不思議な話 その191 生態系の破壊を食い止めよう「The 11th Hour 」(2)

環境問題に取り組んでいるレオナルド・ディカプリオは、ディカプリオ財団を作って、自分の財を環境保護に寄付しているようです。映画「 The 11th Hour 」の話の続きです。映画の中でディカプリオは「我々は知らないうちに、最大の問題を作り出してきた。それは気候変動で、大量のCO2を大気や水に垂れ流したらどうなるだろう。人間の行動が、大気中の化学組成を変え、気温を上昇させたら、ここ数年、有史以来の最高の平均気温が記録されている。2~3℃は大したことないと思うかもしれないが、しかし、数度の上昇で、最後の氷河期が終わった。ほんの数度の差が壊滅的な気候の変動を引き起こすかもしれない。」と言っています。

ホーキング博士も「人間活動の影響で、最も深刻なのは、地球温暖化だ。化石燃料を燃やしたCO2の増加で起こる危険は、気温の上昇が負の循環を引き起こすことだ。干ばつや森林破壊は、CO2の再循環を阻害する。海水温度の上昇は、海底に溜まっている。CO2の大量放出を引き起こす。北極と南極の氷の融解は太陽エネルギーが氷に反射して、宇宙に逃げる量をへらしている。温暖化はどこまですすむのか?最悪のシナリオは地球が金星に似た惑星になることだ。平均気温が、250℃で、硫酸の雨が降る。そんな環境では、人間は生きられない。」と言っています。

「地球の温度が10℃上昇すると、温室効果の影響が出来、それに海水蒸発が加わると、海水中のCO2、メタンなどが空中に出て、温室効果ガスが熱を蓄える。人間は車の排気管から、また下水から廃棄物を排出して、温室効果ガスの量を増やしている。中身はCO2、メタン、フロンなど。それらが余計な熱を蓄える。人類は、CO2を35%、メタンを150%増加させ、新しいガスも発生させ、地球を温めてしまった。これが、地球温暖化である。現在だけでなく、未来も問題なのだ。人間社会は活動を加速させている。記録によれば、過去65万年間、温室効果ガス、特にCO2は産業革命前まで、280PPMを超えなかった。現在は400PPMを超え、科学者が転換点と呼んでいる数値になりつつある。それを超えると、制御不能になる。地球の気温が、0.7℃上昇し、仮に我々がCO2の排出量を今と同程度に抑えても、今後0.5℃上昇するだろう。北極の氷は、20%溶けてしまった。ハリケーンや台風の回転速度や、持続時間も50%アップしている。ツンドラの永久凍土もとけ始めている。おそらく、今後20~30年で北極海は完全に氷のない海になるだろう。」とステファン・スナイダー博士は話しています。

気候変動は地球規模の水循環に影響しています。気候変動は、食糧や水の安全に対する脅威海水面の上昇や、嵐、ハリケーン、台風などの脅威になっているそうです。10メートルの海面上昇で、家を失う人数は、国連の予測では、21世紀中頃までに、1億5000万人と言われています。

