不思議な話 その223 自分で自分を理解するということ。

ディスカバリーチャンネルで6シーズンも放送された俳優のモーガン・フリーマン氏の「時空を超えて」は面白いテーマが多いです。その中でも、「私とは何者なのか?」自分を自分たらしめるものは何なのか、という話が面白かったので、要約して感想を書きますね。

自分と他人との区別は、人はいつごろからするようになるのでしょうか?児童心理学者のアリソン・ヴォクニックさんは、人間は自分を認識するのはいつからなのかを研究しています。大人になると1分前の自分と現在の自分が、同じ人間であることを、当然のように思っていますが、幼児は異なるというのです。「鏡像段階」というのがあって、自分と鏡に映る自分が同じものであることを認識出来るのは(個人差もあると思いますが)、2歳近くになってからだそうです。これを「自己発見の第一歩」と呼ぶようです。

信じることが変わっても、自分は自分である、と理解した時、子供たちは「記憶」というものを使うことが出来るというのです。(どうも、この「記憶」というのが、自分を自分たらしめているのに大きな役割を果たしているようです。)ニュージーランドのオークランド大学の神経学者ドナ・アディス氏は脳の海馬(記憶に関係ある脳の部分)を研究しています。1950年代から海馬は記憶をつかさどるということは、知られていました。ある重度のてんかんの男性患者は、1953年に治療で、問題の脳の一部を切除してもらいました。手術によって、てんかんの発作は起きなくなりましたが、新しく記憶をつくる能力が、完全に失われてしまいました。(私が思うに現在は、脳の萎縮や血管の障害でその部分にダメージがあると、認知症患者も、短期記憶が残念ながら、ダメになることがありますね。)

その患者は、そのような状態を、「毎日、夢から醒めるようだ」と表現しました。彼は、手術を受けた27歳以降から、「自分は何者か?」といった感覚を失ったままになったのです。記憶がなくなると何か、恐ろしい感じですね。彼は、数十年後には、鏡にうつる姿を、自分だと認識できなくなりました。彼は記憶を失うと同時に、自分とは誰かという感覚を失ってしまったのです。

神経学者のドナ・アディスは「昔から記憶の研究は、時制での過去にばかり注目されていましたが、現在は、記憶が未来を想像する能力にどのような役割を果たしているのか、確認する実験をしています。被験者に思い出を100個ほど呼び起こしてもらい、それらは、大切な人や物と結びついていました。1週間後に被験者たちにまた来てもらい、前回呼び起こした記憶に関する単語を聞かせ、脳の活動を観察します。そこでは、人、場所、物などの単語がごちゃまぜにします。それらごちゃまぜの記憶からまだ起きていないが、未来に起こりそうなものを被験者に想像してもらいます。目の前に指示された人、場所、物から今後5年ほど先に起こりそうなものを提示してもらいます。未来を想像している間に、脳のどの部分が活発に活動しているかを探ると、記憶と関係している海馬が活発に活動していることが分かりました。海馬は何かを覚えるだけでなく、未来のことを想像するのにも大切な役割を果たしているのです。自分という意識は、過去の記憶の中の自分と、これからなりたい未来の自分という2つによって成り立っているのです。」と言っています。

ドナ・アディス氏は、過去の自分を忘れつつある人々、アルツハイマー病の人々も研究しています。その研究では、「家族は記憶を失いつつある患者のことを、すっかり人が変わったといいますが、過去の記憶の中にその人の本質があるのです。記憶を失うことで、その人の本質が失われるのです。記憶は自分が何者であるかという意識を作り、未来の為にも重要なものです。」とアディス氏は言っています。

記憶は私達の自己を決定する、私達のアイデンティティに欠かせないものなのです。しかし、記憶が書き換えられるとしたら、私達の本当の自分はどこに行ってしまうのでしょうか?人間のものを覚える能力は抜きん出ていて、平均的な人でも10万の単語を覚え、1700人の人と知り合い、1000冊の本を読むことが出来ます。人はこうした蓄積の上に、自らのアイデンティティを作り上げます。一人一人に独自の記憶パターンがあるそうです。

記憶はビデオ録画のように正確でなく(一部の天才的な病的な写真のように記憶する人々を除き)普通の人々の記憶は、他人の意見に影響されます。記憶は事実と違っている場合があります。(たとえば、事件の目撃者や洗脳された人の場合、たまに記憶のすり替えが起こります。)たえまなく社会から与えられる情報によって、私達のアイデンティティは形を変えることもあるようです。

