不思議な話 その91 洪水伝説(4)

  世界の洪水伝説を見て行きましょう。古代バビロニアの『アトラハシス叙事詩』(紀元前1700年までに成立したらしい)では、人類の人口過剰が大洪水の原因とされているそうです。1200年間の繁栄後、人口が増えたことによる騒音の為に、エンリル神の睡眠が妨げられ、エンリル神の怒りを買いました。エンリル神は解決策として、人類の数を減らすための神々の集会を開き、疫病、飢饉、塩害(畑の作物がダメになることでしょうか?)などを考えました。これらの神々の対策がとられてから、1200年後人口は一時的に減りましたが、また、元の状態に増えたので、神々が洪水を起こすという対策をとったのですが、行きすぎた人類への対策に人間を気の毒に思ったエンキ神は、洪水計画のことをアトラハシス(旧約聖書で言う所のノア)に伝えて、彼は神から言われたとおりの寸法の船を造ります。そして、ふたたび神が洪水を起こさないように、エンキ神は、結婚しない女性、不妊、流産、幼児が病気で亡くなるなど悲しい事を起こして、人口増加が制御できなくなるのを防いだそうです。人間には厳しい問題ですね。

 洪水の理由以外は、旧約聖書の「ノアの方舟」に似ていますね。

 『エノク書』と言われるエチオピア正教の旧約聖書には、神は地上からグリゴリ(巨人)やグリゴリと人間の娘の間に生まれた巨大な子供ネフィリムを抹殺するために大洪水を起こしたとされています。神は大洪水を起こす前に天使メタトロンを派遣し、神に対してそむいていないノアの一族以外の人間と、巨人グリゴリ、その子供のネフィリム達を滅亡させることを宣言します。グリゴリ達はこれを悲しんで「ヒヴァ」とか「ヒヤ」とか声をあげて嘆いたそうです。

 ギリシャ神話では2つの洪水伝説があるそうです。オギュゲス王の洪水は、テーバイという都市の王オギュゲスの任期中に起こった洪水という意味だそうです。この洪水は世界中を襲い、ケクロプスという名の王の誕生まで、王は不在だったということです。

 もう一つの洪水は、デウカリオーンの洪水といわれているもので、ノアの洪水と内容が似ています。プロメテウス(人間に火をもたらして擁護した神)は息子のデウカリオーンにはこを造るように助言します。他の人間たちは数名を除いてすべて滅ぼされます。デウカリオーンと妻のピュラーは、9つの昼と夜をはこで漂い、パルナッソス山にたどりつきます。

ヘラニコスという語り手の話では、デウカリオーンはテッサリアのオトリュス山にたどりつきます。雨が止んだ時、彼は万能の神ゼウスに捧げ物を供え、ゼウスの言いつけに従って石を自分の後ろに投げると、石から男が誕生し、妻ピュラーが投げた石からは女が誕生します。ギリシャ語の人々の語源は「石」にあるとしています。これは、旧約聖書のアダムとイブの話(人間は神が土から造った)にも似ていますね。また、これは石のまわりを廻って神々を生み出す。日本の神話にも似たところがあるように思います。

 古代ギリシャの哲学者プラトーンは「ソクラテスの弁明」の「大洪水のすべて」で、洪水のことを述べて、「クリティアス」では、デウカリオーンの大破壊に触れています。プラトーンは場所は彼の言った通りではないかもしれませんが、それまでにあった伝説のアトランティスについて書いている哲学者です。プラトーンは多くの大洪水は、プラトーンの時代以前(プラトンは紀元前427年の人です)9000年の間に起こっていると言っています。

 アトランティスの証拠はまだ見つかってはいませんが、私は、ポルトガル沖、西に1500キロにあるアゾレス諸島付近に沈んでいる小さめの大陸ではないかと思っています。過去世で何百例も出てきますが、文明の最後は、天変地異と巨大なエネルギーの事故とで洪水が起こり沈んでいます。それが、世界的洪水の時期と重なったなら、BC9000~10000年くらい前でしょうか?

