不思議な話 その245 身体に良い食品、悪い食品(1)酵母エキスの危険性

最近、化学調味料(アミノ酸)無添加、と書かれている食品を目にします。本当の化学調味料(アミノ酸)が入っていない味付けなら良いのですが、代わりに酵母エキスと発酵調味料が入っているものは、化学調味料より身体に悪いようです。最近まで、私も気づかなかったのですが、あるダシやさんの食品を取っていた直後、後口が悪いなといつも思っていたのですが、カレーのレトルトにこの酵母エキスが多量に入っていたようで、食後の1日体調が悪くなりました。私は味覚に敏感で、自分の身体に悪いものには、反応します。化学調味料は、数時間で抜けますが、この酵母エキスは半日から1日影響が残ります。そこで、遅まきながら、ネットで調べてみたら、この酵母エキスは調味料扱いではなくて、食品扱いなので、化学合成物なのに、調味料としては、無添加と書けるのです。けれども、体の反応からして、身体にもっと悪いのです。どうも、現在の段階では、100%純粋のアミノ酸の精製はできないということだそうです。化学操作していない、昆布でダシをとるとか、煮干しや鰹節でダシを自分でとるのが、安全なようです。

酵母エキスを食べるとイーストコネクションのアレルギーの人は、イースト症候群の特有のアレルギー反応が出るようです。そうでない人も、アレルギー体質の人は、もしかして、イーストコネクションの反応が新たに出てこないとは言い切れません。

調べてみると、酵母エキスは、天然のものとは全く違う化学合成食品のようです。酵母エキスの原材料は遺伝子組み換えの酵母で、その酵母に炭素系のサトウキビのかすと、窒素系のアンモニア化合物をエサとして与え、体内に目的のアミノ酸を合成させ、それにビール酵母などのビール製造の残りかすを薬などで殺して、死んだビール酵母の死骸が消化酵素として働くもので、その性質を利用して、目的の先のアミノ酸合成が完了した遺伝子組組み換え酵母とまぜて、その消化酵素で遺伝子組み換え酵母を殺し、体内のアミノ酸をなどをその体の外に出させて、それを酵素や酸などで加水分解して抽出したエキスだそうです。

この酵母エキスは、アミノ酸(昆布の旨味に似たもの)、核酸(鰹節の旨味に似たもの)、しいたけの旨味などが含まれており、合成のものです。調味料として最近使用されはじめましたが、ビール酵母の死骸やその遺伝子組み換え酵母の合成された残りかすの不純物を100%除去できないようで、この合成物酵母エキスの入った食品は、苦味のようなえぐみが感じられます。自然の味ではありません。化学調味料と同じように、人の味覚をおかしくさせるものかもしれません。この一連の過程は明らかに、化学合成したものですが、これらは、現在これは、どういうわけか食品とされているので、化学調味料とは記載しないのです。そして、化学調味料不使用という謳い文句で、さも自然のものから取ったようになっていますが、酵母エキスと書かれたものは、とんでもない危険なものだと思います。

先程のイーストコネクション(イースト症候群)は、イーストなどの微生物を用いて、目的とする遺伝子を大量に製造して、その遺伝子の産物を製品にする場合、微生物が作った不純物をどれだけ除去できるかが、大切なのですが、不純物が残ることで、食品アレルギーのイーストコネクションの症状が出ます。酵母エキスが体に入ると、アレルギーの人はイースト症候群、特有のアレルギー反応がでます。これからそれを多量にとると、新たにイーストアレルギーを発症することがないとは言い切れません。酵母エキスはイーストアレルギーの人には毒なのです。

今年の5月に国立研究開発法人の医薬基盤・健康・栄養研究所は、日本人が、多くの食塩をとる原因になっている食品の1位に、「カップ麺」をあげています。「食塩のとりすぎが血圧の上昇と関連があることが明らかになっているので、注意してほしい。」そうです。WHO(世界保健機構)では、成人の食塩摂取量の目標値を、1日あたり5グラム未満とすることを推奨しています。一方、日本人の目標値は、成人男性が8グラム未満、女性が7グラム未満となっています。

厚生労働省の国民健康・栄養調査のデータを基に作成されたランキングでは、食塩含有率1位がカップ麺で、5.5グラム、2位が調理するインスタントラーメンで、5.4グラム、3位が梅干しで、1.8グラム、4位が高菜の漬物で、1.2グラム、5位がきゅうりの漬物で、1.2グラムだそうです。インスタントラーメンと漬物で、ほぼ成人男子の1日限界分になります。