私達のアイデンティティを意図的に再構築できるのでしょうか?たとえば、自分を否定しがちだったりした人が、自己肯定観を持つとか、自信を持つということも、可能だと思います。

次回は、この続きを書きますね。いつも読んでいただき有難うございます。

告知ですが、5月14日、日曜日の夜6時半から7時54分のテレビ東京さんの「もやもやさまーず」田端にアトラス研究所が、ちょこっと出ます。よかったら御覧ください。

不思議な話 その222 テレパシー(2)、脳について

「テレパシーとは、特別な能力のある人だけが持っているものなのか、それとも全ての人に備わっているものなのに、その使い方を、ほとんどの人が忘れてしまったのか」という疑問がよく聞かれます。相手の目の動きや、表情で気持ちを読み取る読心術、や双子の研究で、気持ちが通じ合っている、遠くに離れていても、感情を共有するとか、亡くなる前の人が親しい人に亡くなることを伝えるとか、
テレパシーにまつわる不思議な話が色々あります。

2014年にアメリカのオンライン科学雑誌「P L O S ONE」の8月19日付の記事で、ある論文が発表されました。脳神経学者や理論物理学者などの専門家チームが脳から脳の情報伝達実験をしたというのです。その内容は、8000キロほど離れたインド、フランス間で、2人の人物が心に浮かべた挨拶の言葉をメールや電話や会話の手段を使わずに伝えたというのです。

同じ年、3月28日に行われた実験では、パソコンとEEGと呼ばれる脳波測定装置、脳波をパソコン用に2進法に変換する「変換器」を使って、インドケーララ州とフランス北東部のストラスブール大学の2箇所で実験をしたそうです。インドのリエラ博士とフランスのベーグ博士の間で実験されました。インドのリエラ博士は、スペイン語で「オラ」という挨拶を思い浮かべて脳波を、コンピュータープログラムの変換器で0と1の組み合わせの2進法に変換して、そのコードは8000キロ離れたフランスへ伝えられました。テレパシーというよりは、脳波をコードに変換してコンピューターで伝達したわけですね。フランスのベーグ博士は、目隠しをされ、電気パルスを送ることができる装置をつけ、インドから送られたデータをフランスの博士の後頭部につけられた装置に転送すると、この装置は電気的なパルスに変えてベータ博士の後頭葉を刺激して、ベータ博士は光の点滅を見ることが出来ます。まだ単純ですが、送信者の思い描いた情報を、後頭葉の刺激で受信者の脳内で再現するというものです。受信者は、光の点滅を見ている脳波を2進法コードに変換し、アルファベットに当てはめ言葉に再現するといいます。その再現精度は、90~95%だそうです。テレパシーより多くの手間がかかりますが、能力があるなしにかかわらず将来は多くの情報を遅れるようになるかもしれませんが、スマホやPCのメールの方が簡単に意思の疎通ができそうですね。

世界で有数の富豪で、テスラモーターズ(電気自動車会社)のCEOであるイーロン・マスク氏が今年2017年3月、「Neuralink」という新会社の立ち上げを発表しました。この新会社が挑戦する脳のマシーンインターフェース(Brain Machine Interface=BMI)技術の開発に関して、アメリカのニュースCNETでは、この技術について、「テレパシー」という言葉を使っています。その記事によると、なぜ、マスク氏が新会社で、新技術を開発するするのかという前提には、人工知能AIの台頭に対する危機感からだというのです。マスク氏はこの会社に先立って、2015年に「Open AI」という組織を立ち上げています。

このオープンAIの狙いは、一部の巨大企業や政府などの人工知能の寡占に対抗できるある種の抑止力を開発することだそうです。マスク氏は以前から「AI(人工知能)を搭載した機械が人間の手に負えなくなること。」に対して危機感を表明しています。ブログでも「我々人間は、AI(人工知能)を作るべきでない。しばらく前から、AIについて本気で警鐘を鳴らしてきたが、そうした発言が何のインパクトも与えそうにないことが明らかになったので、AIを開発することに対して、挑戦しなくてはならない。」というコメントを書いています。

