不思議な話 その174 DNA鑑定の不思議と 浮世絵師歌川国芳のミステリー

 前回のまとめをする前に、別の不思議な話を一つします。私は浮世絵やいろいろな絵画を見るのが好きなのですが、歌川国芳の浮世絵の不思議な話を耳にしました。今、ちょうど6月5日まで、歌川国芳と歌川国貞の美術展を、渋谷の東急文化村でやっているそうです。そこに出展されている図かどうかは、わかりませんが、彼の絵にスカイツリーらしきものが描かれているのではないかという説が、都市伝説のように語られています。

 BS朝日の2013年1月26日の放送でも取り上げられているそうです。問題の絵は「東都三つ又の図」という題で、隅田川の日本橋中洲付近から北東の、現代でーのある方向の景色を国芳は描いたのですが、現代の2014年に出来たスカイツリーと形がよく似ているので、「国芳には未来の光景が見えていたのでは」と言う人がいます。描かれている場所も現代のスカイツリーと4メートル程度しか離れていないそうです。浮世絵に詳しい研究者は、やぐらだろうと言うのですが、横に火の見やぐらはあり、それは当時の江戸の地図にも描かれています。しかし、火の見やぐらの横のさらに高い塔は、火の見やぐらの脇にあり、当時のやぐらにしては形がおかしいのです。その形は、スカイツリーにそっくりです。おまけに絵の右側の東京湾の方でしょうか、西洋船のマストのようなものがたくさん見えます。当時の江戸にはそんな船はなかったと思いますが・・・

 油の井戸では、という人もいますが、油の採掘が最初に始まったのは、1859年頃、アメリカでなので、この絵が作成されたのが、1831年頃なので、時代が合いませんね。1859年といったら国芳が亡くなる直前です。亡くなるといえば、もう一つ不思議な図柄があります。「東都御厩川岸の図」で、貸し傘を持った労働者の顔の見えない男の傘の番号が、「千八百六十一蕃」となっているのですが、国芳の亡くなったのが、西暦で、1861年とぴったり一致しています。顔が見えないところも妙ですね。傘の番号の上には般若の顔でしょうか?いえ、、私には死後の世界で会うと江戸時代に信じられたエンマ様の顔のような模様に見えます。エンマ様であるとしたら、彼は、「俺は自分の亡くなる年を予知して、知っていたのだよ」と後世の人に伝えるメッセージとなります。彼は絵の天才というだけでなく、予知能力があったことの証明にもなります。

 歌川国芳は、1797年~1861年江戸日本橋本銀町に生まれました。父親は染物屋を自営していました。国芳は幼少から絵を学び、7~8歳で、『絵本武者能』や『諸職画鑑』などを真似て描いていたといいます。彼は64歳で亡くなるまで版画絵を描き続けました。訳者絵や相撲絵も描きましたが、それでは、人気がでず、葛飾北斎の影響も受けたくさんの作品を残しました。過去の武人の絵がヒットして「武者絵の国芳」と呼ばれました。その後、美人絵や役者絵、春画や戯画もたくさん描き、向島に引っ越します。その頃、水野忠邦が天保の改革をして、役者絵や美人画や春画が禁止となり、浮世絵画家に打撃となります。正義感の強い国芳は、妖怪の絵を描いて、暗に幕府の批判をしたりしました。

ぶきみともいえる骸骨の絵や幽霊や妖怪の絵は、彼が何かを見えていたのではないかと不思議になるほど見事です。骸骨頭、スカルマークは現代では、若い人のアクセサリーや服の模様として流行っていますが、約200数十年前の国芳も、着物の柄に、未来に流行るのを見通したかのようにスカル模様を描いています。多くの小さい人の組み合わせで描かれた「良い人の横顔」や、多くの小さい猫で描かれた一匹の猫は西洋画のだまし絵のようで、面白いです。国芳は猫を愛した人のようで、猫の絵が多いです。自画像にも飼っている猫を描いています。

さて、DNAの話の続きです。現在ではDNA鑑定は血液や体液からだけでなく、毛根のついた髪の毛やフケ、唾液のごく一部からも取り出せるそうです。ただ、証拠品やサンプルを提出する時点で、捏造や誤ったものが証拠として提出されると、DNA鑑定は100%確かと言えなくなります。過去に無実の罪で捕まった受刑者の無実を証明する手段としては、DNA鑑定は有効です。犯人だと断定することよりも、犯人ではないと断定することに、より有効なようです。アメリカではイノセンス・プロジェクトにより、無実の受刑者232人(うち、死刑予定囚17人)がDNA鑑定で無実が証明され釈放されました。