塩の種類も健康に関係しているかもしれません。カップ麺やインスタントラーメンに含まれる塩は、工場で生産された工業塩を使っているそうです。塩も自然塩海水から取ったミネラルを多く含むものや、自然に出来た岩塩を砕いたもののほうが、体に良いようです。

最近見つけた健康に関する本で、藤田紘一郎氏の『腸健康法』(一生太らない体をつくる)大和書房、という本を読みました。内容を少し紹介したいと思います。本の冒頭では、南デンマーク大学の老化の研究で、「見た目が老けている人は、実際の寿命も短い。」という研究結果を発表しているそうです。その発表をしたクリステンセン教授は、双子の老化を研究していて、一卵性双生児の兄弟のうち、同じ遺伝子を持っているのにかかわらず、実年齢より老けて見えた人のほうが、早く死亡したのだそうです。クリステンセン教授は、「人の見た目と寿命は、その人の生活習慣が決める。」と言っています。

多くの人は、自分は若々しく元気で、長寿でいたいと思っているでしょう。この本の作者藤田氏は、「肥満を解消し、血糖値を下げ、身体年齢を若返らせるためのカギは、私達の腸に棲む腸内細菌が握っている。」と言っています。最近の研究では、肥満になると、「肥満菌」と呼ばれる腸内細菌が異常に増え、少し食べても太る体質になるそうです。極端な肥満は、生活習慣病や寿命にも影響を与えることがあります。その肥満の原因は腸内細菌にあるということなのです。100人には100様の腸内細菌の種類と組み合わせと、数があるようです。

自分に合った腸内細菌を増やして、元気になり、健康で若々しくなる仕組みを次回、この本から探ってみましょう。ダイエットにも、役に立つかもしれません。

不思議な話 その244 SF映画「メッセージ」とSFドラマ「フォーリングスカイ」

映画「メッセージ」(原題Arrival)は2016年のドゥニ・ヴィルヌーブという注目されている監督の映画です。テッド・チャン氏(中国系アメリカ人)の短編小説『あなたの人生の物語』をもとにエリック・ハイセラーという作家が脚本を書きました。なので、原作を読んだ方は、原作を映画に活かしきれていないという不満もあるかもしれません。SF映画としての派手なアクションもないので、盛り上がりに欠けるという意見もあり、好き嫌いが別れると思います。扱っているのは、未知の生物つまり宇宙人とのコミュニケーションをどう取るのか?という話を扱いながら、それだけがテーマではないので、SF映画と期待してみると、がっかりする方もいると思いますが、映画の作り方が斬新で、アメリカで、昨年に作られた最も優秀な映画に選ばれました。アカデミー賞では、作品、監督、脚色賞など8部門にノミネートされましたが、音響編集賞だけを取りました。この作品はヴェネツイア国際映画祭でもプレミアム上映されました。

日本では2017年5月19日に全国公開され、この10月にはビデオでもみられるようになりました。私は面白い作品だと思いますが、以下にどんな内容か書きますので、結末のネタバレも含みます。これからご覧になる方は気をつけてください。

世界各地の12箇所に突然、円盤を縦にしたような形の謎の宇宙船が現れました。エイミー・アダムズ扮する主人公のルイーズは、有名な女性言語学者で、その時大学で講義をしていました。講義を受けていた学生が、ルイーズに教壇のTVをつけてくださいと言って、ニュースで宇宙船の映像が写り、授業は中止になります。それ以降休講となり、ルイーズは自分の研究室にいます。彼女は時々、娘の事が頭に浮かびます。どうも離婚をして一人で娘を育てているような映像が娘が各年齢になった映像が繰り返し流れます。宇宙船は地上80メートルくらいで、静止したまま何のアクションもしません。その状態から数週間して、アメリカ軍のウェーバー大佐が彼女に会いに来ました。ルイーズはアメリカ軍の極秘任務で、通訳をしたことがあっったのです。ウェーバー大佐は、男性物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・ドナー)にも宇宙人の言葉を解読する依頼をしました。

ルイーズとイアンは、軍の指揮する宇宙船の近くの宿営地に加わります。そこでの任務は宇宙船にいる2体の地球外生命体とのコミュニケーションをとって、地球に来た目的を探ることでした。宇宙船の静止している場所は、アメリカでは、2~3箇所、アジアでは、中国の北京付近と数カ所、日本の北海道などでした。(原作では世界に、百数十箇所、宇宙船が現れることになっているそうです。)2体の宇宙人は、巨大なタコのような形をしていて、7本の足を持っています。ルイーズとイアンはその生物を「ヘプタポッド」と名付けました。地球と大気が違うのか、煙幕のような外気をつくり、その煙のスクリーンに、墨のようなものを手か足から吐いて、大きな墨のサークルのような形を作り、それはデコボコしていて、それぞれ意味が違うようなのです。