再び映画でのディカプリオの意見です。「地球温暖化は、自分にとって大きな関心ごとだ。CO2は大気だけでなく、海中にも蓄積している。時とともに、森林破壊や土壌侵食、砂漠化、多くの問題が深刻化してきた。今、重大な危機が起こり、どれもが、人間を含む全ての生命に直結している。今、地球の生態系が加速度的に衰えつつある。生態系の範疇は、サンゴ礁や、気候の安定性、森林破壊、海洋、土壌の状態、種の多様性、一つとして、安定し改善のみえるものはない。生態系こそあらゆる生命の基盤だ。化学肥料や農薬がアメリカの中西部でまかれたとしても、ミシシッピ川の1750キロ先の海に流れ、海が死ぬ。大気汚染のない場所はない。大気汚染がもたらすものは、頭痛、眠気、倦怠感、喘息の悪化などだ。30%のこどもがぜんそくだという。(アメリカの統計。日本でも何らかのアレルギー、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、鼻炎、食物アレルギー、花粉症を持っている人は大人、子供にかかわらず、半数以上だと思います。)人はあまりにも海の生物を取りすぎ、有害物質をまきすぎる。何万トンの廃棄物が海に捨てられる。化学物質、ベンゼン、プラスチック。それらは、癌や早死にをまねく。自閉症、ADHD、小児がん、小児糖尿病、パーキンソン病、アルツハイマー病、不妊症など、母親の胎内の汚染も原因と考えられる。公害汚染のもっともひどい地域は、最も有毒な汚染源をかかえている。食糧は憂慮すべきほどに汚染されている。安全性は低下、海水は泳ぐには危険なほどに汚染されている。(アメリカでのことだと思うのですが・・・)原生林が消失した割合は最近までで、世界の70%、アメリカでは95%の原生林が失われた。森林は伐採されると、もとの原生林に戻すことは出来ない。熱帯雨林は伐採されると、草も生えない。乾燥して森の栄養がなくなる。砂漠化は森林だったところでも起きている。地球の地表のうち、30%以上の土地が深刻な劣化というカテゴリーに入っている。土地は、石油と同じく再生不能だ。森林の木を1本伐採しても、洪水が起き、土地が侵食されるかもしれない。地域の給水量から5万7千ガロン失われ、それが川を伝ってどっと流れ、流域に被害を与えるかもしれない。海の健康のよりどころは、海水の循環だ。海面の水が沈んで、海底の水が表面に上がって、浄化される。その流れを止めてしまう可能性がある。」

私の感想では、友人が北関東の交通が少し不便な所で、やや広い所で家庭菜園をしているのですが、まわりはプロの農家さんの畑です。友人は自分が食べる分だけの野菜なので、農薬も化学肥料も一切使っていません。まわりの広大な畑は時期になると、ドラム缶何本もの農薬をまいているようです。話を聞くと、30坪ほどの友人の畑に蝶が来るのですが、農薬をまいた畑には寄り付かないそうです。虫も害があるのを知って卵も産まないし、寄り付かないのかもしれません。受粉してくれる蜂も、農薬をまかれると帰巣本能が壊れてしまうこともあるようです。日本は世界で有数の農薬を使う国になってしまっています。長年農薬を使うと土地が疲れて回復力が落ちてしまいます。農薬をやめて昔の土地に戻すことを提案したいくらいです。有機農法や無農薬農法の農業の農作物を買って応援してあげることもささやかな環境保護につながるかもしれません。友人の畑もミミズがいなかったそうですが、数年朽葉や石灰等で土地作りをしたら、ミミズが出るようになりました。ミミズは土壌を浄化して豊かにしてくれます。農薬や除草剤や化学肥料をまくとミミズは住めません。道路の脇の土地には農薬をまかないので時々ミミズを見ます。ミミズは畑にいるべきです。

次回この映画のお話のまとめをしましょう。


スポンサーサイト

不思議な話 その190 生態系の破壊を食い止めよう 映画「The 11th Hour」

最近のニュースで、海の気温が高くなりすぎて、日本の南の海のサンゴが白化(サンゴが死んで白くなってしまうこと)していると読みました。この前の冬はエルニーニョ現象で暖かく冬らしくなかったようです。この夏はそれと対になったラニーニャ現象で、海水温が異常に暖かく、台風の発生数が異常に多いようで、その進路も従来の動きと違うのが不気味ですね。

今年のアカデミー賞で、俳優のレオナルド・ディカプリオさんが、名演技がやっと認められて「レベナント」で主演男優賞をとることができました。彼は環境保護活動家としても有名で、少し前の映画ですが、アメリカ2007年8月、日本2008年6月公開の「The 11th Hour」(ザ・イレブンス・アワー)を話に取り上げてみます。ディカプリオさんは、水を無駄遣いしないために、お風呂やシャワーを頻繁にしないとか、悪口もいわれましたが、ハイブリッド車に乗ったり、家にソーラーパネルを取り付けて、太陽光発電で暮らしたりしています。彼が制作、出演をしている映画を私も遅まきながら最近見ました。ご存知の方、見られた方も多いと思います。

映画のタイトル11th Hour とは、世界を変えることの出来る最後の瞬間という意味です。12時になって変化する直前の11時59分59秒のことです。ディカプリオさんが、映画のナビゲーターとなって、50人以上の世界で活躍している(アメリカ人が多いですが)専門家や有名人が地球環境問題について意見を述べます。