 TVで見て知ったのですが、専門家によると、犯罪現場の加害者と被害者が一言でも言葉を発すると、話した時の現場に残ったごく少量の唾液からでも、犯人を割り出すことができるそうです。マイナス法で、被害者、捜査関係者、友人で犯人とは思えない人を除いていきながら、不明の人物を割り出してゆくそうです。驚きですね。

 犯罪におけるDNA鑑定だけでなく、DNA鑑定は、親子関係のあるなしを、証明することも多くなってきました。妊娠をしている女性から絨毛組織を取って、父親の唾液と照合すると、出産前から、親子の鑑定ができるそうです。

そのほか、唾液を綿棒でひとかきするだけで、もっと詳しい様々な遺伝子検査ができるようになりました。遺伝子検査で生まれ持った病気のなりやすさの体質が知ることができるそうです。遺伝子と生活習慣の双方の発症の有無を知ることが出来ます。ただ、可能性なので、必ずその病気になるというわけではないので、アメリカの有名女優さんのように、病気になる可能性が分かったからといって、子宮や乳房などを、健康なうちに取ってしまうのは、私は反対です。なりやすい部分をすべて切除してしまったら、大変なことになると思いますし、体のバランスも崩してしまうかもしれません。遺伝子検査を参考にして、生活習慣を改め、発症の可能性の確率を下げるのが良いのではないかと思います。遺伝子検査はどんな食物を取り込むと、自分は太りやすいかというのもわかるそうです。つまり、白米が太りやすいとか、小麦系が太りやすいとか、肉の脂肪が太りやすいとか、砂糖がふとりやすいとかが分かるそうです。

 未来にはさらにDNAおよび遺伝子検査で想像もしなかったことがわかるかもしれませんね。良い未来になるように貢献して貰いたいものですね。次回にまたおもしろいテーマを探しましょう。

  
  
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不思議な話 その173 DNA鑑定の不思議

 100年前の人は誰が、人間一人一人の細胞の中に、その人を特定する名前のようなものがあることを想像できたでしょうか?人間だけでなく、すべての動物にはその個体を特定する、遺伝子の本体としてのすべての細胞内に遺伝子の設計図のようなものがあります。その遺伝子の本体の細胞の核内に存在する物質がDNA(デオキシリボ核酸)でDNAを主成分としたこの物質は1869年に「ヌクレイン」と名付けられました。けれども、遺伝子の本体は長い間、タンパク質だと考えられていて、DNAの役割や構造は、研究が進まなかったそうです。ちょうど、歴史の中で、地球を中心に太陽が回っていると考えられていた時は、長い間、それが常識だと信じられていました。近代になって、太陽を中心に地球が回っていることが、証明されると、地球の公転が常識となって、知らない人はいなくなります。これと、同じように、現代では、DNA鑑定は当たり前になって、みんながこれを知っていたり、利用していますが、遺伝子の本体がDNAであると分かったのは、1944年のことで、さらにDNA鑑定が犯罪捜査などで行われるようになったのは、つい最近、1985年からです。

私達が写真やニュース画像でよく見るようになった二重らせんの立体構造は、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックという二人が、1953年に、二重らせん構造を発表しました。この発見は分子生物学史上、最大の発見の一つと言われ、この後、2人は1962年にノーベル生理学、医学賞を受賞しています。1944年、先ほどのアメリカのワトソン博士とイギリスのクリック博士は、DNAを切断したり、結合させたりその組み換えの研究が、そこから、スタートしたそうです。しかし、その二人以降、研究はあまり進展しなかったそうです。

 犯罪史上で、DNA鑑定のヒト個体識別が行われた、最初の事件は、イギリスのレスター州ナーボロウの事件だったそうです。レスター大学教授のアレックス・ジェフリーズ博士はDNAを切断したり結合して、それを写真にさつえいすることに成功しました。それは、今私達が目にするバーコードのようなものだったそうです。アレックス博士はナーボローに事件の少し前に彼の理論に基づき、ガーナ移民の母子の親子鑑定をして、その親子関係を証明し、初めて裁判所の証拠として採用されました。少年はイギリスからガーナへ、強制送還されることなく、イギリスに住む許可を与えられる判決が出ました。そのニュースがイギリスの新聞に載りました。