二人の学者は、他の星の異文化と何の接点もない言語で、コミュニケーションしなければなりません。ガラスのようなもので、宇宙人と人間は隔てられていますが、厳重な消毒も行われています。試行錯誤の末、二人はヘプタポッドの文字を解読できるようになります。時間がないので、完全な理解が出来ないまま、少しずつ言っていることが理解できるようになります。コンピューターで絵文字を分析している間、ルイーズは白血病で亡くなった娘の映像がフラッシュバックされ、娘との会話が、ヒントにもなります。学者二人は、宇宙人を「アボット」と「コステロ」というコメデイアンの名前をつけます。

このコミュニケーションは12個の宇宙船が各国に静止していたので、各国でも行われていました。中国では、麻雀のパイを使って、宇宙人と会話をしようと試みましたが、うまくいきませんでした。各国はお互いの国に宇宙人との交流の結果を知られないように、各国との交流、ネットの回線を切りました。

アメリカでは、ある程度宇宙人と会話が出来るようになり、軍に急かされて、地球に来た目的を尋ねると、宇宙人たちは、「人類に武器?を与えに来た。」といったのです。それを間接的に聞いて、脅威と考えた中国の将軍が、外国への通信の回線を切断し、宇宙人との戦争の準備を進めます。

ルイーズは彼らの言語が、表意文字で、回文のように上から読んでも下から読んでも同じなのではないかと考え、これは、地球と違う時間感覚を持っている宇宙人なのだと悟ります。若い軍人による、宇宙人への嫌悪の行動から時限爆弾を宇宙船内に仕掛けられます。それを知らないで、ルイーズは、中国軍から攻撃されるかもしれないことを伝えに行きイアンと船に入り、爆発に巻き込まれ、重力を操作した宇宙人に助けられます。宇宙人の一人アボットは爆発で死んでしまいます。その後、みんなの静止を振り切って、宇宙人の所に行き、軍全体の意志で宇宙船を攻撃したのではないことをコステロに伝えます。その時ルイーズは宇宙人が地球に来た目的を、知ります。

「問題の単語は武器ではなく贈り物だ」ということを、ルイーズは理解します。彼らは3000年後の未来に、「人類に自分たちを助けてもらうために贈り物をしに来た。」というのです。ルイーズは、彼らが時間を超越していること、彼らには過去も未来も見えること、そして、宇宙人がルイーズに「あなたは、未来がみえるんだよ。」と言ったことを理解します。その後、自分がフラッシュバックしていた娘との映像は、自分の未来であることを知りました。宇宙人のコステロはこれまでよりも、非常に沢山のメッセージを、ヘプタポッド語で残し、ルイーズとイアンは協力して解読していきます。

ルイーズは、ヘプタポッド語を理解するにつれ、彼らのように、未来のことがわかるようになっていました。彼らの思考構造を見に付けたのでしょう。アメリカ軍が宇宙船との交信をあきらめ施設を撤退しようとする中、中国では宇宙船を攻撃しようとする直前にルイーズは、中国の将軍に衛星電話を使って、命がけで、電話をかけます。なぜ中国の将軍の電話番号を知っていたかというと、未来の記憶からルイーズが引き出したものでした。誰も知らない将軍の妻についての秘密を、将軍に話すと、彼は彼女を信用して、攻撃をやめてくれました。その後世界各国は協力して宇宙船にあたり、ルイーズが宇宙船の来た目的を、各国に話すと、12個の宇宙船は飛び去っていきました。

ルイーズはフラシュバックの映像の通りに、平和になった各国の記念パーテイで、中国の将軍と会い、感謝され、彼の妻の秘密を聞き、彼の個人の電話番号を聞きます。これらは未来に起こったことだったのです。未来では、ルイーズは、ヘプタポッド語の本を出版して、宇宙人の技術を訳しています。これが、宇宙人からの、人類への贈り物だったのでしょうか?

撤退する施設の外で、イアンがルイーズに結婚を申し込み、その後生まれる娘が病気で若い時に亡くなることを知りつつ、ルイーズはプロポーズを受け入れます。彼女が離婚する相手は、なんと、イアンだったのです。彼女は未来が見えるゆえに、イアンとその後、離婚しなければならなくなります。ルイーズは、イアンに、「もし、困難な未来が分かっていても、その人生を受け入れるか?」と質問していましたが、彼女の中の答えはイエスなのでした。厳しい運命があっても、彼女は娘に会いたいし、一瞬、一瞬を大切にしたいと思うのでした。

