認知症の予防と対策・アドラー心理学まとめ

 今日はアドラーの心理学の補足とまとめをします。その前に前回から引き続き、認知症についてです。

 高齢化社会がどんどん進んでいますが、それにともなって、目立たず進行している問題に認知症があります。統計では65歳以上の高齢者の中で、認知症と診断されている人は、305万人、20年前の3倍だそうです。これは、65歳以上の高齢者約3000万人の1割だそうです。この305万人は治療や介護サービスの対象者だけの数字で、自宅で家族が見ていて、介護サービスを受けていない方々や、金銭上の問題で介護サービスを受けられない一人暮らしの人、または社会保障がない人の中で受けられない人を含んでいない数です。それと軽度の認知症の人を合わせると800万人にも上るのではと言われています。10年後には、1000万人を超えるかもしれません。なんと人口の1割にせまるかもしれないのです。高齢者の4人に1人は認知症になる可能性もあるのです。

 前に書いたアルツハイマー型認知症は、脳血管性認知症に比べると、3分の2つまり、2倍近くあるそうです。
認知症でよく言われる初期の症状は、朝や昼にどんな料理の何を食べたかを忘れることではなくて、食べたかどうかを忘れることだと言われます。また、離れて住んでいる家族に電話をした内容を忘れるのは物忘れで、電話をかけたこと自体を忘れて、その同じ用件を5分ごとに10回くらいかけてしまうのは、認知症の始まりです。

 アルツハイマー病は人によっては40代から始まるものもあります。ふつうは、高齢者70代以降がとても多いです。専門家によると、アルツハイマー病の特徴は、脳が縮まるつまり委縮することだそうです。記憶をつかさどる海馬が最初に委縮しやすいのです。だから、ちょっと前にご飯を食べたかどうかとか、電話をかけたかどうかという短期記憶から壊れて行くのですね。その原因は脳内にβアミロイド42というたんぱく質がたくさんたまり、脳の神経細胞が死滅するからだそうです。体はいろいろなところに仕掛けを隠していますね。

 アルツハイマーだった人の脳には、老人班というシミができるそうです。この老人班が周りの神経細胞を攻撃して、細胞死に追い込むのです。それに加えて、タウたんぱく質という正常でないたんぱくもβアミロイド42の味方をして、神経細胞を攻撃するのを助けます。まるで、永遠に生きられると思っている人に、あなたには寿命があるのですよ、と知らせているようです。

 初期に効くお薬は開発途上のようです。将来はワクチンのようなもので予防できるかもしれませんね。さて、2005年と2006年に認知症予防で発表された方法はフランスではケイセキ(silica)を多く含んだ水でアルミニウムの体内や脳内の蓄積を防ぐそうです。さっきのアミロイドはアルミニウムと関係があるのでしょうか?昔にアルミはなかったので、今は食品に紛れ込むのかもしれません。

 2006年のアメリカの研究では1週間に3回以上果物と野菜のジュースを飲む人は、1週間に1回以下の人よりアルツハイマー病の発病を76%すくなくしたそうです。もちろん、緑黄色の温野菜でも果物を直接食べても、お酒に強い人は赤ワインなどもアルツハイマー抑制効果があるようです。

 珈琲は1日3回くらいまでで多すぎるとその他の弊害があるかもしれません。最近の報告では、お酒も大酒をして酔いつぶれるまで飲むと認知症を近づけ、休肝日をもうけて、毎日なら、ビール350mlくらい、ワインならグラスに1杯120~150ml、カクテル1~2杯(40度のスピリッツ50mlくらい)なら認知を予防する効果もあると言うことです。喫煙は血管がめげるので、脳血管性認知が怖い気がします。チョコレートのポリフェノールも脳にいいと聞きました。少しカロリー高めですが。

 食べ物ではないですが、死ぬまで自分の歯で噛むというのは、脳にいいようです。総入れ歯になると、顎が小さくなり、噛む力が衰え、脳の委縮の一因になるそうです。歯を大切に・・・