  1985年、イギリスのレスター州の警察に所属する、ベイカー刑事は、2人の少女のレイプ殺人事件で、容疑者の少年を逮捕したものの、その供述に違和感を持ち、捜査が行き詰まっていました。15歳の少年の自白した供述が、実際の事件と矛盾していたのです。そこで、レスター捜査官は、アレックス博士のDNA鑑定のその記事を見て、少年のDNAと被害者から出た犯人の痕跡のDNAを比べることを思いつきました。

そして、親子鑑定をした、ヒトのDNA研究の先駆者でもあるアレックス博士にその事件の捜査の協力を依頼しました。容疑者だった15歳の少年の血液を注射で採取して、少年の血液からDNAを調べたところ、犯人のDNA指紋は一致しませんでした。捜査は振り出しに戻りました。ベイカー捜査官は、さらにアレックス博士に依頼して、イギリスの中で決定権のある国の偉い政治家や、王室に許可をとり、(王室は大事なことを決めるのに上からの素早い影響を与えられるのだそうです。)事件現場から8キロ圏内のナーバローの地域で、居住したり働いている15歳から35歳の男性の任意血液採取の協力を求めました。少女達に残された、体液の量から、35歳までの男性と警察は推測したのです。レスター捜査官は、年齢も地域も対象を広げてでも徹底的に調べる気でいました。アレックス博士の協力のもと、国の研究検査機関も巻き込んで、ナーボローの3つの地域で世界初の血液のDNA分析鑑定捜査が始まりました。地元で説明会が行われ、約5000名近い男性の協力で、血液が集められました。(現在のように唾液での採取は技術的にできなかったか、その発想はまだなかったようです。)ベイカー捜査官は、5000人で足りなかったら州の該当年齢すべての男性27000人の血液を集めるつもりでした。しかし、結果がすぐに出なくて、その検査に批判が集まりはじめました。犯人がのこのこ血液検査を受けに来るかという問題があったのです。レスター捜査官は、犯人が血液検査を受けなかったり引っ越して逃げた場合は、引越し先に追いかけて行って血液を採取させてもらえるように、部下に指示しました。怪しい人は警察にしょっぴけるようにもしました。

  DNA鑑定捜査のない時代に、この捜査方法が批判された理由の一つにDNA解析が当時は、数ヶ月もかかり、なかなか犯人のDNAと一致するものが出てこない苛立ちが関係者の上層部にあったようです。しかし奇跡的に、あるパン工場の工員から血液鑑定を身代わりになった男から話を聞いた工員からのタレこみがあり、その工場の身代わりになった男性から事情聴取すると、男性の上司が自分の身代わりに血を提供してほしいと圧力をかけられたのでそれに応じたという事実が分かり、警察は、上司で、他の地域に引っ越そうとしていたコリン・ピックフォークという30代前半の男を逮捕して、DNA鑑定をしました。なんと、DNA型指紋は被害者の少女二人の体の中にあった体液のDNA型とピッタリ一致しました。

アレックス博士のDNA鑑定法の研究は、後の日本を含め、世界中の犯罪捜査方法を変えることになるました。これは、指の指紋の捜査方法の発見以来となる世界の犯罪捜査史上においての重大な貢献になりました。博士は1994年にイングランド女王からサー(岸の位の爵位)を受け、2012年に大学を退職しました

 詳しい話は、私も見ましたが、イギリスドラマ「コード・オブ・キラー」ーDNA型鑑定で犯人を追えーで見てください。次回にDNAの不思議についてまとめをしたいと思います。


不思議な話 その172 火星の不思議と 前回のまとめ

 前回の宇宙人の存在が公表されて、人類の未来がどうなるのか、というSF小説についてを書きましたが、実際にUFOの正体は、地球外生命体の宇宙船で、月の裏側にはたくさんのUFOがいますよと公表されたら、人類はどのように、反応するのでしょうか?