この作品は、SF映画というよりは、主人公の女性の人生の物語であり、原作の、「あなたの人生の物語」のほうがふさわしいのかもしれません。自分の人生の未来を知ることは、将来、幸福であれ、不幸であれ、それを受け入れて勇気を持って進まなければ、いけないのか?あるいは、宇宙人の見せてくれた未来は変えられることが出来ないものなのか?最後にひとひねり、欲しかったような気もします。

「メッセージ」とは共通点が少ないですが、宇宙人との遭遇の対処の仕方で比べると、アメリカドラマの「フォーリングスカイズ」は、スピルバーグ監督の制作総指揮の作品です。シーズン5も続いた人気ドラマです。最初のシーズン1では、映像も荒く、慣れるまでに時間がかかりましたが、シーズン2以降から面白くなってきて、回を追うごとに、面白さが増した珍しいドラマです。

主人公はノア・ワイリー演じるトム・メイソンという宇宙人に対して、レジスタンス活動をする勇気ある男性を中心とする、家族と仲間の物語です。突如として、地球に現れた宇宙人により、世界各国の軍隊は破滅に追いやられ、各国政府もなくなり、人類の90%が亡くなります。生き残った人々は、6つ足の宇宙人の手先「スキッター」と、機械兵「メックス」の脅威にさらされ、8歳以上の子供たちは宇宙人に捕まると、「ハーネス」を取り付けられ、エイリアンに服従させられます。という恐ろしい内容です。友好的な宇宙人像を、映画で作ってきたスピルバーグにしては、残酷な宇宙人像を作り上げています。物語は、宇宙人が侵略してから6ヶ月後のところから始まります。

ボストン大学の歴史学の教授だった主人公のトム・メイソンは、マサチューセッツ州の市民軍第2連隊の副連隊長に任命され、ダン・ウィーヴァー隊長とともにグループを率いて、宇宙人に対してレジスタンスをします。宇宙人は何種類もいて、悪い宇宙人はバッタのような姿で、人間より背の高い冷酷な宇宙人です。人間にとって良い宇宙人は、亀のような顔をした、人間と同じくらいの身長をした宇宙人で、後にトムの親友になります。その親友である彼は亀の宇宙人の王子のような、立場にいます。トムには、3人の男の子がいて、次男が宇宙人に誘拐され、ハーネスをつけられます。最初の妻は、殺され、戦場で知り合った医者の女性を2番めの妻とします。4人目の女の子がお腹にいる時に2番めの妻は誘拐され、宇宙人に胎児を遺伝子操作されます。妻と子供は宇宙人から逃げ出せますが、生まれてきた女の子は、成長が異常に早く、サイコキネシス(物を動かす力の)強い超能力を持って生まれます。

この物語は、幾つもの星を侵略してきた凶暴な宇宙人に対して、勇気を持って挑む人々の、サバイバルの物語です。未知の宇宙人を研究し、同対処していけばいいかを登場人物達が考えて戦います。子供の改造はやめて、大人をスキッターのように、別の生き物に作り変えるという恐ろしいことも、敵の宇宙人は考えつきます。悪賢い宇宙人はトムの娘を使って、生き残った人間たちを、手懐けようともします。未知の宇宙人に対する、人類の対応がとても臨機応変で、既知の宇宙人になるわけですが、登場人物たちは決して降参しません。トムは途中でその地域の大統領になったりして、皆を率います。次男を助け、長男も敵に操られそうになります。三男は、小さいですが、とても勇気のある子供に育ちます。この作品のテーマは家族愛と共通の敵と戦う人類愛がテーマだと、スピルバーグは言っています。

もうすぐ、ファイナル(第5シーズン)が終わりますが、私はきっとトム達生き残った人類が、侵略者の宇宙人を追い出すして勝利をつかむのではないかと予想しています。

次回は全く違う分野の別のテーマで書きましょう。

不思議な話 その243 H.Gウェルズの予言まとめ

H.Gウェルズのまとめです。彼の書いた『世界はこうなる』は、20世紀、初めの1933年に出版されましたが、21世紀を予言する書でもあるといわれています。レーブン博士という仮想の人物が西暦2106年22世紀という地点から振り返って、世界の歴史を記録するという形式で書かれている未来小説です。上巻では、自由競争と貨幣制度が招いた現代の危機感を描いています。ウェルズは、「変貌するアメリカ」の章で、彼は、私益資本主義の没落および崩壊をあげています。そして、まだ、実現してはいませんが、「20世紀か21世紀における世界の崩壊の直接の原因は、第一に貨幣的不適応、第2に増大した生産力を通じて起こった社会組織の崩壊、第3に大規模な疫病の流行」をあげています。ウェルズは、戦争が必ずしも今の世界体制の崩壊の原因になるとは言っていません。人々の生活は経済なので、その生活が債権者 によって絞め殺される、と言っています。まさに現代の、ローンやカード社会、国や地方の借金などが破綻寸前の状態です。増大した生産力とは、物余りの状態なのか、ダンピングなどの安売りのものが大量にあふれて、競争に敗れたものは経済的に破綻するということなのでしょうか?