少し空恐ろしい意見でもあるのですが、「生物としての人間は、構造的に大きく進歩することが出来ないので、そこで、AIがどんどん進歩して人間の能力をはるかに上回るようになれば、AIに支配されかねない。そうした事態を避けるために、人間側の計算処理能力、情報伝達能力を引き上げればいい。」という意見で、これが、マスク氏が研究開発に乗り出す理由だそうです。「人間にとって、唯一の選択肢はAIになること。」という文もあります。マスク氏が人間のハイブリッド化、サイボーグ化で大きな課題とみているのが、生身の人間の通信伝達の遅さで、それを解決するためには、人間の脳に浮かんだ考えを言葉に変換する際に生じる情報の圧縮、それに伴う欠落(情報が抜け落ちたり、完全に伝わらないこと)をなくし、同時に音声やキーボード入力といったまだるっこしい、伝達手段を省けば、相手(人間とAI)の両方と、より迅速にしかも完全な情報のやり取りが出来るとしています。

まるで、SFのような話ですが、SFアニメや映画の世界では、人間が機械と瞬時に意思疎通したり、人間同士がテレパシーでつながって意思疎通をすることは、日常茶飯事にでてきますが、そのような世界が必ずしも幸せ、と言うより不幸な世界で描かれることが多いですね。

それから、マスク氏の考えについて、私は思ったのですが、人工知能に計算の面だけは追いつかれたとしても、人間の「脳」の働きは、マスク氏が考えるほど、また、学者が考えるほど、単純なものではないと思います。人間は無から生物を作ったり、人間を作ったりできないので、まだ、そんな優れた人工知能を作り出すことは出来ません。人間を凌ぐ人工知能を作るには、実は膨大な時間がかかり、それが完成する前に、人間は滅びてしまうのではないか?と思います。それほど、人間の「脳」は凄いものなのです。

次回は、「脳」についてと、人々が一度は考える「私とは何者なのか」ということについて書きましょう。次回の更新は1日ずれて土曜日から日曜日にかけてです。読んで下さい。

不思議な話 その221 夢の中でのテレパシー受信。


特別なテレパシーの能力がなくても、無意識状態となる夢のなかで、テレパシーを送ると、多くの人は、そのメッセージを受信しているかもしれないという話です。

「Collective Evolution」というアメリカのニュースサイト(2016年2月8日)によると、1960年代、アメリカの精神科医のモンターニュ・ユルマン氏とセイブルック大学の心理学者スタンリー・クリップナー氏が、「覚醒中の人が睡眠中の人に、自分の思考を送ることで、睡眠者の夢の内容に影響を与えることを実験で証明していたそうです。

その実験で、テレパシーの「送信者」と「受信者」の被験者達が、面会を短時間ですませて、「受信者」は別の個室で眠りにつきます。「送信者」は、何枚もの絵を見るように指示され、それを眠っている「受信者」にテレパシーで、伝えるようにします。眠っていた受信者がレム睡眠の兆候を見せたら、実験者によって起こされて、どんな夢を見たか夢の内容を語ります。

その結果は、送信者がエドガー・ドガの『舞台のバレー稽古』の絵を見せられると、そのイメージを寝ている受信者にテレパシーで送った所、受信者は起きてから、「少女達のバレー稽古風景の夢」を見たというのです。受信者は「6人くらいの少女達が教室に集まって、その中の1人の少女が、私と一緒に踊ろうとした。」と言いました。ドガの絵にみられる構図を夢で見ていたわけです。

1970年3月15日、アメリカのコンサートで、フォークバンド「ホーリー・モーダル・ラウンダーズ」のコンサートで、聴衆を送信者にした大規模なテレパシー実験が行われたそうです。(60年代、70年代は超能力の実験が真剣に行われたのですね。)バンドの演奏中、メディアアーテストのジーン・ミレー氏が指導して、コンサート会場のスクリーンに6枚の絵、鷲と鷲の巣作り、フェニックス、などその他数十種類の鳥の画像が映し出されました。聴衆は、これらの画像を、コンサート会場から、100マイル(約160キロメートル)圏内の5人の受信者に送信しました。受信者達は、ちょうど、コンサート会場から送信が始まった12時以後に見た夢を記録するように指示されました。

実験の結果は、3人の受信者は鳥ではない動物や果物などの夢をみましたが、「グリフィンやフェニックスのような神話的な鳥」や「海の上を飛ぶ大量のかもめ」をみたという2名の受信者がいたそうです。