 『幼年期の終わり』というSF小説では、結論としては、不幸な結果になりました。宇宙人が古代から来ているとしたら、人類の文明がこれだけ続いているのだから、それを、破壊するために地球に来ているのではないと考える人達も多くいます。そして、、地球の文明を見守っているのだと考える人たちもいます。マヤ文明の末裔と言われる、アメリカインディアンのズニ族によれば、今も長老達は、宇宙人と交信しているのだそうです。彼らの説によると、「宇宙から来た人々は、我々ズニ族が、そして人類が悪いことをしないように見守り続けている。」と言っています。ズニ族の長老が言うには、ロズウェル事件のUFOの墜落は、当時1947年に、アメリカ政府機関がやっていた、原爆実験がズニ族の居留区近くで行われていたのを、監視するために飛んでいたものが、故障して墜落したのだ、ということです。

 そういえば、国際UFO会議というのが、定期的に開かれるそうですが、昨年2015年の12月に、ブルガリアの首都ソフィアというところで、開かれました。英国の『 Express』紙によると、「宇宙人がマヤ文明に関与していた」という発表がされたそうです。この会議では、世界中からUFO研究家が集まり、否定派も含めて、討論するそうです。UFO研究家が、宇宙人とマヤ文明が関係あるとする証拠として、マヤ文明の遺跡から発掘された身長130センチもない(現代の子供の身長で言うと8歳くらい)子供のミイラと見られていたものが、宇宙人のミイラであると発表しました。その理由としては、ミイラの目の大きさが人間の子どもと言うにはあまりにも大きすぎる、とか、耳が耳としての機能を持っていないなどがあげられるそうです。この会議の研究者は、「ロズウェル事件」で回収されたという宇宙人の死体とされるものとも比較したというのです。

その会議で、UFO研究家は、マヤ文明との宇宙人の交流だけでなく、古代エジプト文明と宇宙人との関わりにも言及しています。その証拠として、エジプトの壁画や、世界の古代文明遺跡の宇宙人の姿を描いたのではないかとしか思えない絵が壁画に描かれていたり、像に彫られていたりしていることが、挙げられています。ギザの大ピラミッドの建設にも、宇宙人が関わったのではないかという説があります。

 考古学者がギザの大ピラミッドのサーマルテスト(温度テスト)を行ったところ、他の石と表面温度が6度高かったそうです。石の温度差は、考えられないので、何らかのエネルギーが石に注入されているのではないかという、学者の意見があって、これから、さらに調べるそうです。

この会議とは別に、2011年に「ロズウェル事件」の6体の宇宙人の写っている写真が、初めて公開されました。ネットで見られますが私が見たところ、足の指は3本、手の指も人間より少ないようです。

  2014年の11月に行われた米国物理学会議、秋季年次総会で、プラズマ理論学者のジョン・ブランデンバーグ博士が、「火星の古代文明は、宇宙からの核攻撃、によって滅亡した」とする荒唐無稽にも思われる説を発表しました。そのニュースをイギリスの「デイリースター」が載せました。ブランデンバーグ博士は、『沈黙の惑星ー火星の死と地球の明日』という本も出していますが、この本の方は、SF小説よりも真実味には欠けているようです。宇宙人の攻撃かどうかは不明ですが、「火星の表面の土はウラン、トリウム、放射性カリウムなどの層で覆われ、これは、核爆発により、岩石などの破片が堆積して広がった。」と考えているようです。

  本当のところは証拠がないので、推論しか出来ませんね。ただ、ブランデンバーグ博士は、「火星の人面岩」に注目してそのまわりにシドニア地区とユートピア地区と研究者が名付けたところに文明があったと考えています。そして、「火星には、ギザのピラミッドと配置が完全に一致する、「火星の三大ピラミッド」があると言っています。アラビア語で、エジプトの「カイロ」は火星という意味があるので、関係があると考えています。

 どうして、この広い宇宙には、知的生命体のいる星がたくさんあるのに、人類が出会わないかという『フェルミのパラドックス』という問題には、ブランデンバーグ博士は、「宇宙人と接触イコール絶滅なのだ」と、過激な意見を出しています。