ウェルズは、「世界がたとえ100もの交戦国に分かれていても、もしその債権者を拘束するような通貨組織を持ち、かつ産業の発展を限りなく許すものであるとしたら、世界は相互絶滅という最終地点に行き着くまでには、もう1世紀かそこらの間は、たとえ戦争があっても、まだ、繁栄を続けていったであろう。通貨組織の崩壊こそは、世界の壊滅、弱体化、飢餓のもっとも直接的な要員であった。」と書いています。ウェルズは、現在のアメリカの人口をおおよそ80年前にいいあてています。

この本では、第2次大戦前に書かれたのに、日本の戦争への流れや、経済的な困窮、大戦へと向かう様子や、アメリカの世界大戦への参戦、日本のアジア進出、日本の敗戦など、未来のことなのに見てきたように描かれています。ドイツの第2次世界大戦にいたる様子や、戦車のこと、飛行機での空中戦の様子が、詳しく描かれています。そして、ナチス・ドイツのヨーロッパ侵攻、その後のアメリカ、ソビエトの参戦で、連合国軍が出来、ドイツが敗戦することが、予言されていました。

ガスなどの化学兵器のことや、日本に落とされる2発の原子爆弾のこともこの本には書かれていました。そして、爆撃機を載せられる潜水艦のことも書かれていました。しかし、日本の共産化とペストの流行は当たっていませんでしたが、日本の敗戦からの立ち直りと、その後の発展、21世紀の外圧による経済の停滞の予言は当たっていました。戦後世界で、資本主義文明が全盛を極め、その後衰微し、崩壊することが、ウェルズによって、予言されています。「空気ドル」という貨幣の出現・・・これは、ネット上の仮想通貨、ビットコインのようなものではないかと、私は思います。この空気ドルが世界的に普及すると、物質の貨幣経済が崩れて行くのかもしれません。

これから起こることを年を明示して書いてある予言は、2020年、カトリックのローマ法王への毒ガステロ?やはり、2020年頃、学校は全て「国家の学校」となる。(教育費が無償になるということか?テレビやネットでの勉強で統一されるということか?でもこれから4~5年でそうなるとは思えないので、もっと先なのか、実現しないかもしれませんね。)2020年以降、キリスト教イスラム教、ユダヤ教などの3大宗教の衰退。ユダヤ教信者は、一つにまとまった「世界国家」に溶け込む。そして、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教仏教が最終的には一つに結合する。

2030年頃、「革命の時代」と書いてあるのですが、何の革命かはよく分かりません。2047年頃生物の自由な遺伝子操作(これは遺伝子組み換え治療や、新しい生物を作るとか、再生医療などのことでしょうか?)

2040年頃のインフルエンザ、発疹チフス、、百日咳、コレラ、腸チフス、麻疹、その他の伝染病の根絶。性病の根絶。

2059年頃、地殻の中にある深部の埋蔵物の探査と開発と採掘。「メゲーブの宣言」は革命の後に世界評議会の役割が終わり、9名の世界会議委員が運営しており、上位国家、下位国家の区別もなくなり、支配という言葉もなくなり、戦争も一切なくなり、平和と安寧が訪れた時、この宣言がなされるとウェルズは書いています。彼は「人間受難の時は終わり、一致団結した人間に太陽が昇る時が来る。北極から南極まで、地球上には自己実現、健康、関心、自由で公平な社会が来て、見込みのない人間は一人も存在しない、もはや奴隷なども一人も存在しない、貧しいものもいないし、誰一人として、絶望的な長期の投獄の宣告は下されない、心身の苦しみのあるものは、科学的にか所轄の後見人がボランテイアとしてつき、世界は私達の実力と創造力を支えると。」言っています。「物資を獲得するための生存競争は終わり、抑圧や、訓練の必要は過ぎ去った。誰も自分の最善以下で生き、最善以下にいる必要はない。教育のお陰で、私たちは、人類とお互いを尊敬できる。私たちは、通貨、公然の証言、公安と健康と礼節に対する社会習慣に忠実でなければいけない」とウェルズは言っています。