私自身も時々予知夢をみたり、親しい人や友人の夢をみますが、相手が連絡したがっているとか、テレパシーと関係している夢が中にはあるのかもしれません。夢を覚えていない人も多いですが、人は人生で、平均して全人生の中で、6年分、約52000時間の夢を見るそうです。私は、過去世、前世、未来世のリーディング以外に、その人の夢と同期して、夢の中に入ることが出来ます。その人が、写真の1場面のようにしか夢を覚えていなくても、その夢の話を、再生し、続けることが出来ます。そこで、過去世に関係のある夢か、未来に関係する夢か、予知夢か、象徴夢か、ストレスを発散しようとしている夢か、あるいは、恐怖から見た夢なのか、分析することが出来ます。熱があるなど、病気のときに見る悪夢は別ですが、たいていは、分析できます。

先日いらしたお客様で感心したのは、詳細な夢日記をつけていらっしゃることでした。その量は数十頁にのぼります。わかりやすいイラストもつけていらっしゃり、凄い記憶力だと思います。予知夢も時々、みられるそうで、幾何学的な模様が出てきたり、人間のDNAの螺旋状の模様が出てくる不思議な夢もみるということです。だれかが、その方に何かを知らせようとしている、テレパシーの夢なのか、あるいは、とても、興味があることを、見てしまうのか、より一層の、分析が待たれます。

不思議なのは、私のみた遠い、遠いビジョンと彼女のみた遠い未来の夢が一致したことです。初めて事務所で会った方なので、未来について話したこともないのに、お互いに描いていたイラストがぴったり一致したという不思議なことがありました。

最初の「Collective Evolution」の話に戻ります。この引用では、ほとんど会話をすることが出来ない重度の自閉症の子供さん達の中に全員ではありませんが、「テレパシー能力」を持つ者がいる可能性が指摘されています。自閉症は軽いものから、重度なものまであるそうですが、社会性やコミニュケーションに障害を持ち、意思疎通が難しいというのが、一般的な見識です。ところが、ほとんど会話ができない自閉症の子供さんに、テレパシーの能力があるというのです。

元ハーバード大学医学部会員のオレゴン州メドフォードの医師、ダイアン・パウエル博士は、言葉を話せない自閉症の子供を研究するうちに、彼らがテレパシー能力を持つことに気づきました。研究対象だった当時2013年に7歳だったヘイリーという少女は、文字や数字を少し言うことが出来る程度でした。簡単な計算もできなかったのに、大人でも手間取る長い計算式が解けました。ご両親は、数学の天才なのではと考えましたが、セラピストが彼女に聞いてみると、ヘイリーは、他人の頭の中を覗いて、回答を書いたというのです。実験の最中の少女を評価するために、そばに数学の出来る人がいたのでしょう。

驚いたセラピストが自分の父親、大家さん、作者と本の名前、ドイツ語の単語など、ヘイリーが知らない情報を尋ねたところ、正確に回答したということです。(セラピストが知っていることを質問したので、セラピストは答えを当然頭のなかに浮かべたのでしょう。)

パウエル博士は、別の被験者の自閉症ではない少年のことも話しています。当時5歳のラムセス君という少年は、2歳で、スペイン語、日本語、ギリシャ後、英語、ヘブライ語、アラビア語、ヒンディ語を自由に聞き、話せる天才ですが、テレパシーや読心術の超能力もあるようで、博士の選んだ数字と乱数表から機械が選んだ数字を言い当てました。17個の数字のうち、16個を言い当てたということなので、その正答率は非常に高いですね。

次回にこの続きを書いて、最新のテレパシー研究の話をしてまとめましょう。

不思議な話 その220 生き物としての宇宙(3) 

前に書いたビッグバウンス説では、宇宙は膨張と収縮を繰り返しているとすると、大きな呼吸をしているといえるかもしれないし、あるいは、また別の個性の宇宙を、作り出しているとしたら、宇宙も生まれ変わりを繰り返していると言えるかもしれません。ビッグバウンス理論は、1922年にもう発表されたそうです。

イギリスの公立大学インペリアル・カレッジ・ロンドンのステファン・ギーレン氏は宇宙の始まりは突然現れた宇宙の種ではなく、つぶれた古い壊れかけの宇宙だといっています。宇宙は、膨張と収縮の2つの時期があると主張しています。

ギーレン氏は宇宙がとんでもなく小さく収縮した場合は、普通の物理学ではなく、量子力学だけが作用できる極小の大きさになる、という説を唱えています。ギーレン氏は、「宇宙が生まれる前には、別の宇宙が存在していたが、それが極めて小さい状態まで、収縮してしまい、人間の目にも見えないくらいに小さくなった宇宙は、今度は、大膨張する。これが、ビッグバウンスで、その結果今の宇宙が生まれた。」といっています。