もう一つ火星に関して述べている人は、ロシアの少年です。ロシアのボリス・キプリャノヴィッチ少年(愛称はボリスカくんです。)、は1996年1月11日に生まれました。今は20歳くらいなので、もう少年ではないかもしれません。ジルノフスクという街に生まれて、生後4ヶ月で、簡単な単語を話し、8ヶ月目には、文章のロシア語を話しました。彼は2歳になると、火星についての話をしました。2歳では普通の子は、単語を数語話すのがやっとですね。ボリスカ君はロシアのプラウダ紙が彼のことを取り上げると、有名になりました。彼の言うことには、彼は前世(過去世)で貿易の仕事に就いていて、地球と火星を行ったり来たりしたと言っています。その年代は80万年くらい前で、彼の話によると、地球にはレムリア文明が栄えていたそうです地球に行くときは、車の運転のように彼自身が宇宙船を運転したそうです。太陽系内の長距離移動には、「ポータル」と呼ばれるワームホールで移動しています。レムリア大陸があったのは80万年前だそうです。彼によると、大変動で、レムリア大陸は海に沈んでしまったようです。

  レムリア人は身長9メートルの巨人だったとボリスカ君は述べています。火星では大気が薄く、地下で生活していたそうです。火星では核戦争があり、残った火星人は、今も地下で生活しているそうです。火星人は主に二酸化炭素を吸っていて、地球では生活できず、火星人の身長は7メートル、他の宇宙人のグレイの存在も知っていた。火星人はグレイよりも穏やかだったとボリスカ君は言っています。

  ボリスカ君は、エジプト文明の未来についても言っていて、スフィンクスの耳の後ろに隠された入り口があって、そこが見つかると、古代エジプト文明の高度な知識や技術が見つかると言っています。そういえば、エドガー・ケイシーもスフィンクスの足の下に入り口があって、中にアトランテイスの叡智が隠されていると言っていました。『神々の指紋』のジョージ・ハンコックさんもスフィンクスの後ろ足に秘密の部屋があると言っていたような気がします。

ボリスカ君の話が彼の想像上の産物なのか、親が教えたイメージなのか、彼の記憶なのかは、まだ、解明できないでしょう。これから、火星のロボットでの撮影や、探査がさらに進んだら何らかの答えがでるのでしょうか?

  次回はDNAの不思議について考えます。
 

不思議な話 その171 「地球幼年期の終わり」について 後編

アーサー・C・クラークのSF小説「地球幼年期の終わり」と2015年制作のそのドラマについて、後編です。あらすじの結末までのネタバレを含みます。

第2章は原作では、「黄金時代」ですが、ドラマでは、日本語訳は「偽りの日々」で、英語では「欺く人々」の意味です。原作では宇宙人の来訪から 、50年後なのですが、ドラマでは1章の主人公を活かしたいので、19年後になっています。2035年、カレルレンは預言者となって、オーバーロードと地球人との仲立ちをしたリッキーの仕事は終わったと告げてしばらく地球を離れます。リッキーはカレルレンの姿をガラス越しに写真にとって妻のエリーと見てその姿に驚愕します。

 カレルレンが地球を留守にしてから15年後、黒人の少年マイロは天体物理学者になります。15年後の世界はユートピアのような世界で、戦争も犯罪もなく、子供の出生率は上がり、飢えもなく不正もありません。オーバーロードを守護天使と呼んでいる人々は、この2章でカレルレンが姿を現すと、その悪魔のような姿に驚きます。けれども、人々はオーバーロードの管理下で、黄金期を迎えています。生活は進化して便利になり、芸術は衰退し、宗教も禅を除いて衰退します。

 後半は、ドラマと原作がやや違ったストーリーなので、ドラマを中心にしたすじを書きましょう。マイロとレイチェルはボイス博士が運営する研究所で働いています。マイロの担当する宇宙プロジェクトが終わりマイロは研究所を辞めてカレルレンのことやどこの星から来たか調査しようとします。マイロの勤めていたボイス博士の研究所では、電気的なウィージャーボードでひそかにカレルレンと連絡をとっていて、ボイス博士は要求された種の地球上の動物達を、カレルレンの希望で彼の母星に、仮死状態で送って、星についてから再生させています。

 カレルレンはリッキーと何年も連絡を取っていなかったのですが、急にリッキーを訪れます。そして、リッキーの病気について告げ、2番めの妻と、ある理由から、子供ができなくなるようにしたと告げます。リッキーは失望しますが、病気は細胞が変異を起こして、組織を部分的に再生する薬をカレルレンからもらいますが、病気を完全に治すことはできないと言われ、謝罪されます。