ウェルズは地球の自然に対しても、「15のとても広大な自然公園を作り、人を立ち入れないようにして、動物や植物が人間に干渉されることがなく生育して繁栄する。土地の個々の私有権制度はなくなり、局地的な政府もなくなり、鉱物資源は地中深く掘り出される事ができ、枯渇しない。大気の構造及び運動を変化させることが可能になるので、(つまり、天候をあやつれるということでしょうか?)自然災害も起こらない。人類はもはや苦しまない。過剰人口、栄養不足、肉体及び、精神上の疾患に苦しむこともない。人類の生活は芸術や科学で、生活を楽しみ、洗練され、拡大される。人種間では色が白かろうと、黒かろうと銅色であっても、髪が黒くても、金色でも、太っていても痩せていても、分け隔てなく、住むのに最適な場所に住み、その子を育て、かつ休息する。多様性を認めつつ、平等にふるまう。将来はほとんどの人たちが100歳またはそれ以上の高齢で、長くて楽しい1日を終わって、寝床につくのと同じように、安らかに天寿を全うする。めいめいの頭脳が機敏にそして器用になるのと同時に、集団の頭脳すなわち百科事典とか基礎知識体系とか誰でも持てるようになる。」と書いています。

そして、「現在は子供でさえ互いに戦うことがなく、人の興味や生活は、完全に社会化された。全民族は一つにまとまり、我々をつなぐものは、限りなく弾力のある目に見えぬ微妙なものではあるがあたかも、サンゴやポリプのような、群生有機体のようになりつつある。」と彼は言っていますが、これは、人間が変身するのではなく、比喩です。ネットや、テレパシーのようなものでつながり、人々の意識が、一つの生物のようにつながり結びつくことを言っているのではないでしょうか?

H.Gウェルズは、人の精神が進化し、平和的な宇宙人のように、一つの惑星に完全に適応し、テレパシーなどで、つながり、個々の我欲を捨てた、一つの集団のようにも見える社会で、満ち足りて繁栄して生きている人類の姿を、未来に見たのでしょうか?
それは、まさに地上に作られた楽園のようにも思えます。多くの人類が夢見るけれども、今現在でまでに実現できないユートピアの世界ですね。

次回も面白いテーマを探しましょう。

不思議な話 その242 H・Gウェルズの予言(3)

H.Gウェルズは、『タイムマシン』以降、現代SF小説の原型ともいえる作品を、多く書いています。『宇宙戦争』、『モロー博士の島』、『透明人間』、『月世界最初の人間』など、今あるSF小説や映画、アニメの筋書きの原型は、ウェルズが作りました。

ウェルズの作品はそれぞれ、科学に精通していないと、書けない内容です。ウェルズは題材を当時の世の中に無い、全く、新しいものにしました。当時彼の執筆活動を支えたのは、恋人のエイミーでした。彼女は信頼のおけるウェルズ作品の批評家でもありました。1895年にウェルズは、前の妻、イザベルと離婚して、エイミーと結婚しました。

ウェルズには、1901年に長男、2年後に次男が生まれました。彼の小説のテーマは、テクノロジーの発達、地球規模の戦争、不安定な世の中を救うのは、進化した社会だと彼は考えました。彼は、「世界国家」という造語を考えました。彼はSF小説の他に、自伝的小説も書きました。ウェルズは、イギリス文学界を代表する人になり、彼の作品は、国中の人が読みました。さらに彼は、性の開放を小説にしました。フェミニズムの象徴ともなりました。彼はイギリスの古くからのしきたり、家長制度への批判、男女の自由なセックス、避妊の擁護、という現代では一般的なことを、当時の世の中では考えられない活動をしました。彼は自由に愛し合おうと言って、実生活でもそのように行動しました。エイミーはウェルズと別れたくなかったので、彼がそとに愛人を持つことを容認しました。エイミーの結婚生活の条件は、一緒にいる時間を作ることと、浮気を隠さずに話すことでした。ウェルズは、愛人を何人も作り、アンバーという女性とは、1912年まで続きました。

『タイムマシン』の作品以降、ウェルズは、「人類が危機にある」と訴えました。彼が予言した通り、世界では、1914年に第1時大戦が始まり、1918年に終わりました。ウェルズは第1時大戦前に、『陸の甲鉄艦』という小説をもう書いていて、それは第1時大戦と同じ状況を書いていました。彼は、小説を書いた当時にはなかった「戦車」のことを書きました。

『空中戦争』では、ウェルズは、執筆当時にはなかった、戦闘機での戦いを描きました。ウェルズの警告に反して、第1時大戦は、「戦争を終らせる戦争」と呼ばれました。ウェルズは、滅亡の危機を味わった人類は、平和な世界国家を構築するだろうと期待したのです。彼は未来の人類の存続が、危機にあると考えました。彼は、戦争の体験を反省して、強力な世界国家を考えました。彼は、その著作や講演から、「世界の合衆国」を考えました。ウェルズは、もしそれが実現できたら、世界中から戦争をなくせると考えました。彼は、『世界史外観』を書き、世界中のあらゆる文明の歴史をたどりました。