 アメリカのアルツハイマー協会が「脳を守るための10か条」をかかげています。引用しますね。
1.健康は脳からです。
2.脳の健康は心臓から(心臓病、高血圧、脳卒中、糖尿病に注意)
3.自分の体の数値を知ろう。(体重、血圧、血糖値など)
4.脳に栄養を・・・脂肪控えめ、ビタミン多く(私見ですが朝を抜く人より食べている人の方がボケないし長寿です。)
5.体を動かす。(軽い運動か運動の嫌いな人は1日30分以上あるくこと)
6.心のジョギング(読む、書く、話す、新しいことを学ぶなど脳を刺激すること)
7.他の人とのつながりを
8.頭の怪我をしない。
9.健康な習慣を(酒の飲み過ぎ、たばこの吸いすぎ、そして、薬ののみすぎ、注意、アメリカなので麻薬を使わないようにというのもあります。)
10、前向きに考えること(脳を活性化できる。) 

 ここからは、私の考えですが、人間が昔より長寿になったから認知症がふえたのではないと考えています。やはり、戦後の食べ物がたとえば、農薬や保存料や着色料や添加物、甘味料、化学調味料、合成化学物質が、認知症に一役買っているのではないかと思います。貝原益軒をはじめとする江戸時代の長寿の人にボケという症状はあまり聞いたことがないように思うのですが・・・

 さて、私の考えた予防法ですが、頭をつかう学校の勉強や小学生がやっているような計算や漢字ドリルは認知症予防にはまったく効果がないと思います。大学の勉強、受身の講義を聴くというのもダメだと思います。記憶に頼る受験勉強もボケ防止にはなりません。 たとえば、大学の先生や、昔、学校の成績が良かったエリートといわれる人も関係なく認知は進行するからです。国の首相だった頭のいいと思われるサッチャー元首相も認知症になりました。俳優で大統領になったレーガン元米国大統領もそうです。

 私が考える防止に良いことは、手を使う職人さんのようなことを趣味でもいいからすることです。たとえば、だれでもできることは、料理を作ること、お酒の好きな人なら、カクテルを作ること、1000種以上の組み合わせで作ることが出来ます。地図を見ていろんな経路を行き方を変えて、1時間程度歩くこと。(これはお金がかかりませんね。)内容を考えて、文章やブログを書くこと。外国の言葉で外国の人とメールしたり、話したりすること。(言葉の脳の他の回路を使うかもしれません。)

 楽器を弾くこと。普段使わない脳の使い方をすること。たくさんの人と会って、それぞれ、違う内容の会話をすること。いろんなジャンルの歌を歌うこと。草花の種類を考えながら散歩をすること。日曜大工で物を作ること。車の運転はボケ防止にはなりません。マニュアル通り同じ動きをすることは、防止にはならないのです。同じ事務仕事を何十年もやることも脳にはあまり感心しないので、変化のあるスポーツや音楽、絵などの趣味で脳の別の所を使いましょう。男女で愛し合うこともボケ防止になると思います。もちろん、ストーカー行為を除く、人を好きになることもいいですね。以上私流の予防法でした。長くなってすみません。