 場面が変わって、新しい人物達が登場します。グレグソン家では、夜中に突然宇宙船の光が差し込み、寝ている妻エイミーを妊娠させます。息子のトムもその光を浴びて、性格が変わったようになり、サイコキネシス(物体を動かす能力)を持ちます。息子の能力で壁にたたきつけられたエミーの夫でトムの父親のジェイクはトムを心配してカウンセラーの女性ペレッタを頼みます。

 ペレッタは熱心なキリスト教のカソリック信者で、オーバーロードが地球に来た時に、キリスト教の伝道師だった、彼女の母親が自殺してしまい、オーバーロード達、特に悪魔の姿をしたカレルレンを快く思っていませんでした。聖書にある、悪魔が預言者をそそのかしたり、世界を滅亡させたりする話を信じていました。心理カウンセラーのペレッタがトムにあってカウンセリングをしていると、トムが胎児の声を聞いてパニックになり、ペレッタの十字架のペンダントをサイコキネシスでぐちゃぐちゃにしてしまいます。

 十字架を壊されたペレッタは、預言者の住んでいるリッキー・ストルムグレンの農場に行き、妻のエリーと親しくなります。天文学者のマイロは、研究所の日系人の女性レイチェルと恋人になり、カレルレンのことを探っていくうちに、模様のようなものが文字であったことに気が付き、ある記号が星座を表わしているのに気付き、それが亜光速で、80光年かかるりゅうこつ座が、カレルレンの母星であると分かります。

ボイス博士は、研究所での偽の仕事をでっち上げて、カレルレンの指示で、グレグソン一家をあるパーティに招きます。カレルレンはそこで、妊娠しているエイミーをウイジャーボードの装置のところに連れて行き、その胎児と会話をして、赤ん坊を目覚めさせます。マイロとレイチェルは、カレルレンとは何かということを考えていくうちに、古代からオーバーロードは地球に来ていて、先祖は彼らの姿を悪魔として残したのだと気付きます。マイロはこれからどうなっていくか知りたいと、そして、カレルレンの星に行きたいとレイチェルに言います。

 病気がひどくなったリッキーのところに再びカレルレンが来ますが、妻のエリーも、その場所に居合わせて、そこにペレッタも来ます。ペレッタはカレルレンがリッキー達に嘘をついていると責め、子供ができなかったのは、カレルレンのせいだと知ります。エリーは怒ってライフルでカレルレンを撃とうとしますが、思いとどまります。それを見たペレッタがライフルを取って、「嘘つき」と叫びながら、カレルレンを撃ちます。カレルレンは死にそうになりますが、リッキーが傷を治すためにカレルレンからもらった薬を迷わず彼に打って傷が瞬時に治り、カレルレンの命を助けます。ペレッタはカレルレンから、宗教はもはや意味がないのを知っているだろうと言われ、絶望して、幻覚を見て、窓から身を投げてしまいます。それと同時期にエイミーは子供を出産します。

 第3章は原作では、「最後の世代」で、ドラマでは「子どもたち」という題です。4年後、地球の子供たちは、超常的な能力を持ち、進化した新バージョンになり、世界中のどの子供も、栄養価の高い食事とストレスのない生活でかつてないほど皆、健康になりました。父親のジェフリー・グレグソンはジェニファーの他の子供達への影響力を受けるのや、注目を避けようとして、またカレルレンの影響も少ないニューアテネという自由都市へ移住することにしました。リッキーは、カレルレンからいろいろ慰めを受けますが、病状が悪化して亡くなります。カレルレンは地球の皆に、「すべての今いる子どもたちは集められて進化するだろうといいます。しかし、今後の子供は生まれることなく、大人は好きな様に残りの人生を生きられる。」と宣言します。世界中の子供達が、ジェニファーの号令のもと生きたまま、空に上がっていき、その上には巨大な母船が待っています。子どもたちの移動の時が来ました。トムは両親に「さよなら」を言う時間をもらいました。世界中の親が子供を失って嘆きました。このために、カレルレンは友達のリッキーに子供が出来ないようにしたのでした。