彼の私生活では、多くの女性達が彼を崇拝しました。妻と愛人の二重生活で、オープンマリッジをしていました。彼の妻のエイミーは夫に愛人がいても気にしませんでした。その後エイミーはガンで亡くなりました。妻を亡くしてウェルズは、エイミーがかけがえのない存在だったことに気づきました。ウェルズは妻が亡くなって、重度のうつ病になり、糖尿病でもありました。彼は糖尿病の会を立ち上げました。

1933年ドイツではアドルフ・ヒットラーが現れ、ウェルズは同年『世界はこうなる』という未来小説を書きました。これは、予言でもあると言われ、1936年に映画化もされました。私もこの本を買って読んでみましたが、とても難解です。

この『世界はこうなる』では、世界の予言のような未来が書いてありました。第二次世界大戦の予言や、ロンドンへの大空襲、それらは、まるで見てきたようなリアルな描写で戦争のことについて書いてありました。ウェルズ原作の映画も、まるで、第2次世界大戦そのものでした。なぜか彼は、何が次に起こるのか知っているようでした。

この『世界はこうなる』では、未来の世界国家について、描かれていました。その世界は、高度な技術を持つ、エリート集団の世界です。映画の封切りから数ヶ月後、ウェルズは70歳になり、イギリス文学界の長老になりました。1938年10月30日、アメリカのラジオ放送で、H・Gウェルズの『宇宙戦争』が俳優オーソン・ウェルズの朗読で、放送されました。アメリカ東部の人々は、本当に起ったことなのかと、パニックを起こしました。これは、ハローウィンの企画でしたが、飛来した火星人が、光線で、人々を殺しているのを、速報で伝えるという内容になっていました。

ウェルズのアメリカからイギリス帰国後に、第2次世界対戦がはじまりました。戦争の間中、彼はロンドンに残り、彼なりのやり方で、ロンドンを守ろうとしました。

ウェルズのアメリカからイギリス帰国後に第2次世界対戦が起こり、戦争の間中、彼はロンドンに残り、彼なりにロンドンを守ろうとしました。ウェルズの最後の望みは、「世界人権宣言」の成立でした。」彼が書いた試案は、後の国際連合の、いしづえになりました。『タイムマシン』以降の著作には、人類がいずれ衰退し、絶滅する可能性があることが書かれていました。しかし、それを回避・する方法を考える価値は十分にあると言っています。

自分が見通したありのままの未来を、彼は小説の中に描きました。ウェルズは人間の存在価値を信じていました。けれども、アウシュビッツの虐殺や、広島や長崎の原爆の話を聞いて、彼は絶望したといいます。

1914年出版の『開放された世界』という作品の中で、彼は原子爆弾について、詳細な未来の描写をしていました。まだ、原爆が
世の中に知られる前です。彼が初めて書いた、原爆がその30年後に実際に使用されるとは、誰も想像できませんでした。

逆に核兵器研究者のレオ・シラートはこのウェルズの小説を参考に、原爆を製造したと言われています。

ウェルズは、人類の運命という長年の疑問の答えが、核兵器という最終兵器に左右されるかもしれないことを、知りました。彼は自宅の裏の塀に、恐竜が人間に進化する?絵を描いて、「去るときが来た」と書き残しました。

彼は「生命の終わりは決して避けられないものだ。時がくれば、チリも残さず、全てが無くなる。」と言っています。彼は晩年肝臓がんになりました。1946年8月13日に投票をしに行って、その3週間後に彼は79歳でなくなりました。

次回にH・Gウェルズのまとめと、新しいテーマを書きましょう。

不思議な話 その241 H・G・ウェルズの未来予言(2) 

HG・ウェルズは40年以上当時の19世紀の人々を驚かせました。有名でカリスマ性のある作家です。歴史家で科学の知識もあり、未来主義者でもありました。性の開放家で、女性の権利を主張し擁護者でもありました。彼は百年後の未来の「女性運動」も見通していたのでしょうか?予言者の側面も持っていた彼は、20世紀と21世紀の姿が見えていたのでしょうか?彼は原爆や2度の世界大戦を予言し、進化した人類の理想郷を信じました。