 ヨーロッパのゲルマン民族の古代スカンジナビアの神話では、ベルゲルミルはスルードゲルミルの息子で霜の巨人です。彼と妻は、ベルゲルミルの祖父ユミルの血の洪水(オーディンと彼の兄弟のヴィリとヴェーによる虐殺を生き残り、彼らは中が空洞になった木の幹にもぐり込み、生き残って新たな霜の巨人を生み出します。

 この神話はアングロサクソンの叙事詩「ベオウルフ」と共通点が多く、聖書の洪水とも関係があるそうです。

 アイルランドでは、『アイルランド来寇の書』で、アイルランドの最初の居住者は、ノアの娘ケスイルに導かれて、島にたどり着き、その後で40日の洪水が来たが、1人を除いて全員無事だった。その後、パルソローンとネヴェズの人々が島にたどりついた。その後に再び洪水が起こり、30人を除いて全員死んで、その30人は世界に散らばって、人類の先祖になったといいます。

 北米と南米では、インディアンのホピ族の有名な神話では、人々は創造主のソツクナングから繰り返し滅ぼされたのだそうです。世界を破壊するのに初めは火を、つぎに氷を使ったが、二度とも世界を造りなおしている間、創造のおきてに従っている人々を地下に隠して救ったと言います。しかし、人間は三度目にも堕落して好戦的になったので、神のソツクナングは人々を蜘蛛女
宇宙人?)のところに連れて行き、彼女は人々を巨大な葦の空洞に避難させたといいます。そして、神ソツナングは大洪水をおこし、人々は葦で水の上を漂いました(宇宙船のようなものでしょうか?)葦は小さな陸地にたどり着き、葦から出て、食べ物を得て、カヌーで旅をした。神から与えられた内なる叡智に導かれ、彼らは北東に旅を続け、もう少し大きな島々を通り抜け、第4の世界へたどりついたのだそうです。彼らが第4の世界へたどりつくと、島々は大洋の中へ沈んだということです。ホピの伝説はまんざら、空想の中だけでなく、未来を預言しているものもあり、地球の歴史のある部分を言い当てているようにも思えます。

 インディアンのカドー族の神話では、4人の怪物が大きく育ち、天に届くほどになって、1人の男が中空の葦を植えるようにとのお告げを聞き、彼が実行すると、葦はとても早く大きくなりました。男は妻とすべての動物を一つがいずつ葦に入れます。すると洪水が起こり、葦の上の部分と怪物の頭以外はすべて水に飲み込まれました。その時、亀が怪物の足元を堀り、怪物を溺れ死なせました。水がおさまると風が地球を乾かしました。この話とホピの話は、「方舟」が「葦」に置き換えられていますね。

 南米のマヤの神話では、風と嵐の神フラカンが樹脂の大洪水を起こしたのは、最初の人類であるキチェ族が神々を怒らせたからとされています。4人の男女が洪水後のキチェ世界に住み始めて、その後全員が同じ言葉を話し、同じ土地に住んでいたが、彼らの言語が変えられて、その後彼らは世界に散らばったと言います。この話には方舟の話ではなくて、聖書のバベルの塔のようなお話になっています。

 インカの神話では、ビラコチャは大洪水で巨人を倒し、2つの民族が植民され、彼らは密閉された洞窟で生き延びたという話になっています。前のインディアンの伝説のように地下や洞窟にかくれているという地底人のような話になっていて、後の地底人伝説のもとになったかもしれませんね。

 メノミニー族の神話では、トリックスターのマナブスが復讐で、遊んでいた地下の神を二人撃った、地下の神が水に飛び込むと、大洪水が起こったとされています。「水は上昇し、マナブスをどこまでも追いかけてきて、彼はとうとうミシガン湖まで追いかけてきたそうです。彼は水がまだ追いかけてくるので、高い松の木によじ登り、木に向かってどこまでも大きくなるように願うと、木はこれ以上伸びないくらいまで大きくなり、水は彼を追いかけさらに上昇し、彼のあごのところでやっととまったが、水平線には皆沈んで何も無くなったというのです。それから、マナブスは動物に助けられ(ノアの方舟と逆ですね。)特にジャコウネズミは今の世界を造ったと言い伝えています。 
 
 ミックマック族の神話では、人々は自らの邪悪さから、お互いに殺し合い、創造主である太陽神はこれを嘆きその流した涙が大洪水をお越し、地球上で残ったのはひと組の老夫婦だったということです。

 日本の洪水伝説では沖縄諸島にいろいろあるようですが、奄美大島では、昔、大津波が起きて、アデツの兄妹がそれを知らずにたまたま山に登った為に命が助かり、多くの人々がなくなったけれど、兄妹は生き残って子孫が栄えたという話です。石垣島でも人々の傲慢によって、世の中が乱れ、神罰で洪水が起こる話があります。

 台湾では、原住民のそれぞれの部族に洪水伝説がありますが、太古の南方にあった大陸のラガサンという大陸が天変地異で海中に沈んだのですが、その時臼に乗って逃れられた男女が海流に乗って北上して、台湾にたどりついたというのです。北に来たことを記念してアミ族と名乗ったと言います。

 この大陸はムー大陸と関係があるのでしょうか?あるいは、海面が上昇して沈んだ南方の島々から来たのでしょうか?

 次回は、再び臨死体験と中間生の話をしましょう。
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観音寺りえ

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