この宇宙は今は膨張を続けていますが、将来、ある時点で膨張は止まり、(裂けてばらばらになり消える、という説もあるのですが、)ギーレン氏の説は、宇宙は死ぬのでもなく、消えてしまうのでもなく、収縮したあとにまた膨張して、新たな宇宙に生まれ変わり、輪廻転生していくというのです。

生物工学者のロバート・ランザ氏は、バイオテクノロジーを駆使して、様々な動物のクローンを作っています。彼は「宇宙は、私達の意識が作り上げたものなので、人間が見ているものはすべて、脳内の情報である。」といっています。「宇宙とは、観察者の頭の中で完結したもので、人間が描き出した産物にすぎない。」といって、彼は、これらの仮説を「生命中心主義」と呼んでいます。同じところで同じ景色を見ても、人間が赤く見えるものは鳥には蛍光色に見えるそうです。紫外線やレーダーの電波が見える能力のある動物がいます。見るものによって、世界は見え方が違うのです。

量子論の世界で、よく、素粒子は幾つもの場所に同時に存在すると言われています。観察者がその素粒子の位置を決めるのです。ランザ氏は、素粒子の位置を、ビデオの映像の、静止画と動画の関係に例えています。ビデオカメラを動いている矢の位置においてみると、矢がどの位置に突き刺さったかはわかりますが、その位置では矢の軌跡はわかりません。難しいですが、素粒子もこれと同じで、正確な位置を測定しようとすると、時間の動きに関連した情報はすべて失われるのだそうです。その理由は、時間が自然に存在するものではなく、私達が道具として、作り上げたものだからだと、ランザ氏はいっています。彼はさらに「素粒子の世界で通用する説明を、日常的な世界で、当てはめるべきだ」と考えています。

森で木が倒れると、まわりの気圧が乱れます。けれども、それを見ているものがいないと、森も木も存在しないのと同じことになります。観察者がいるから、森も木も存在が確認できます。

量子コンピューター技術者のセス・ロイド氏も宇宙と生命の関係について、ビッグバン以降に起こった出来事すべては、巨大なコンピューターの計算の一部ではないか、と考えています。計算は今も進行中で、その成果として、私達人類が存在すると言っています。この世界がコンピューター上の、世界であることを証明するには、計算上のほんの僅かなバグのほころびを見つけることができれば、証明できるそうです。生命はDNAを作り出した時、宇宙の計算はかなり進んでいた、と彼は考えました。生命が誕生したことで宇宙の計算もかなり進んできたのでしょうか?極端にいうと、宇宙は巨大なコンピューター上の計算(プログラム)で私たちは、その中のコンピューターウィルスのようなものなのでしょうか?

今まで考えられているようなブラックホール観でなく、別の解釈をする研究者もいます。アメリカのニューヘブン大学の物理学者ニコデム・ポプラウスキー博士は、「我々の存在するこの宇宙は、ブラックホールの中で作られた。だから我々はブラックホールの中にいる。」という説を唱えています。

別の研究者は我々の情報を含む全ての情報は、ブラックホールのふちに記録されている。と言っています。宇宙の出来始めから終わりまで、その中の星々や地球や、地球に住む全ての生き物、我々人間のどう生きたかも、あるいは、過去の人生や、さらに遡る過去世まで記録されているのかもしれませ。そして、未来も記録済みなのかもしれませんね。

次回は夢の話と脳の話をしましょう。

不思議な話 その219 「生き物」としての宇宙(2)いくつかの宇宙論

カナダの宇宙物理学者リー・スモリー博士は、進化論の自然選択説を宇宙にも当てはめています。

宇宙にも、その祖先や父母に当たるものはいるのでしょうか?

