精神科医アロイス・アルツハイマーと認知症その2

 前回とりあげたクレペリンの弟子で、ドイツの精神科医アロイス・アルツハイマー(1864年~1915年)について書きましょう。
 彼は医学を学びフランクフルト市立精神病院に勤務しました。その後、エミール・クレペリンの考えに賛同し、クレペリンのもとで、ルードヴィッヒ・マキシミリアン大学に勤めました。

 1901年に診察した、アウグステ・データ(46歳で発病、56歳で亡くなる)という嫉妬妄想と記憶力低下を主症状とする女性患者の症例を、アルツハイマーは1906年に南西ドイツ精神医学会に発表しました。これが、世界で最初の認知症患者だったようです。この症例は後に「アルツハイマー病」現在の「認知症」の基本概念となりました。その病気は100年以上たった今では一般的な症例となってしまいました。

 このアルツハイマーが詳細に記録したアルツハイマー病も疾患概念は、1910年のクレペリンの書いた精神医学の教科書でも大きく取り上げられ、医学界で評判になりました。現在でも多くの人がその医学薬学研究をして、治療法が開発されつつあります。

 今回は、前に書いた認知症の種類、アルツハイマー型認知症、と脳血管性認知症以外の認知症についてとりあげ、前は自分自身の予防について取り上げましたが、大切な家族がなった時の対策をあげたいと思います。認知症は急激な高齢化にともなって、患者数の激増があり、家族や個人のレベルをこえて大きな社会問題になりつつあります。

 アルツハイマーの後輩のフレデリック・レビーという病理学者は認知症の3番目に多い症例レビー小体型認知症を発見しました。彼はパーキンソン病患者に認知症がかなり高率で発症することから、亡くなった患者から変成した黒い神経細胞を発見しました。この小体は、レビー小体と名づけられ、ずっと後の現代になって、この小体はアルファ・レヌクレインというたんぱく質だということが分かりました。そして、大脳や脳のいろいろなところにレビー小体が発見されました。

 レビー小体型認知症は、初期に幻覚、幻聴が現れるそうです。レム睡眠中(ぐっすり寝ている時だと思うのですが)に寝言レベルではなく、叫んだり暴れたりするそうです。パーキンソン病に似て、動作がゆっくりになり、前かがみで歩いたり、歩行障害があることもあるようです。

 MRI等では、脳の委縮は軽く、徘徊も少ないそうです。数年で進行が早く高度認知症になり寝たきりになるそうです。レビー小体が蓄積し神経細胞が壊されるので、安易に初期にうつ病と間違えて、うつの薬を投薬すると症状がすすんでしまいます。

 レビー小体型だけでなく、アルツハイマー型も脳血管性も最初にうつ病に近い症状が出るので、うつ病と間違えて投薬すると、認知症には悪い影響がでるのではと思います。

 その他、認知症の種類分類で、割合はすくないですが、ピック病というのがあるそうです。これは、前頭葉や側頭葉が委縮する病気で、症状は身なりをかまわなくなり、社会に対して関心がうすれるようです。ごみ屋敷など片付けられない人の中の一部にこの原因があるかもしれませんね。その他、スーパーで万引きしても自覚がないとか、暴力的になるとか、同じものをいくつもいくつも買ってくる会話の内容が同じ繰り返しになるとかあるそうです。40代~50代に発症する若年性認知症の中にこの病気が多いようです。男女ともにかかるリスクは同程度だそうです。こういう病気をしらべていくとやはり、昔に比べて合成物や自然界になかった食べ物や、農薬や多くの化学物質からの被曝や環境かくらん物質との関連を切り離して考えることが出来ないと、強く思います。

 認知症の検査は、CTやMRIで画像診断がありますが、面接検査では、100から7ずつひいてけいさんしてもらうとか、「桜、サル、電車」などを記憶してもらいすぐ反復してもらうのと、会話の中で1~2分後にその単語をおぼえているか確認するとか、何年何月何日ですか、今どこにいますか、5種の道具を数秒見せて何があったか思いだしてもらうなど、全部で30点の配点をして、20点以下が経度認知症の傾向、低い点だと進んでいると判定するようです。

 認知症患者をかかえる家族は世話など肉体的にとても大変だと思います。それだけでなく、大切な家族が壊れて行くのを見なければいけない苦痛も大変なことだと思います。公的機関は、介護申請をして通ると、いろいろな面でのサポートはあります。1週間の内数日預かってもらうデイサービスや訪問介護、特養や地域支援センター、認知症向け老人ホームなどあります。

 家族がなんでもやってあげると認知症がすすむこともあるそうで、施設や病院に入ると認知症がやはりすすむこともあるので、よく考えて対処しなければなりませんね。一人暮らしの老人の数もこれからどんどんふえるので、国は、認知症対策と高齢者の対策を地域の公的機関と連携して総合的にすすめていかなくては、今のままでは多くの問題が出てくると思います。

 認知症が始まっても、いろいろな人や組織が生活をサポートしてあげて、人間らしい生を全うできる生き方ができればいいですね。

 次回はその他の心理学についてです。

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まとめ【精神科医アロイス・ア】

 前回とりあげたクレペリンの弟子で、ドイツの精神科医アロイス・アルツハイマー(1864年〜1915
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