1866年のヴィクトリア女王統治のイギリスのロンドン近郊のブロムリーで生まれました。彼の父親は植木職人、母はメイドで下層階級に属していました。両親は家財を投じ、陶磁器店を営みました。少年時代のウェルズは、その店の地下で育ちました。頭上を往来する人々を地下から格子の上を眺めて過ごしました。7歳の時に彼は、足の骨を折って、3ヶ月くらいギブスをつけて安静に過ごしました。その時何もすることがないので、ベッドで本を読んで過ごしました。彼はその時が自分の人生で転機だったと言っています。本は彼の想像力をかきたてました。10歳の頃に、彼は自分で挿絵つきの小説を書き上げました。『砂漠のデイジー』というお話でした。両親は当時店の経営に失敗し、母親はメイドの仕事に戻りました。

13歳のウェルズは、家が貧しかったので、服地店で、見習いの仕事をさせられました。ビクトリア朝の後期、商人見習いの生活は過酷だったそうです。朝7時から夜8時まで13時間労働をしていました。彼はその仕事が好きではなくて、仕事中に本を読んで怒られたり、お金の計算を間違えたりしたそうです。彼は仕事先を逃げ出して、母親の仕事先のお屋敷アップパーク邸に身を寄せました。13歳のウェルズは、邸宅の図書館へ入り込みました。アップパーク邸で多くの本を読みました。19世紀の上流社会を見て彼はこの頃から貧しさから出る道を探し始めました。

母親のサラは、息子に手に職をつけさせたくて、また、服地店にウェルズを下働きに出しました。ウェルズは、すぐにその服地店を飛び出し、仕事をやめられないなら、この人生を捨てると母を脅したそうです。勉強を熱望していた彼は、やっと希望が叶い、家庭教師兼学生になりました。彼は時間を惜しみ取り憑かれたように勉強して、中等学校の内容を、飛び級して2年で終えました。

彼は、化学、物理、天文学など、その他も全ての教科で、一番となり、表彰されました。優秀な成績で、高等学校の奨学金を獲得しました。ウェルズは、勉強で階級社会の壁を打ち破ったのです。彼は当時の科学師範大学の学生となり、給付型の奨学金をもらって、科学者への道を自ら開きました。

彼は師範学校で、科学界の有名な進化論研究者の第一人者である、ハクスリー教授に学びました。ハクスリー氏はダーウィンの弟子で、当時キリスト教社会では革命的な「進化論」の擁護者でした。ハクスリー博士は、進化論を説き、ウェルズはその話を初めて聞きました。若かったウェルズは、人間という種が、進化する中で、絶滅するのか、生き延びるのか、じっくり考えました。

未来の人類のことに魅せられたウェルズは、21歳の1887年に、学生誌に初めての著作を発表しました。タイトルは、『20世紀の物語』です。(当時は19世紀だったので、100年後の話です。)この著作は、10歳の頃に書いた、『砂漠のデイジー』の10年後の話です。

彼にとって本を書くことは、世の中の様々な疑問を解く手段になっていました。学校を出た彼は、記者になり、科学の知識を発揮しました。彼は仕事で、当時の科学の新しい発見や、発明を解読しました。教職にも就き、忙しい日々を過ごしました。

1891年に25歳のとき、メイドを解雇された母親と、商売に失敗した父親の面倒をみました。ウェルズは両親に、自分は物書きで生活していると手紙に書きました。ウェルズは、学生時代に恋におちた、イザベルという名のいとこと1891年に結婚しました。この結婚は7年で破綻しました。今でいう「性の不一致でした。」ウェルズは性に開放的で、イザベルはその逆でした。

1893年にウェルズは働きすぎで、当時はやっていた結核という病になりました。数週間その病気で入院しました。彼はイザベルと別居し、エイミー・キャサリンという新しい恋人と暮らし始めました。結婚しないで同棲することは、当時は考えられなかったようでs、エイミーの兄弟達は、結婚しないなら彼を殺すと脅したので、ウェルズとエイミーは駆け落ちしました。

彼が初めて書いた、生物学の教科書が出版され、彼は科学の記事を書いていた記者の仕事をやめ、小説家を目指すことにしました。彼は、時間旅行を可能にする乗り物の話を書くことにしました。1895年、ウェルズは7年越しで、時間旅行の小説を発表しました。彼はこの小説のジャンルを「サイエンスロマン」と名付けました。『タイムマシン』は、過去の進化の過程から、人類の未来を見てくるという設定で書かれています。小説の主人公の時間旅行の行き先は過去から、80万年先までなのです。さらにそこから、3000万年先へ行き、主人公は、死にゆく地球を見ます。歴史の最後を見届け、主人公は主人公の生きている現代へ戻ります。ウェルズは、この小説を通して、我々の努力次第では、未来は良く変えることが出来ると伝えています。

次回にこの続きを書きますね。
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観音寺りえ

Author:観音寺りえ
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