リー博士は「宇宙全体が、子供や子孫を作るとしたら、DNAのようなものが、親から子へ伝わっていくことになる。宇宙が生物のように繁殖しているとすると、遺伝や突然変異が起きることになる。すべての鍵を握っているのは、ブラックホールだ。ブラックホールの中では、すべての宇宙法則が破綻する。巨大な恒星が爆発するとブラックホールになることは、量子理論においては、新しい宇宙が生み出されているのではと、考える。宇宙は跳ね返り、新たな宇宙として発達、進化する。私達の宇宙も同じように進化しているのではないか?新たに生まれた宇宙では、ブラックホールの中で宇宙が進化するのではないか。また、ブラックホールを通じて多くのブラックホールが生み出され、進化し、世代交代をするのではないか。我々の宇宙は、例えると進化論の系統樹の一つにすぎないのではないか?多くのブラックホールや宇宙を生み出し進化させるものが、優勢では。いくつもの宇宙がつながり、生まれては、消えているのでは?ブラックホールは、太陽の20倍以上ある大きな恒星が爆発し、巨大なガスが冷えて固まったもので、冷却材となるのは、一酸化炭素。宇宙には2つの元素がたくさんあった。生命に必要な炭素と酸素だ。宇宙自体が、生命を生み出すのに優しいのは、宇宙自体が生命体が必要とするものと同じものが必要だからだ。今の物理法則は、私達の宇宙が、その子孫をたくさん作れるように、微調整されたものだからだ。その副産物として、その中に生命体が、たくさん生きている環境となった。この宇宙が、無数の宇宙の系統樹に属しているかもしれないということも、宇宙の外から我々が見られない以上、証明するのは、困難だ。」といっています。

生き物としての定義では、宇宙には、頭脳があるかということを、証明しなければならないかもしれません。人間の頭の中にニューロンなどの、伝達系のネットワークがあり、コンピューターには、電気パルスが駆け巡る回路があります。最近は量子コンピューターの開発が行われています。

マサチューセッツ工科大学のセス・ロイド博士は、量子コンピューターの研究者です。量子コンピューターは、あらゆる原子や素粒子が、物を考えられるという発想に基づくもので、現在のコンピューターとは桁違いの計算能力があります。原子や素粒子に、情報を同時に処理させるそうです。二つの電子が衝突するたびに、情報が処理されるので、量子コンピューターは、同時に複数のことを考えられ、計算できます。機械工学者の、セス・ロイド博士は、量子コンピューターは、一つの電子が、0であるとともに、同時に1であると計算できます。すると、量子コンピューターで複数の様々な処理が出来るとともに、複数たとえば、100のこと、1000のこと1万のこと、億のことが同時に出来ます。彼は、量子コンピューターの存在こそ、宇宙がものを考える証明だといっっています。宇宙が量子コンピューターのようにふるまえば、宇宙が物を考えている証拠になる、ともいっています。

イギリスの「エクスプレス」紙で、科学者が「宇宙は巨大な量子コンピューターに似ている」といっています。0と1の二進法は、コンピューター言語に使われていますが、この二進法で、全ての事象が記述できる。」というのです。

スイスのコンピューター科学者、ユルゲン・シュミット・フーバー氏は、コンピューターの中で、宇宙を再現しようとしています。(まるで、映画マトリックスの世界の創造主のようですね。)彼は、宇宙を巨大なビデオゲームのように考え「巨大でも、それを作り出すプログラムは複雑である必要がない。」といっています。「単純な模様を繰り返すことで、複雑な模様ができるように、基本となるプログラムは単純でいい。全体像と作り出すプログラムを再現できれば、宇宙全体の仕組みが理解できる。宇宙を形作っている、単純なプログラムを再現できれば、宇宙で起こったあらゆる出来事を再現できる。ビッグバンとその後の経過も解き明かすことができる。強力なコンピューターの数十億年分の計算も、さらに140億年分(宇宙が、出来てからの年数以上の)を再現することが、できる。」と彼は考えています。彼によると、全人類の知能を合わせたような、人工知能が誕生すれば、宇宙の基本プログラムが解明できるそうです。シュミット・フーバー氏は高性能の人工知能の能力を引き上げて、宇宙を読み解こうとしています。

ある科学者は、私達の宇宙観は根本的に間違っている、といっています。宇宙は現実に存在しているかということです。私達の頭の中、内容を見ることも出来ないし、私達が存在しているというのも、不確かなことです。私達をとりかこむすべてのものは、想像の産物かもしれないというのです。この宇宙も例外ではないというのですが、これは、哲学のテーマとも重なってきます。私達の存在は、現実のものなのか?

長くなったので、次回にまとめをして、新しいテーマを探しましょう。
プロフィール

観音寺りえ

Author:観音寺りえ
アトラス研究所の観音寺りえです。

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住所: 東京都文京区千石4-37-10 
TEL: 03-3942-1341
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