その内容を少し書いてみましょう。まず、前半は絶滅していく動物や植物、水が枯れていく湖、地球温暖化によって急激に溶けている北極の氷などが、映像で紹介されます。そして場面の間に各方面の識者による短いコメントが入ります。「地球の生き物は危機に陥っている。今が重要な局面で、人類は地球のリーダーとして誤った方向に進んでいる。人は自らの手で、人類を誕生させてくれた生態系を破壊している」と識者が述べています。デイカプリオ(敬称略)は映画の最初に、「この映画は、各分野の前線に立つ専門家に依頼して最大の難問に挑んでいる。如何に人が環境破壊をして、それに気づき、如何に持続可能な未来を作り出すか」ということが、テーマだと語っています。さらに、「地球破壊の原因は何だろう。それは文明を産んだ人類の英知が原因ともなる。人類の知と技術の急激な進歩が、人類の故郷地球に甚大な影響を与えている。生態が受ける被害は、あまり報道されていないが、されても、個別の報道になる。その個々の報道をつなげると、壮大な問題が見えてくる。」と言っています。

確かに、海水温が上がりサンゴが死ぬとか、赤潮が増える、とか、魚の回遊する道が変わったとか、魚が大量死しているという個々の報道をつなげていくと、ただならぬ現状が見えてきます。気候も「観測史上最大の」という言葉が増えてきています。

宇宙物理学者のホーキング博士は、映画の最初のほうで、「地球の生物が生きるためには、諸条件が一定の範囲で整う必要がある。自然環境もその1つである。たとえば、水は適切な気温と気圧でのみ保たれる。」と言っています。飲み水が無くなったら、人は生き続けることはできません。

作家で環境活動家のポール・ホーケンという人は、人体の100兆個の細胞のうち、90%の細胞は、人の細胞でなく、菌類や細菌や微生物の細胞だと言っています。さらに、「40億年前、地球に1個の細胞が発生し、その1個の細胞が持つ遺伝子暗号を、地球上のすべての生物が所有している。人体は地球の生物そのものであり、起源は40億年前に発生した1個の細胞だ。」と考えています。これが正しいかどうかの証明は難しいかもしれませんが、人間は特別なのではなく同じ細胞をもとに分岐した、生物のひとつに過ぎないという考えがよくわかります。

日系アメリカ人の科学者で、環境問題専門家のディビット・スズキ氏は「人間はその知力のせいで、自然界からはみ出してしまった。悲劇なのは、知力こそ人類生存の鍵だという点だ。15万年前アフリカで人類の祖先が出現した。当時、平原にいた他の動物に比べ、強くもなく数も少なくて、体格も小さかった。特殊な感覚が備わっているからこそ、その人類の生き残りの鍵は頭脳だった。人間は未来という概念を生み出し、そのため、地球上で、唯一現在の行動は、未来に影響すると認知できる動物だ。我々は先を見通し、チャンスや危険を察知して、生き残るための選択をする。それは人類の偉大な生存戦略だった。我々は、人工的な管理下にあるために、自然に対して人間だけ特別だと考えがちだ。人間は、経済に集中するあまり、自然との共存を忘れた。」と環境破壊の原因を述べています。

この自然界との共存ということに関してのスズキ氏の意見に対して、ナビゲーターは、「人間の地球に与える影響は、前世紀(20世紀)劇的に増加した。一つの要素が人間を特に破壊的にした。人間の文明と自然界との分断が進み、気候や全てのシステムに広範なダメージを与えた。人間も自然界の一部だ。自然界は人間の文化に反すると人は考える。(わずか200年前の)産業革命が、持続可能なエネルギーの循環サイクルを壊した。人間は太陽光を頼って生き延びて来た。15万年前からつい200年ほど前までは、人間は太陽光に頼ってきたのに、人口は130年で10億人まで、急激に増え、食糧や衣料の大量供給や便利な移動手段によって、3~4億年前に蓄えられた太陽光の恩恵(石油や天然ガス)を急激に消費し始めた。もし昔のようなやり方のまま、今のような技術もなく、自然と太陽光エネルギーだけに頼る生活をしていたら、地球上には、最大でも10億人しか生存できなかっただろう。」とデカプリオは言っています。(現在の人口は73億人くらいとされ、いまでも増え続け、2050年代は96億人まで行くかもしれない、と言われています。)