 ニューアテネの市長は絶望して、核爆弾で、ニューアテネを爆破しようとします。マイロは動物を仮死状態にして星まで運ぶ宇宙船に密航して、りゅうこつ座のオーバーロードの母星に着き、オーバーロードが仕える、その上位の「オーバーマインド」を垣間見ることができました。マイロは、カルレラン達に見つかり、ここで一緒にいるか、地球の最後を見るかと聞かれた時、マイロは地球にもどって、地球と運命をともにしたいといいます。人類の子供は進化して、オーバーマインドに加われるが、オーバーロードは人間のように進化できないので、オーバーマインドにはなれないと、マイロに言います。マイロが地球を出て85年がすぎ、もう誰もいなくなった地球で、マイロは地球の最後をカレルレン達に、実況中継します。そして、地球の素晴らしい文化を映像として残して欲しいと頼みます。レイチェルは亡くなってから、カレルレンが冷凍していたのですが、マイロは恋人がそんな姿になっているのを、辛く思い、彼女のつけていた「心」と日本語で書かれたペンダントを引きちぎると彼女の遺体は粉々になりました。

 地球はジェニファーの超能力によって、燃え上がって消えてしまいました。


 原作と細かいところは相違もありますが、原作の意図を組んでありよく出来たドラマだと思います。原作の出来た1953年(今から63年前)にこのような優れたSFが書かれたのは凄いと思います。当時から最近まで、映像化は不可能といわれていましたが、CGの効果が発達した現代だから、映像化出来たのでしょう。またキリスト教との関わりも深く、逆にキリスト教を否定しているように見えたり、悪魔が上主の召使であるという設定は、50年代のキリスト教徒からは反発をうけたかもしれません。子どもたちが肉体ごと天にあがる姿はキリスト教の終末思想の携挙のようです。人類の終末に立ち会う悪魔という設定も、キリスト教の終末思想に影響されているようです。古代からの神話、伝説類の話も、人類の未来の記憶から生まれたものだというクラークの考え方は面白いと思います。魂についてはこの作品の中では誤解を受けやすいので触れていません。

 オーバーロードのカレルレンは、「自分はさらに上のオーバーマインドの召使にしか過ぎない」と言っています。「自分たちは何物をも生み出すこともなく、地球人のように生死を繰り返さない。生の中に何かを得ることもないので、人間が羨ましい」とも言っています。また、カレルレンは「人類は飢えや自然の災害を科学力で克服して来たが、科学が発達し過ぎると止めようがなくなるので、今は人類には科学は必要ないのだ、科学がこれ以上進むと、非常に危険なことが起こる。」と言っています。だから、地球がオーバーマインドから、これを神というのか宇宙の意志というのかわかりませんが・・・地球を終わりにさせられる原因だったのか、その意図は、原作でもドラマでもはっきりしていないようです。その時期だったのか、人間が、戦争を止めないからなのか、科学が発達しすぎて宇宙の脅威になるからなのか、その理由はいろいろ想像できるし、考えさせられたほうが作品として奥行きが深いのかもしれません。

 この作品は、後の文学や「インデペンデントデイ」などの多くの映画に影響を与えました。また、神秘主義の人々の思想にも影響を与えたかもしれません。クラークのファンの間ではこの「地球幼年期の終わり」が彼の最高傑作だという人が多いということです。

 次回も面白いテーマを書きましょう。

 

不思議な話 その170 「地球幼年期の終わり」について

今回は、アーサー・C・クラークの小説『地球幼年期の終わり』というSF小説で、1953年に書かれたのですが、映像化が不可能と言われていたのが、昨年2015年にミニシリーズドラマで見事に映像化されました。その物語について書きますね。結末にネタバレも入っています。

  宇宙物理学者のステーィブン・ホーキング博士は、AIなど未来の科学についてのコメントが多いですが、彼は地球外の生命体についてこう言っています。「自分は地球外生命体とのコンタクトを恐れている。宇宙人生命体が地球を征服して植民地化しようとするかもしれない。」と警告を発しています。さらに、「宇宙人生命体が地球を訪ねてきたらどうなるか、コロンブスのアメリカ大陸上陸とほぼ同じ事になるだろう。あれは、アメリカ先住民にとって不幸なことになった。」とデスカバリーチャンネルで述べています。

 話を『地球幼年期の終わり』にもどしますと、作者は『2001年宇宙がの旅』(スペースオデッセイ)の作者、アーサー・C・クラークです。彼は1917年にイギリスで生まれました。1970年代までのSF作家の中で、彼は、アイザック・アシモフ、ローバート・A・ハインラインと並んでSF作家のビック3と言われていました。彼のテーマは「人類の宇宙的進化」で、哲学的な内容になっています。『2001年宇宙の旅』での進化を促すモノリスなどが、有名です。彼は8年前の2008年にスリランカで90歳で亡くなっています。

