衣伝説と全く同じ話ですね。) 
プロフィール

観音寺りえ

Author:観音寺りえ
アトラス研究所の観音寺りえです。

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住所: 東京都文京区千石4-37-10 
TEL: 03-3942-1341
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