次に、数回にわたってこの環境問題について書いてみましょう。

不思議な話 その189 人間の限界寿命(2)

前回の続き、人間の限界寿命についてです。前回書いたケンブリッジ大学の遺伝学者オーブリー・デ・グレイ博士によれば、これから先人間の寿命は1000歳までも可能であるという説(あくまで理論上ですが)を出しています。彼は「老化は、身体的現象の一つにすぎないので、今日解明された多くの疾患のように、その原因を突き止めることで老化を阻止することが出来るんです。我々が現在取り組んでいるSENS( Strategies for Engineered Negligible Senescence )計画は、この老化防止実現に、かなり近いところまできています。これは単なるアイディアではありません。人間の身体にある全ての細胞と分子のダメージを修復するべく、非常に綿密に計画されたものです。また、ここで使われる技術は、我々ですでに用いられている技術、あるいは臨床試験中の技術を単に組み合わせて行うものです。従って、今後20年で、寿命をのばす技術が動物実験から人間に適用できるようになり、その技術が完成すれば、我々はもはや老化による老衰や虚弱、そしてそれらに起因する疾病を恐れることはなくなるわけです。もちろんこうした技術が完成した後も、我々は不死になるわけではありません。それはたとえば、交通事故や、毒蛇に噛まれた時、新種の悪性インフルエンザにかかった時、我々はこれまで通り死ぬでしょう。しかし我々すべてを待ち受ける死因の一つ、老衰は避けられるようになるわけです。また、この技術は、現在生きている我々の世代に適用することが可能だと考えています。」と言っています。

さらに、「人の寿命は様々ですが、現在一般的には、だいたい65歳から90歳くらいの間に死亡しています。人は年齢を重ねるうちに、虚弱になるからです。しかし、今後、人の平均寿命は、だいたい数千年単位の範囲になるでしょう。これはもちろん推測値にすぎませんが、この数値は現在の若年死亡者からの平均寿命から導かれたものです。例えば、現在あなたが安全な地域で暮らしている十代の少年であるとした場合、翌年死ぬ可能性は非常に低い。従ってその場所で生き続ける限りは50:50の可能性で千年以上生きることができるようになるわけです。そして、ここで重要なのは、そうなった場合、誰しもが老いによる虚弱や衰弱を恐れなくなるということです。誰もが精神的に、肉体的に若いため、あなたが気をつけるべきなのは、交通事故などの事故になります。」とグレイ博士は言っています。

抗老化の是非については、「もし、我々の技術が完成し、実際に老化が防止されるようになれば、大きな社会的変化が起こるでしょう。事実我々が行う研究に対して、おそれを抱き、人間の自然の摂理に逆らうべきではないと主張する人々も少なからず存在します。しかし、私に言わせればそれこそ、悪徳であると思います。そうした主張は、すなわち、我々は生きる権利を否定すべきといっているようなものです。確かに、人が生きること、死ぬことを選ぶのは、人間に与えられた最も基本的な権利です。しかしその一方で、我々の力の及ぶ限り、人々がより良く生きるチャンスを与えることは、我々の最も基本的な義務の一つともいえます。例えば、人を延命すること、そして、命を救うことの間には違いはありません。なぜなら、それはどちらとも、我々が彼らに対して、より長く生きる権利を与えることに他ならないからです。そしてこの理屈でいえば、抗老化を行うことを否定するのは、そのまま、老人を延命することに価値はない、というのと一緒で、高齢者差別とさえいえるでしょう。」とグレイ博士は考えを述べています。

長生きの技術を向上させることは、科学の分野では、輝かしい業績になると思います。しかし、私が考えるに、寿命が伸びることがイコール、社会がユートピアの理想の世界に近づくとは思えません。仮に人間の限界寿命が3倍の300歳になるとすると、地球上の総人口がさらに倍々になります。食料問題もさらに深刻になるかもしれません。貧富の差がさらに進むかもしれないのです。寿命を延ばすサービスは、無料ではないとしたら、金持ちは平均寿命が300歳で、貧乏人は50歳ということが起こるかもしれません。「タイム」という題の面白いSF映画がありましたが、寿命の長さを国がコントロールして、人口の調整をし、労働者階級の貧乏人は、30歳や40歳で寿命を取られ、金持ちは若い体のままで、病気もせずに300歳、500歳と生きていくという設定でした。すべての人の腕に寿命のコントロール機が埋め込まれています。給料や食料や生活コストは寿命で精算され、寿命がお金と同じようになっています。貧しい人たちは、寿命まで搾取されるという話で、お金持ちの若い女性と、寿命の短い貧しい青年の恋の話で、二人は、お互いのために、みんなのために、寿命銀行を襲って、寿命を盗み、貧しい人々に分け与えます。