   彼は、少年時代は、天体観測が趣味で、SF小説に熱中していたそうです。好きこそものの上手なれ、で未来の小説のヒントを得ていたかもしれませんね。1934年に英国惑星間協会に入会し、活動しました。1946年には会長になっています。第2次世界対戦中は、彼は、イギリスの空軍で、レーダー技師をしていました。1945年には、人工衛星による通信システムを提案しました。戦後1956年から39歳でインドの南のスリランカ」に移住しました。そこで、亡くなるまで住んで、いろいろな作品を書きあげました。1998年にエリザベス女王よりナイトの称号を授与されました。

  私は、この小説を最初に、学生時代に読みましたが、難しかったので、意味を考えないままに、読み流してしまったような気がします。

  アメリカのドラマで昨年に作られ、日本ではAXNで、このゴールデンウィークに放送しました。ドラマを見たばかりですが、あらすじを書いて、感想を書きましょう。原作と違っている部分があるかもしれません。ドラマも小説と同じく3部構成になっています。

小説の舞台は20世紀後半ですが、ドラマは、スマホのある現在です第1部は「オーバーロード」という題です。最初の導入部はマイロという黒人の男性が、廃墟でロボットカメラに向かって話をしている場面から始まります。彼はロボットに向かって、「私は地球上で最後の生き残りだ。」ということを言っていました。

 一方、場面が変わって、アメリカのミーズリーの片田舎で農業をしているリチャード・ストルムグレン(リッキー)は、宇宙人との第3種接近遭遇をします。(小説では国際連合事務総長)世界の大都市では、巨大なUFOの母船が空中に現れ、人間の作った飛行物はすべて、空を飛ぶ羽のようにゆっくりと地上におろされます。農夫のリチャードはリッキーとも呼ばれ、70億人の人類の中で、カレルレンという謎の宇宙人にただ一人選ばれて、預言者とよばれ、宇宙人と地球人の間の橋渡しをします。世界各地の一般の人たちには、最も愛してなくなってしまった人が、写真から抜け出て、「私はカレルレンで、地球に平和をもたらすために来たから、恐れることはない。この世界から不正や戦争を無くしてあげよう。黄金時代を築きなさい。」といいます。リッキーの最初の妻は、癌でなくなりました。その妻の姿でカレルレンからのメッセージを
リッキーに伝えます。そして、小型のUFOが来て彼をのせて飛び立ちますが、UFOの中は亡くなった妻との新婚の時に泊まった高級ホテルと全く同じ作りです。彼は思い出の中の部屋で、カレルレンに、人類との仲立ちを頼まれます。

新聞記者兼社長は、宇宙人を疑います。そして、宇宙人を「オーバーロード」と皮肉を込めて名づけます。小説では「上主」と訳してあるものと「上帝」と呼んだ訳があるようです。また、キリスト教の信仰のあるカウンセラーで、教会活動をしている女性は、母親が宇宙人の来訪によってキリスト教が否定されたと入って自殺してしまったので、宇宙人を恨んでいます。この小説を読むにはキリスト教のバックグランドの知識がないと、理解しづらいかもしれません。

  農夫のストルムグレンは地球人の中で、ただ一人、宇宙船の中に入れました。オーバーロードは主人公と一緒に対話をします。オーバーロードは彼の記憶を操作します。リッキーは宇宙人の姿を見せてもらうように再三要求するのですが、まだ時期ではないと姿を見せることは、断られます。15年後に皆の前に姿をあらわすという約束で、リッキーの任務は完了します。最後にカレルレンの姿をガラス越しに写真に取りますが、その姿を婚約者には見せられても、一般公開するには衝撃が強すぎて、写真を公開することができませんでした。その姿は、キリスト今日の信仰のなかにある、悪魔と同じ姿でした。角があって、ひづめがあって、コウモリのような羽を持ち目は蛇のようで、赤い体をしていました。

カレルレンとリッキーの友情は悪魔のような姿を見ても変わりませんでした。宇宙人カレルレンと人間の仲介をして、19年がたちオーバーロードがTVでその姿を一般に見せる日がきました。

  続きは次回に。
 
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観音寺りえ

Author:観音寺りえ
アトラス研究所の観音寺りえです。

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住所: 東京都文京区千石4-37-10 
TEL: 03-3942-1341
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