 最後にアドラーの心理学のまとめです。私の覚え書きのようなものなので、「そんなのもう知っているよ」という方もいらっしゃると思いますが、ご容赦くださいね。

 1回目に書いた器官劣等性の意味ですが、具体的には体について、他の人と比べて客観的に劣っていること、たとえば私は度のひどい近眼なのですが、これを器官劣等性とするとその人はその器官劣等性をめぐって何らかの決断を迫られるそうです。コンタクトか眼鏡か?私は両方使っていますが、でも実際はもっと深刻なことが多いかもしれんせん。アドラーは人間の心理の中でも、劣等感というものに目をつけました。その人が習慣的に人より劣っていると思っているもので、これは人によって違うので、相対的ですね。昔の時代はやせていることが、食料が得られないとか、体が弱いとかで劣等感になったのに、今は、飽食の時代なので、太っていることが、劣等感になる人がいるとか、相対的ですよね。劣等感コンプレックスは劣等感を使って、ライフタスクから逃れようとすること。(心理学用語の合理化に近いのでは・・・たとえば、どうせ出世出来ないのだから、手をぬいて仕事をしようとか、自分は頭が悪いと親から言われたから、勉強してもムダだからしないとか・・・)アドラーは前向きな人なので、その人がその人のライフタスクを解決することを、勇気づけることを治療の一環として実践しました。これは、ほめて相手の気分を良くすることではないようです。

 アドラーの心理学の基本は5つあるそうで、「個人の主体性」と「目的論」と「全体論」と「社会統合論」と「仮想論」です。アドラーは全体としての個人が個体保存と種族保存、社会学的にはその所属の目標のために行動すると考えました。個人の主体的創造力に注目したのです。

 「社会統合論」とは人間は社会的動物であるから、人間の考えはすべて対人関係に影響を及ぼすという出発点に立って、人間が抱える問題はすべて対人関係上の問題であると考えます。その意味では社会的存在で、人間のすべての行動には、対人関係上の目的が存在している。社会に統合するというよりも、最初から社会的存在としてとらえて治療した方が良いという立場です。

 「仮想論」とは全体として個人は相対的マイナスから相対的プラスに向かって行動すると基本的には考えます。人間は自分がまるで相対的マイナスの状態にいると感じることがよくあるので、それを補償しようとするために、相対的にプラスの状態を目指しているかのように行動するので、これは認知心理学の先駆けの理論になったそうです。

 アドラー心理学の治療方法は、この基本理論に基づいて、来訪者の共同体感覚を育成することを目的にしました。共同体感覚についてはアドラーは「生まれつき備わった潜在的な可能性で、意識して育成されなければならない。それはちょうど、自転車に乗れるようになる練習と同じことである。自転車に乗れるようになるためには、実際に自転車に乗って練習しなければならない。最初はうまく乗れずに転んだりして失敗をくりかえすだろう。しかし、そのようにして練習をしていくうちに、特別に意識することなく自転車に乗れるようになるだろう。同様に、共同体感覚を成長させることは、それを机上で考えることでなく、自分の行動ひとつひとつについて、こうすることは自分の利益だけではなく相手のためになるだろうかとより大きな共同体のためになる方向をせんたくすることである。」と述べています。

 アドラーはライフスタイル分析をしました。その人が自分自身をどのような相対的マイナスの状態にあると考えているかを分析し、それを補償するためにどのようなプラスの状態を目指していて、それを達成するためにどのような手段を用いているかを分析します。

 アドラー心理学では治療やカウンセリングにおいて、人間の問題はすべて対人関係の問題であると考えるので、来談者が自分の資源や使える力をうまく工夫すれば、解決できるライフタスクであると考えました。

 来談者にとってのタスクをアドラーは3っつに分けました。
1.仕事のタスク・・・永続しない人間関係
2.交友のタスク・・・永続するが運命を共にしない人間関係
3.愛のタスク・・・永続し、運命を共にする人間関係

 アドラーによれば、「もう長い間、わたしは次のように確信している。それは、人生のすべての問題は、3つの主要な課題に分類することができる。すなはち、交友の課題、仕事の課題、愛の課題である。」

 このライフタスクを見ると、アドラーは善良な人であり、人間を性善説から見ていることがわかりますが、現代のような複雑な時代にあっては、彼の論をそのままあてはめるのが難しい点も多いです。しかし、認知主義や認知行動主義や短期的療法の現代心理学の基礎をアドラーが作ったことは確かなことです。現代でも学ぶべき点がたくさんあるようです。

 
 次回はクレぺリンとアルツハイマーです。 
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観音寺りえ

Author:観音寺りえ
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