経済的にも寿命が長くなりすぎると破綻が起こるかもしれません。哲学的な側面からも、なぜ長い寿命を人は生きるのだろうということが重大なテーマになるかもしれませんし、退屈な日々が続くので、逆に哲学は発達するという矛盾も起こるかもしれません。

経済の側面に戻ると、150歳や200歳を過ぎた老人がいつまでも、若々しく、仕事を続けていると、後から来た若い人々に新しい仕事はなくなるかもしれません。後進に社会での道をゆずる謙虚さもなくなるかもしれません。権力者は半永久的に権力を維持しようとするかもしれませんし、家族の中でも何世代もが同時に生き続け、財産の移転もなく、やはり、貧富の差が著しく広がることもあるでしょう。

寿命の1000歳は今は架空の話、理屈の上での話としても、医療技術の進歩、再生医療(IPS細胞を使い、自分の臓器や組織の一部を新しいものに取り替えて延命すること )は可能になると思います。次第に、人間の限界寿命もじわじわと伸びていくでしょう。けれども、今の段階では、人間の限界寿命は、多くの研究者は120歳と言っています。たしか、現在の最高齢はフランス人の女性が122歳ということらしいです。この記録は塗りかえられるかもしれません。多くの研究者が120歳くらいと言っている理由は、細胞内の体内の時計のようなテロメアが原因で、細胞分裂の回数が決まっているからということが、まず挙げられます。テロメアは分裂するたびに少しずつ短くなるそうです。いつかは分裂不可能な長さになりますが、それが、50回程度で、年齢でいうと120歳になるのだそうです。それと、脳の寿命の120歳限界説というのもあります。

ただ、最近の研究で、テロメアの長さを延ばすことが出来る「テロメラーゼ」を作り出す遺伝子が見つかったということなので、これを使って、人間の限界寿命を飛躍的に延ばすことが可能になるのは、確実なのかもしれません。がん細胞はこのテロメアが短くならないので無限に増殖できるそうですが、このテロメアの秘密をさぐり、コントロールすることが出来れば、癌の撲滅と限界寿命の飛躍的延長という、二つの未来への宝物を人類は手に入れることができます。しかし、今の人間の社会がそれを正しく仕えるような準備ができているのだろうかと疑問に思います。映画「タイム」のような世界にならなければいいですが・・・

次回にまた、新しいテーマをさがしましょう。
 

 不思議な話 その188 人間の限界寿命

寿命の話の前に、AFP=時事で、ロシアの電波望遠鏡が今年2016年8月にロシアの電波望遠鏡が、宇宙から「強い信号を検知したことが、明らかになりました。このニュースは深宇宙探査研究に関する情報を発信するウェブサイト「ケンタウリ・ドリームス」が、イタリア人天文学者のクラウディオ・マッコーネ氏のプレゼンテーションとして伝えました。この信号は、地球から約95光年離れた恒星(別の太陽)HD164595の方向から届いたとされています。この星は少なくとも1つの惑星を持つことが知られていて、惑星の数は2つ以上ある可能性もあるそうです。

ロシアのゼレンチュクスカヤにある電波望遠鏡600によるこの観測結果は、実際に検知されたのは、昨年の2015年だということです。専門家はこの信号について、その意味や発信元の正確な位置を解明するのは、まだ、相当時間がかかるといっています。でも、この発見は、来年のメキシコ・グアダハラで開催される第67回国際会議で議題としてとりあげられる予定だそうです。これは、知的生命体からの信号なのでしょうか?分析が待たれますね。

さて、本日のテーマですが、現在の人間の限界寿命は120歳くらいと言われています。どうして120歳前後が限界なのでしょうか?前にあげたように人間より長寿な動物はかなりの数にのぼります。

これに対して極端な意見をのべる学者がいます。BBCで紹介されたケンブリッジ大学遺伝学者のオーブリー・デ・グレイ博士によれば、これから先人間の寿命は1000歳をこえるというのですが・・・
グレイ博士は生物医学の勉強は一切していません。もとは、コンピューター工学者で、奥さんの勤めていた遺伝学研究室のコンピュータープログラマーでした。彼は1985年にコンピューター・サイエンスの博士号を取得して、1991年にその奥さんと結婚し、ショウジョウバエの遺伝子研究のデータベース管理を続けていましたが、妻の研究に大きな関心を持ち、独学で老年学の研究論文を読みまくったそうです。そして、グレイ氏は「これまでの研究者達は、皆、最も重要な問題を見落としている」と思いました。つまり、老年学の研究者達は、専門バカ?のように各々勝手に研究を進め、他の分野と協力しようとしないで、孤立的な研究をしているので、成果がでないと考えました。グレイ氏が世に出した論文は、ミトコンドリアがなぜ老化とともに悪化するか?という問題をこれまでの既存の説と全く異なる工学者の視点から論じました。ケンブリッジ大学は、その研究功績を認め、論文を学会誌に掲載し、生物学の学位のないグレイ氏に、生物の博士号を授与しました。さすが、イギリスの名門大学です。優れたものには、惜しみなく賞賛します。日本の大学では、異分野の者が入ってきただけでも、排斥することが多いのではないでしょうか?まず、生物学の学位を大学で取り直してから、この分野の研究をしなさいという保守的なところが多いのではないでしょうか?

さらにおもしろいのは、グレイ氏が博士号をとっても、そのままコンピューターの管理者として、雇われながら、仕事をすませた、15時間くらいを、独自の抗老化技術の開発にあてているのだそうです。彼は本当に興味のあることを趣味のように研究しているのですね。
彼は人のためにもなる研究なのだと考えたのでしょう。彼はこう言っています。「この研究を始めたのは、老化が人間にとって最大の問題だと考えたからです。生物学は老化をスローダウンさせることを目指しますが、それでは老化を止めたことにはなりません。私は、老化によるダメージを回復させるべきだと考えました。それにより、人間の寿命は飛躍的にのばすことが可能だと考えます。」

寿命を延ばすためにグレイ氏が考えたことは、「人間が老化するのは、体にたまるゴミ(老廃物)が原因で、だから古い自動車のサビを取り、壊れた部品を交換するように、たまったゴミを取り除けば、老化を防ぐことが出来る」ということでした。グレイ氏の『老化を止める7つの科学ーエンド・エイジング宣言』 (2008年 NHK出版 )であげられた長寿の邪魔をする原因は、1.組織の変化、
 2.細胞内にあるミトコンドリアの突然変異、  3.細胞内にたまるゴミ、 4.細胞の外にたまるゴミ、  5.衰えて機能しない細胞、  6.死んだ細胞からの毒素、  7.細胞核の突然変異・・・癌
彼はこの7つについて、「この中で特に鍵をにぎるのは、ミトコンドリアの突然変異をどう解決するのかということでした。これは30年に渡って多くの研究者が断念した難問で、本を出した時点でも成果が現れていませんでしたが、現在は成功のメドがたっています。動脈硬化の原因となる細菌を見つけ、その撃退に成功したことが、大きな足がかりになりました。」と言っています。

グレイ氏は、ネズミを延命させる事を競い合うメトセラマウス賞を主催しています。「メトセラ」とは聖書に登場する969歳まで生きたノアの洪水以前のユダヤ族長の名前なのだそうです。グレイ氏は今後10年はネズミに対して若返りの実験を行い、そして、その次の10年間で、その若返りが人間にも適用することが、可能になるだろうと見ています。そして、人間の寿命を飛躍的に延ばせるだろうと、考えているのです。

後半は次回に書きましょう。


プロフィール

観音寺りえ

Author:観音寺りえ
アトラス研究所の観音寺りえです。

鑑定とカウンセリングご希望
の方は当研究所 
住所: 東京都文京区千石4-37-10 
TEL: 03-3942-1341
まで。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード